パールハンズ、プラチナの“血統書”にこだわったPT900の地金を開発
株式会社パールハンズ(山梨県中巨摩郡。電話055−228−8036)は割金にイリジウムを10%使用したPT900の地金、ル・グラン・プラチナを新たに開発し、OEM受注を開始した。主として小売店からのブライダル系の受注を見込んでいる。
同社の開発したル・グラン・プラチナはIRIDPLATの刻印が押せる唯一のプラチナ合金であるのみならず、ビッカーズ硬度はHv130と、日本で主流のパラジウムを割金とするPT900の硬度Hv70と比較して圧倒的に高い。この為、従来のPT900ジュエリーを日常的に使用した際に発生しやすい爪の磨耗によるメレーの飛びや、重い荷物を持ち上げただけで腕下が変形するといった消費者にとっての不利益を防ぎやすいという利点がある。
日本のPT900ジュエリーでパラジウム割りが一般的なのは、イリジウム割りと比較して加工が容易なのが理由。パラジウムの融点は1554℃だがイリジウムは2443℃だから500℃の以上高い温度の炉が必要であり、また硬度が高いル・グラン・プラチナの吹き上がりを加工する際には技術と時間が必要となるからだ。同社では高い技術力でこれらの問題を克服し、今回の発表となった。
パールハンズによれば、この合金で宝飾品を作っている会社は国内では同社のみで、取り扱っている地金商もないはずだという。
宝飾品需要が伸び悩む中、メーカーらしく技術力で勝負をする同社のル・グラン・プラチナが小売店の、ひいては消費者の心を捉えることができるか注目される。