ジュエリーブログ,ニュース / ジェムランド

2008/1/29 火曜日

ルーヴル美術館展 「フランス宮廷の美」開催中 - 東京都美術館

Filed under: ジュエリー イベント — ジェムランドeditor @ 5:51:08

ルーヴル美術館展 「フランス宮廷の美」上野の東京都美術館(東京都台東区上野公園8−36)でルーヴル美術館展「フランス宮廷の美」が開催されている。日仏交流150周年である本年幕開けに相応しい華やかな展示だ。

この企画展ではフランス歴代宮廷で最も洗練された文化が花開いた、ルイ15世、ルイ16世の時代のサロンを彩ったマリー・アントワネットらが特別に作らせた装身具・ジュエリーなどが公開されている。また横浜在住者にはなじみ深いパン屋のポンパドウルの名前の由来となったポンパドゥール夫人が好んだ繊細な金銀細工など、日本初公開の工芸品も数多い。

会期は4月6日まで。4月26日から7月6日は神戸市立博物館に巡回展示される。

東京都美術館のルーヴル美術館展「フランス宮廷の美」に関するウェブページ

br_point.gif 場所:東京都美術館企画展本室
br_point.gif 期間:1月24日〜4月6日
br_point.gif 休館日: 月曜休室(ただし2月11日は開室、2月12日は休室)

br_point.gif 観覧料(パン屋のポンパドウルに割引券あり)

  • 一般:1,500円 / 学生:1,200円

o_point.gif 親子ふれあいデー [2月16日(土)、17日(日)、3月15日(土)、16日(日)]

開催期間中の第3土曜日、日曜日に、18歳未満の子供を同伴した都内在住の保護者は一般料金の半額。

o_point.gif シルバーデー[2月20日(水)、3月19日(水)]

65歳以上の方は無料。

※ダイヤモンドを象嵌した飾り武器模様の嗅ぎ煙草入れ(1759-62年)

1万4千年前の鞄にはビーズ・アクセサリーを作る道具が入っていた

Filed under: ジュエリーニュース — ジェムランドeditor @ 5:31:18

メルボルンにあるラトローブ大学の研究者がこのほど公開した1万4千年前のものと思われる鞄の中身には、ビーズ・アクセサリーを作る道具が入っていた。

ビーズの材料はガゼルの足先の骨。鞄は獣皮もしくは小枝で作られており、肩掛け式と推定され、ヨルダンで発見されたもの。

写真はディスカバリーニュースのこちらのページで公開されている。左上に写っているのがガゼルの足先の骨。

身を飾る意味での装身具は、生活に余裕がないと作られないと考えられる。1万4千年前のヨルダンの人々の生活は我々が想像するよりも豊かであったか、あるいはガゼルの骨のビーズが呪術的な目的で用いられる生活に必須のアイテムであったのだろうか。

2008/1/27 日曜日

GIA JAPANバーゼルフェアー視察ツアーの参加者募集

Filed under: ジュエリー イベント — ジェムランドeditor @ 7:21:48

バーゼルワールド・ウォッチ&ジュエリー・ショージュエリー専門学校GIA JAPAN(ジーアイエージャパン)では今年もバーゼル・フェアの視察ツアーを企画し、2月15日まで参加者の募集を行っている。期間は4月4日から9日まで。

スイス・バーゼルフェアーの正式名称はバーゼルワールド・ウォッチ&ジュエリー・ショー(BASELWORLD THE WATCH AND JEWELLERY SHOW)で、2008年の会期は4月3日から10日まで。

バーゼル・フェアーには東京ドーム12個分余りという広大な会場に2千社以上が出展し、10万人を越える来訪者を集める世界有数の宝飾見本市である。

時計・宝飾の有名ブランド各社が最新作を発表するバーゼル・ワールドでは、今年のジュエリー業界のトレンドを見て取ることも出来る。

このツアーではドイツ・ドレスデンに飛び、博物館めぐりのツアーもオプションとして企画されている。

期間:2008年4月4日(金)〜4月9日(水) 4泊6日
旅行代金:197,000円(ツインベースの部屋利用)

  • 成田発(関西発については別途問い合わせ)
  • 空港使用料・燃料特別付加運賃、スイス国内移動の国鉄運賃等は含まれていない。

宿泊地:スイス・ルツェルン
催行人数:25名(先着順)
締切日:2008年2月15日(金)

バ−ゼル説明会:

  • GIA JAPAN東京教室(開催日:2月5日(火) 時間:18:30〜19:30頃まで)
     お問い合わせ:03-3835-7046(担当:中嶋)
     
  • GIA JAPAN大阪教室( 開催日:2月6日(水)  時間:18:00〜19:00頃まで)
     お問い合わせ:06-6266-8530(担当:大木)

*説明会参加希望者直接各教室までお申し込む。
*詳しい申し込みパンフレットを希望の場合にも直接最寄りの教室まで問い合わせる。

ジュエリー専門学校、GIA JAPANウェブサイト

スリランカからの宝石便り 〜その3〜 クリソベリル

Filed under: スリランカからの宝石便り — shinko @ 7:01:38

クリソベリルという名前は聞き慣れないかもしれませんが、これは鉱物名で、その中でも宝石の真ん中に一条の光が現われるものを「キャッツアイ」、色変わりを見せるものを「アレキサンドライト」と呼び、大変に高級な宝石として扱われています。

スリランカではこのどちらの宝石も産出されますが、アレキサンドライトは、産出量も少なく、特有のカラーチェンジも太陽の下では若草色、ライトの下では赤紫かラズベリーの赤といった色変わりを見せます。残念ながら顕著に色が変わるものは少ないです。もしはっきりカラーチェンジするものが店頭で売られていたとしても、

  1. それは本当にスリランカ産なのか? 
  2. カラーチェンジタイプの合成サファイアではないか? 
  3. カラーチェンジガーネットではないか?(これも希少ではありますが)

といった点を疑ってしまいます。しかし、ブラジル産のような高級アレキサンドライトは大変高価な為、少しでもカラーチェンジのするスリランカ産が予算内で購入できるのであれば手にいれてみるのもいいのではないでしょうか。

スリランカのお店で、日本人観光客が熱心に勧められる宝石のひとつに、キャッツアイがあります。猫目石として有名な宝石です。石の真ん中にひとつの光の帯が現われ、本物の猫の目のようでおもしろいです。クリソベリル・キャッツアイは細長い液体のチューブ状の含有物が同じ方向に並んでおり、それをカボションにカットして上から光をあてると、一条の光となって現われます。このことを「シャトヤンシー効果」と呼びます。この効果はクリソベリルに限らず、クオーツやトルマリンなど、多くの宝石にも見られますが、市場で、キャッツアイと単独で呼ばれる場合はこのクリソベリルのことを指します。最高級品は蜂蜜の色をしており、過去に展示会で見たことがありますが、深みのある茶色の宝石の真ん中にくっきり光が一条現われ、カラットも大きかった為か威厳にみちた宝石でした。また、アップルグリーンと呼ばれる緑色も希少性が高く、高級品として扱われています。もし、本当に良いキャッツアイをお探しであれば、スリランカで見つけることができます。高級品ではないのですが、よく見かける色に、うすい黄色、褐色した茶色のものがあります。1カラット未満の小さいものでも、目がはっきり現われ、値段も手頃ですし、若い人にも似合うジュエリーになるのではないでしょうか。余談ですが、先日クリソベリルに似たキャッツアイを見つけました。10カラットほどあったのですが、値段が安く、一条の光がぼんやりとしています。鑑別をしてみると、ジルコンでした。

アレキサンドライトにシャトヤンシー効果の現われる「アレキサンドライト・キャッツアイ」というものがあります。(残念ながらまだ見たことがありませんが)

さて、高価なふたつの宝石を説明致しましたが、カラーチェンジもしないで、猫のような目もでないものを、そのままの鉱物名「クリソベリル」と呼びます。色は緑、黄色、茶色がかった黄色、黄金のような色があります。クリソベリルは硬度が8.5とコランダム(サファイア・ルビー)に次ぐ硬さがあり、輝きが強く、大変魅力的な宝石です。残念ながらスリランカ産のクリソベリルは鉄分を多く含んでいて、色がやや褐色した感じのものが多いです。しかし中には美しいゴールドのような輝きのものもあります。それぞれの色を比べてみると、微妙に色が違って味わいがあります。自分の好みに合うものを探して、それを指輪にするととても印象の強いものが出来上がると思います。

個人のブログを楽天で書いています。宝石学の勉強やスリランカの生活など、どうぞ覗きに来てください。
スリランカ宝石留学物語 

片山 新子、FGA

2007/12/22 土曜日

デビアスの販売部門DTC、来春から2011年のサイトホルダーを決定

Filed under: ジュエリーニュース, ダイヤモンド — ジェムランドeditor @ 7:41:23

Antwerp Facetsによると、デビアスの販売部門であるDTC(ダイヤモンド・トレーディング・カンパニー)は、2008年3月31日から2011年3月31日の契約期間となるサイトホルダーを決定した。

新たなサイトホルダーは75社で、現在の93社から大幅に減少している。新たに選ばれたのは6社。社名は4月に発表するとしているが、ラパポート オンラインは以下の69社が選出されているとしている。日本からは田崎真珠がリストにある。またカナダ、ノースウェスト準州のアースラニアン カッティング ワークスが入っているのも目を引く。同社はカナダ産の産地証明付きダイアモンドを研磨している。日本では食品の偽装表記に関するニュースが数多く見られるが、カナダ産と他国産のダイヤモンド原石を同時にカットしているとなると、カナダ産の証明に疑問が付きはしないだろか。

A. Dalumi Diamonds Ltd
A.S. Export (新規選出)
Arjav Diamonds N.V.
Arslanian Cutting Works NWT  (新規選出)
Asian Star Co. Ltd.
Bhavani Gems
Blue Star
C. Mahendra Exports
Chow Tai Fook Jewellery Co. Ltd.
D.D. Manufacturing N.V.
Dali Diamond Company N.V.
De Toledo Diamonds Ltd.
Dharmanandan Diamonds Pvt. Ltd. (新規選出)
Diamanthandel A. Spira BVBA
Diacor International
Digico Holdings Ltd.
Dilipkumar V. Lakhi
Dimexon Diamonds Ltd.
E.F.D. Ltd.
Eurostar Diamond Holdings
Exelco N.V.
Festdiam
Fruchter Gad Diamonds Ltd.
Gold Star Diamond Pvt. Ltd. (formerly RT Diamonds pvt.)
IGC Group
JB Diamonds
Jewelex India Pvt. Ltd.
Julius Klein Diamonds Inc.
K. Girdharlal International Pvt. Ltd.
KGK Enterprises
K.P. Sanghvi & Sons
Karp Impex Ltd.
Kiran Exports
Kristall Production Corporation OAO
L.I.D. Ltd.
Laxmi Diamond Pvt. Ltd.
Lazare Kaplan International
Leo Schachter & Company Ltd.
Louis Glick & Company
M. Suresh Company Pvt. Ltd.
MWI/Geffen
Minestone
Mohit Diamonds Pvt. Ltd.
Moti Ganz
Navin Gems 
Overseas Diamonds
Pluczenik Diamond Co.
Premier Gem Corp.
Rand Diamonds
Rosy Blue N.V.
SAFDICO
Sahar Atid Diamonds Ltd.  (新規選出)
Salant Group Ltd.
Sanghavi Exports International Pvt. Ltd.
Shairu Gems (新規選出)
Sheetal Manufacturing Co.
Shree Ramkrishna Export
Shrenuj & Company Limited
Star Diamond Group (Pty.) Ltd.
Stuller Inc.
SunDiamond bvda / HRA Investments Ltd.
Suashish Diamonds
Tache Company N.V.
Tara Jewels Co.
Tasaki Shinju Co. Ltd.
Vijaydimon Bvba
YEI - Yahalomei Espeka International
Yerushalmi Bros.
Yossi Glick Diamonds (2003) Ltd. (新規選出)

尚これとは別に、本年秋に設立されたダイヤモンド・トレーディング・カンパニー・ボツワナDTCボツワナ)は16社、ナミビア・ダイヤモンド・トレーディング・カンパニーナミビアDTC)は11社のサイトホルダーを発表している。

2007/12/13 木曜日

マリア・カラスゆかりの品サザビーズに出品。落札総額は約2億9千万円

Filed under: ジュエリーオークション ニュース — ジェムランドeditor @ 8:03:32

マリア・カラスのジュエリー20世紀最高のソプラノ歌手ともいわれ、1977年にパリで没したマリア・カラスゆかりの品が12日、ミラノで開催されたサザビーズのオークションで競売にかけられた。落札総額は約2億9千万円(1,766,225ユーロ)だった。

宝飾品の最高落札価格はヴァンクリーフ & アーペル製のネックレスで、マリア・カラスが1970年代から身に着けていたもの。落札予想価格は30万円ほどと思われていたが、1100万円(66,250ユーロ)で落札された。その他にも落札予想価格を大幅に上回る落札価格が相次ぎ、マリア・カラスの未だ根強い人気の程を伺わせた。

写真は1950年代に制作された猫のブローチ。およそ29万円で落札された。尚、可愛らしいシャム猫のペンダントが匠工房さんで販売されている。

2007/12/12 水曜日

宝石便り〜その2〜スリランカのコランダム

チャールズ皇太子が婚約の時にダイアナに贈った指輪はスリランカ産サファイアといわれています。ブルーサファイア(コランダム)はスリランカの代表的な宝石のひとつで、観光客を相手にした宝石店では、目につくところにブルーサファイアのジュエリーやルースが置かれています。しかし、非加熱サファイア(ブルーの色に限らず)の産出量は減っており、ギウダと呼ばれるガソリンのような茶、黄色味かかった白いコランダムを加熱して色を出しているものが大半です。この加熱処理はその宝石に潜在的にあった能力を引き出し、色も安定します。宝石の産地であるラトゥナプラ近郊では、加熱工場が多くあり、家庭内工業といった感じで昔ながらの機械(Toda Furnace, Lukmini Furnace)を使って、1700−1800度の温度で熱処理を行っています。加熱業者の研究と努力で、本来ならば宝石として扱われないギウダが、美しい色に変わっていくのは感慨深いです。

しかし、中には表面を拡散処理されたものやベリリウム処理をしているのではないかと思われるサファイアを見かけることもあります。これらは、海外から持ち込まれるケースもあり注意が必要です。また最近では、マダガスカル産(アフリカ)の非加熱のブルーサファイアや加熱処理されたものも増えており、ベルワラ(宝石のディーラーが多く集まる街)の業者も定期的にマダガスカルまで買付けに行くとのことです。

スリランカのルビーは、ピンクに近いものが多く、ミャンマー産のような赤(ピジョン・ブラッド)を見かけることはありません。この明るくチェリー色がかったルビーは、どの世代の女性にも合いそうな色合いだと思います。また、かなりレベルの低いルビーが海外から入ってきており、中にはガラスや鉛の含浸処理されたものも扱われています。これらは低価格で販売されていますが、そのような処理がされているという説明はまずないでしょう。

「蓮の花」という意味のシンハラ語から由来のある「パパラチア」ですが、コロンボの高級宝石店に行っても「非加熱パパラチア」を見つけるのは難しいです。大体の店では、加熱処理されたものを並べています。色もピンクとオレンジの中間の理想的な色もありますが、茶色がきついもの、ピンクサファイア(もしくはオレンジサファイア)をパパラチアとして表示して販売している店などもあります。パパラチアというだけで高額になる為、かなり無理のある色みのサファイアを並べており、正しく買う為にも買い手の知識が必要でしょう。  

片山 新子 FGA

2007/12/11 火曜日

ウィンザー公爵夫人のネックレス4億円で落札

Filed under: ジュエリーオークション ニュース, 真珠 / パール — ジェムランドeditor @ 6:39:28

ウィンザー公爵夫人が所有していた天然真珠ネックレス4日、ニューヨークで開催されたサザビーズのジュエリーオークションにウィンザー公爵夫人が所有していた天然真珠ネックレス(写真左)が出品され、およそ4億円(3,625,000ドル)で落札された。

このネックレスはグラデュエイテッド(中心が一番大きく端ほど小さい真珠を用いたネックレス)でサイズは16.8から9.2mmあり、合計28珠で重量は1261.33グレイン。クラスプ(留め金)には合計3cts.のファンシー シェープ ダイアモンド4石と、合計0.7ctsある20石のメレーが使用されている。取り外し可能なセンターピースが付属しておりカルティエ製。天然真珠であると記されたグベリンのレポート付き。

同日のオークションでは、他にハリーウィンストン製のペンダントとのイヤリングがセットになったダイアモンド ジュエリーが4億4千万円(3,961,000ドル)で、65キャラットあるアクアマリンの裸石が落札予想価格の約2倍にあたる約170万円(15,000ドル)で落札された。

>> 2010年11月“王冠を賭けた恋”のウィンザー公爵夫人のジュエリー20ロットサザビーズのジュエリーオークションに出品される

2007/12/7 金曜日

姿を消すヨーロピアンカット

Filed under: メレバンク・カフェ — 佐野 良彦 @ 5:00:22

GIAのグレーディングレポートにカット評価が加えられて2年が経過しようとしています。この2年でGIAのカットグレーディングシステムは世界のダイヤモンド業界に完全に定着しました。そして、かつてラウンドブリリアントカットの主流であったヨーロピアンカットは市場から姿を消しつつあります。

ダイヤモンドのカット トルコフスキー理論により開発されたアメリカンカットはクラウンの高さとテーブルの小ささが特徴です。(クラウンの厚さ16.2%、テーブル53%)一方、ヨーロッパではクラウンが少し薄く(14.6%)、テーブルが広め(57.5%)のスカンジナビアカット(エプラーカットがモデルという説もあります)が主流で、プラクティカル(実用的)カットと称してテーブルを60〜65%まで広くした石が多く研磨されていました。このクラウンが薄めでテーブルの広いカットをヨーロピアンカットと称しました。

1980年代のアントワープではアメリカ人はダイヤがよく分かっていない、場面が小さく、石の内部が少し暗く見える石が何故いいカットなんだ、と言われたものです。同じ石目ですとクラウンが薄い分、直径は大きくなって見た目は大きいですし、テーブルが広い分、石の内部から戻ってくる白色光(ブリリアンシー)は多くなって明るく見えるからです。ロシアやアフリカ、イスラエルのカットもどちらかと言えばヨーロッパに近いカットでした。

GIAは今ではアメリカンカットが最高のカット(アイデアル)であるという主張はしていません。カットグレーディングシステムも特定のカットモデルを決めてよしあしを決めるのではなくFACET WARE®というソフトを使って、色々なファクターを組み合わせてカットを決めるという方式です。従ってアメリカンカットは好ましいモデルのひとつでしかないわけなのですが、研磨する側としてはモデルを決めてその形状に近づけてゆく方が工程的には楽なのでしょう、あっという間にクラウンの高い、テーブルの小さいカットがマーケットを席捲するところとなりました。ベルギー、イスラエル、ロシアはいうに及ばず、アフリカ、インド、中国の同様です。ヨーロピアンカットは古物市場から戻ってくる古い商品でしか見られない状況になっています。

個人的にはアメリカンカットはクラウンが少し高すぎる感じがしています。我が国のAGLがモデルとした15%ちょっと、の高さ(これはアメリカンカットとヨーロピアンカットの中間の高さに当たります)が好ましいクラウンの高さではないか、と思っているのですが……。

佐野 良彦

 p_point.gif ダイアモンドはこちらで購入出来ます(サノ・トレーディング取扱い)

佐野 良彦

Filed under: 執筆・投稿者の情報, メレバンク・カフェ — 佐野 良彦 @ 4:46:46

 

mr_sano.jpg株式会社サノ・トレーディング代表取締役。    

同社は明治15年(1882年)創業の欧米時計宝石販売佐野商店が発展した老舗ダイアモンド輸入卸。

企業理念には『宝飾文化人を目指す』と掲げる。

各種業界誌への寄稿多数。確かな見識でも知られる。

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