ジュエリーブログ,ニュース / ジェムランド

2015/2/19 木曜日

サハ共和国・ロシアダイアモンド鉱山視察の旅

Filed under: ジュエリーコラム, ダイヤモンド — ジェムランドeditor @ 9:26:05

至極の体験+極上の思い出となった
サハ共和国・ロシアダイアモンド鉱山視察の旅

ジェムY.O  大久保 洋子

日本宝石協会主催「JGS第1回視察ツアー」に参加でき、2014.7.29~8.7までの10日間、数々の貴重な体験の下、8名無事に帰国できたことは、多大なるリーダーシップでグループをまとめて下さった松室団長のおかげと感謝する次第です。
それに加え、里村昭夫氏(サハ共和国委員会 理事 事務局長)、Kim BORISOU氏(サハ共和国外務省)、ピョートル シンシキン氏(サハ共和国経済産業省)3名の尽力により、主都ヤクーツク市、鉱山の町ミールヌイ市、ウダチヌイ市でALROSA OPEN JOINT-STOCK COMPANYを訪問でき、非常に有意義なダイアモンド鉱山の見学をする事ができました。
日本−サハ共和国の両国の親善の一端を担うことができたことも大きな喜びとなっております。

10日間の日程の中で特に記憶に残りました事を列記させていただきます。

1 ミールヌイ市/ミールパイプ視察後、インターナショナル鉱山で地下1000mまで降り、内部の様子を見学できた。

2 ダチヌイ市、ヌビレーナヤパイプの露天掘りの周囲を、アルロサ運転手が特別な車で走行。
(800mの巨大なキンバーライトの壁の高さに圧倒されました)

3 ダチパイプ、ザルニーツアパイプから集積したダイアモンドを選鉱する工場見学。
※鉱山で使用する巨大なショベルカー、キャタピラー、ダンプ等の見学、直径1.5m、高さ3mの大きなタイヤは、全て日本のブリジストン製

4 各地域で訪問したアルロサの会社、工場での、従業員に対する手厚い待遇。
例)
・鉱山に入る前の血圧測定
・栄養ドリンクの提供(好みのブレンドの栄養ドリンクを栄養士が目の前で作る)
・鉱山から帰った後はシャワーや、最新式の赤外線サウナを利用でき、洗濯・乾燥においても 充実した設備が整っている。

5 永久凍土の内部を見学(ヤクーツク市)
(数十億年前のマンモスの化石を、直接見る事が出来るという貴重な機会に恵まれました)

6 ウラジオストックで訪問した、ロシア科学アカデミー極東支部付属地質研究所内の鉱物の数々、合成宝石類の見学

7 サハ共和国の宝物館の見学
 
今回の鉱山視察の旅を通して、シベリアダイアの原点に触れ、サハの人々との温かい交流ができた事は、人生において大変大きな糧となりました。この旅は、大成功であったと強く実感しております。

以上、簡潔ではございますが、旅のご報告とさせていただきます。                

2014.8.25

※本稿はJSC(Jeweller’s Study Club)より提供を受けて掲載した。

>> 関連画像(ロシアのダイアモンド鉱山など)。提供はJSC。

2013/2/5 火曜日

ダイヤモンドと鑑定書の同一性 - 贋鑑定書の可能性は?

Filed under: ジュエリーコラム, 海外ジュエリー事情 — ジェムランドeditor @ 6:40:28

先週「安いものには安いなりの理由がある」という題名で、真珠とその鑑定書の同一性に関して書いたところ、ダイアモンドとグレーディング・レポート(いわゆる鑑定書)の関係についてのご質問を多く頂いた。

ご質問が集中していたのは、だいたい次のような疑問。

  鑑定書付きのダイアモンドの指輪を買った。鑑定書には質が良いダイアモンドと
  書いてあるが、その鑑定書は私のダイアモンドとは違う別の質の良いダイア
  モンドに関するもので、私のダイアモンドは実際には質が悪いものだという事が
  あるのか。

答えを端的に言えば、「そのような事は、無い」。

物理的にはあり得そうに聞こえるかもしれませんが、一般の流通経路に乗っているダイアモンド・ジュエリーについてはあり得ないと断言して良いでしょう。その理由について考えてみます。

真珠と添付された鑑定書の問題は、特定の真珠あるいは真珠製品を反復可能な形で特定する事が困難な為に発生しています。別の言い方をすると、類似した真珠のネックレスが100本あるとして、その内の1本を取り出して鑑定書を取得。その後、また100本全部を一緒にした後で、別の人に鑑定書を渡し、鑑定書を取得したひとつのネックレスを取り出そうとしても、正しく選び出す事が困難だということです。もちろん100本がどの程度“類似”しているかによって正解率は異なりますが、同じサイズ、色、グレードのネックレスならば、プロが見ても区別できません。仮に100本の中に1本だけ少しグレードの劣るネックレスが混ざっていたとしても、100本を見比べながら選び出す事ができればともかく、1本1本を個別に見て判断する事が求められる場合、判断は難しくなります。

一方ダイアモンドの場合はどうでしょう。鑑定書(グレーディングレポート)にプロットが掲載されていれば、普通に流通しているダイアモンドの全ては、確実に特定することができます。

プロットとは、ダイアモンドから観察される小さな欠けや割れといった特徴をダイアグラムと呼ぶダイアモンドを示すイラスト上に書き込んだもの。この特徴は人間でいえば指紋のようなもので、訓練を受けたプロフェッショナルならばプロットとダイアモンドを見比べれば両者が同じものかを判断する事が可能です。

プロット付きのグレーディングレポートは、例えばこちらのAGTのページに例示されています。

VVS1といった高品質なダイアモンドの場合、鑑定書に図示されたプロットだけでは情報が少なく判断できない場合もあり得ますが、そのようなダイアモンドでもグレーディング機関には鑑定書には記さなかった細かな特徴を記した別のプロットが保管してありますから、やはり同一性を確認する事に困難はありません。細かな特徴とは研磨の跡や結晶構造のゆがみから生じたグレイニングと呼ばれるものを意味しています。

ただし、全ての鑑定書にプロットが掲載されている訳ではありません。恐らくプロット自体を作成していない鑑定機関もあるのではないでしょうか。プロットには時間が掛かりますから、もしプロットをしなければ大幅な鑑定時間の短縮になり、人件費も抑える事ができ、結果として鑑定料を易くする事ができます。ここでも「安いものには安いなりの理由がある」という事になります。

写真だけしか載っていない鑑定書もあります。写真からは同一性を判断する事ができませんので、写真の掲載には意味がありません。それでも日本の鑑定書に写真が掲載されているのは、多くの消費者が「鑑定書には写真があるものだろう」と思っているからその期待に添っている以上の意味はありません。

ここまでに記したようにダイアモンドの場合は真珠と違って鑑定書とダイアモンドの同一性を確実に判断する手段があります。

また例えば“華珠”の基準は国内に少数あるグレーディング機関によって異なり、同じ真珠ならば世界中のどこの機関でも“華珠”と判断されるという種類のものではありません。

ダイアモンドの場合は世界共通の基準に従って品質を判断しますから、プロットが仮になかったとしても鑑定書に記された品質が正しいか否かは確固たる基準に従って判断する事ができますから、悪意を持って異なる鑑定書を添付したとしても直ぐに発覚します。

このような理由によって、ダイアモンドの場合は、異なる石の鑑定書が添付されて市場を流通する事は無いという事ができます。

ただし、ネットオークションなどで個人売買されるものはまた事情が異なりますので、取引の際は信頼関係が築ける相手と行う事をお薦めします。

by 福本

2013/1/29 火曜日

安いものには安いなりの理由がある

Filed under: ジュエリーコラム — ジェムランドeditor @ 18:19:19

昨年、和歌山県警科学捜査研究所(科捜研)の男性主任研究員が、事件現場で採取された証拠物質の鑑定書を過去に鑑定された同種の鑑定書と差し替える不正行為を行っていたとして書類送検される事件があった。

鑑定書は死亡交通事故などの現場で採取された車両の塗膜片などを分析したもので、報道はないがおそらく分光検査の結果と思われる。分光検査は宝石鑑別にも使われるが、この場合は塗膜の成分を調べて車種を特定する為に実施されたと推定される。

この事件では、波形で示される検査結果を提出する際に、当該事件の鑑定結果ではなく、過去に行った同じ物質の鑑定結果と差し替えていた。当該事件での鑑定結果を示す波形が綺麗にでないと上司にしかられるため、それを避けるために綺麗な波形がでた過去の結果を使うということを、少なくとも6件は繰り返していたという。

不正に気が付いた同僚が上司に報告して発覚した。

この記事を読んで感じたのは真珠の品質に関するレポート(鑑定書)で同様の事が行われた場合、一般消費者が自衛するためには、信頼のできる店で買うことくらいしかないということ。

不正をしている事業者が自ら不正をしているとは申告をしないからあくまで時折耳にする噂だけれど、この有り得そうだと思わせる話とは、次のようなものだ。

通販会社に大量の真珠のネックレスを卸している事業者が、花珠鑑定書を発行している会社に鑑定を依頼する。花珠とグレードされる商品も、されない商品もある。花珠とグレードされる商品は幾度も鑑定機関に持ち込まれて、それで得た余分の花珠鑑定書が、花珠にならなかった商品に添付され、花珠でない商品までもが花珠として流通する。

実際、花珠と呼ばれる高品質な真珠が取れる一般的な確率と水揚げされた真珠総数から類推される花珠の総量よりもずっと多くの真珠が流通している実態を考えると、さもありなんと思わせる話だ。

仮にこのような不正が行われた場合、消費者はお手上げだ。鑑定書が確かにその真珠を示しているかどうかを判断することができないのだから、消費者としては確かな目をもって自分で品質を判断できる(花珠鑑定書がついた真珠を仕入れたとしても、それが正しいかを自分でダブルチェックできる)知識を持ち、且つ誠実な商売こそが繁栄の秘訣だと心得ている良識のあるジュエラーから購入することが唯一の自衛手段となる。

安いものには安いなりの理由がある。

by 福本 修

2013/1/23 水曜日

2013年春の流行色 - パントン社

Filed under: ジュエリーコラム — ジェムランドeditor @ 4:48:14

パントン社が発表した2013年春の流行色は次の通り。大胆で鮮やかな色と、落ち着いた色合いがもたらす調和したバランスの良さが注目を集めるという。

・テンダーシュート(新芽) (ペリドットの色)/ Tender Shoots
・グレイド ジェイド(彩度の低い緑) / Grayed Jade
・エメラルド
・アフリカン バイオレット(アメシスト色)
・ポピーレッド(レッド スピネルの色)
・ネクタリン(橙色)
・レモン ゼスト(レモンの皮)(シトリンやイエローサファイアの色)
・ダスク ブルー(黄昏時の青色)(トルコ石の色) / Dusk Blue
・リネン(淡い肌色)
・モナコ ブルー(アイオライトやサファイアの色)

なじみのない表現が多いので一般的な表現に直すと赤、青、紫、オレンジ、緑、黄緑、黄色、中間色となる。こう書いてしまうと身も蓋もなく三原色を含めてあらゆる色の羅列にも見えるが、パントン社のスプリング2013パントン ファッション カラー レポート“Spring 2013 The Pantone Fashion Colour Report”に掲載されている、これらの色を使ったファッション・コーディネートを見ると、なるほどそこにはひとつの方向性があるし、イラストで記された洋服に合わせて見たいジュエリーをデザインしたい気持ちの盛り上がりを感じる。

大手TV通販会社の番組ではアパレルとジュエリー部門がコラボしてトレンド・カラーに関連した商品を訴求している番組を目にするが、市井(しせい)の宝飾店でこの手の企画はまず見ない。宝飾店が洋服を売る必要はないだろうが、ブティックでマネキンが着ている洋服を丸ごと購入する顧客が少なからず居ることを思えば、流行色やアパレルに合わせてジュエリーを訴求することも一考に値するだろう。

スプリング2013パントン ファッション カラー レポートは同社ウェブサイトからダウンロードできる(英語)。

2012/11/21 水曜日

メレバンク・カフェ(21) - 再びロシアのダイヤに合成疑惑

Filed under: ジュエリーコラム, メレバンク・カフェ — ジェムランドeditor @ 3:23:07
2012年9月にロシアは1970年代に既に発見されていた大規模なダイヤモンド鉱脈が東シベリアに存在することを公表しました。この鉱脈は直径100km以上のポピガイと呼ばれる隕石クレーターにあり埋蔵量は数億キャラット、世界のダイヤモンド需要の3000年分を満たす量で、ダイヤ価格が暴落してロシアの利益が損なわれぬように発表を控えてきた、とされています。
 
このポピガイ・ダイヤはいわゆる衝突ダイヤ(Impact Diamond)と呼ばれるもので、隕石が地球に落下した際、地中のグラファイト(黒鉛)と衝突して瞬間的につくられた従来のロシア産ダイヤとは生成過程が異なるタイプのダイヤです。グラファイトを含む多結晶質の集積であるため一般のダイヤの2倍の硬度を持っていますが、色は真っ黒、内包物も多く、宝石質のものは存在しないとかつては報告されていました。大きな原石は出ているようですが、いくら埋蔵量が莫大であると言っても生成過程を考えるとクリスタル系の原石が含まれている可能性は極めて低いと思われます。硬度が高いことを活かして工業用に使用されることはあるでしょうが。
 
なぜ、3000年の需要を満たすとか、ダイヤ価格の暴落を恐れて公表を控えてきた、などとロシアは言うのだろうと、不審に感じていたのですが、ここにきて密かに囁かれているのがロシアの合成ダイヤ製造疑惑です。かつてロシアのダイヤが合成でないかと噂になったことがありました。ほぼ同じかたち、ほぼ同じ大きさのクリスタル系原石が大量に研磨され、内包物の特徴も類似していたからです。この疑惑はロシア産のダイヤに合成には見られない特徴が認められる、ということで一件落着しましたが、未だに合成であると主張する人も存在します。一般天然ダイヤは何万年もかけてゆっくり生成されますが、衝突ダイヤの生成は衝突の一瞬です。衝突ダイヤは時間的に見れば合成ダイヤに近い生成過程を持っているのです。ロシアは新しい技術でつくった合成ダイヤを衝突ダイヤと称して市場に流そうとして、この時期にポピガイ鉱脈の公表を行ったのではないかという疑惑が出ているのです。穿った見方ではありますが、ロシアならやりかねない、と頷いてしまうところが確かにあります。
 
このような疑惑が出てくるのはすべてロシアがきちんとした情報公開をしてこなかったせいです。ロシア一国ではなく世界のダイヤモンド業界に大きな影響を及ぼすことを踏まえて、広く情報公開が行われることを望みます。
 

2012/9/25 火曜日

メレバンク・カフェ(20)- しのび寄る合成ダイヤモンドの影

Filed under: ジュエリーコラム, メレバンク・カフェ — ジェムランドeditor @ 10:51:08

宝石質の合成ダイヤモンドは高温高圧法(HPHT)と化学気相法(CVD)によって製造されることが多いのですが、技術の進歩によりその製造コストは以前に比べかなり安くなっているようです。

香港のGIAやアントワープ、ムンバイのIGIのラボでまとまった量の合成ダイヤが持ち込まれたという報道がありました。これらはCVD法で製造された合成ダイヤで、大きさは0.3〜0.7ct、クラリティはVVSからVS、カラーはF~J、カットはEX~VG、フロリダのGemesis社の合成ダイヤに似ているが、Gemesis社は自社の製品であることを否定しているということです。

カラーレス、高品質の合成ダイヤの製造は可能であると随分前から言われていましたが、コストが天然ダイヤに比べて高すぎるので市場に出回ることはないだろうと考えられていました。どうやら状況は変わりつつあるようです。折りしも、韓国では有力なラボが合成ダイヤを天然と鑑別し、その商品が市場に流れたと国内で騒ぎになっています。

ルースの段階では合成と天然の鑑別は難しくないとGIAも日本のラボも言いますが、これは合成ダイヤを製造する会社の情報公開があっての話です。Gemesis社やApollo Diamond社は自社製造合成ダイヤに商標やシリアルナンバーをレーザー刻印して出荷していますし、新しい商品を発売する際にはその詳細を公開していますが、今回のようにレーザー刻印もなく一般の天然ダイヤと一緒にグレーディング依頼がなされた場合、未公開の新しい技術で開発された合成ダイヤが100%鑑別出来るのか、という問題が残ります。HPHT処理(これはHPHTダイヤ合成法から派生した技術で、天然のタイプ兇離屮薀Ε鵐瀬ぅ笋凌Г鯣瓦い燭蝓▲侫.鵐掘璽ラーに変える処理法です)ハイカラーのダイヤは当初鑑別が出来ずに天然ダイヤとして市場に流れた石があると言われています。

もっと厄介なのは材料として使用される小粒石です。メレバンク・カフェ(9)でセッティングされた濃いイエローの天然ダイヤメレーに合成イエローメレーが混じっていた問題に触れましたが、これはたまたまメレーを外して鑑別をした際に発覚したものです。枠付されたダイヤの天然、合成を判別するのは殆ど不可能であると鑑別機関も認めています。脇石鑑別を行わない鑑別機関もありますが、例えばダイヤの一文字リングの鑑別依頼があった場合、石を外さなければ鑑別しないと言えるのでしょうか?加工に使用する前にすべてのダイヤモンドメレーの鑑別をしなければならない時代がくるかもしれません。

p_point.gif メレ ダイアモンドはこちらで購入出来ます(サノ・トレーディング取扱い)

2012/8/14 火曜日

エージークラブ定例会[西洋美術史講座]で開催

Filed under: ジュエリーコラム, ジュエリー・ビジネス・トレーニング — ジェムランドeditor @ 10:17:53

ジュエリーの研究グループ、AZClub(エージークラブ)が第23回定例会を開催する。

タイトルは当初予定を変更し『西洋美術史講座』。以下、主催者の発表から抜粋。

第23回定例会は、予定を変更して『西洋美術史講座』というタイトルで行ないます。ヨーロッパのジュエリーを研究する場合、西洋美術史の流れをある程度頭に入れておいた方が理解が深まる傾向にあります。しかしながら、私たちが中学校や一部高校で学ぶ西洋美術史は、あまり体系的ではないので、西洋美術史に興味がないと殆ど理解できていないようです。今回は近世及び近代にファーカスして絵画のお話を伺います。

AZClubでは、今後もジュエリーの歴史を様々な角度から捉えて研究していきますが、この際西洋美術史をしっかりおさらいしておくと、ジュエリーの歴史をさらに理解し易くなるでしょう。

今回の講師は、獨協大学の外国語学科を卒業後、イギリス、ロンドンのクリスティーズ・エデュケーションで西洋美術と装飾美術史を学び、オークションハウスでインターンシップを経験、現在独自の視点で西洋美術史を研究している方です。2年前に東京ダイヤモンドエックスチェンジクラブ(TDE)の昼食会で講演されました。アマチュアながらジュエリーやダイヤモンドにも造詣が深く、きっと皆様の参考になるお話をして頂けると思っております。ご期待下さい。

なお登録会員のご参加は優先させて頂きますが、mixiコミュニティ、amebaぐるっぽ、facebookのAZClub/エージークラブからもお申込頂けますので、お早めに。定員になり次第締切らせて頂きます。

初めての方のお申し込みはhttp://www.japan-premium.jpのコンタクトフォームよりお申し込み下さい。

・タイトル:西洋美術史講座
・日時:2012年9月22日(土)17:00〜20:00
(集合17:00・レクチャー17:30〜18:30・名刺交換会18:30〜19:00・懇親会19:00より[場所未定])
・場 所:東京駅八重洲北口cafeルノアール会議室
http://standard.navitime.biz/renoir/Spot.act?dnvSpt=S0107.2089
・定員:25名(登録会員は優先予約させて頂きます)
・参加費:登録会員2500円、ビギナー3500円
・パネラー:西洋美術史研究家 小林明日香

2012/5/15 火曜日

小売店での接客に際しては、一度に一つずつ見せるのが基本

Filed under: ジュエリーニュース, ジュエリーコラム — ジェムランドeditor @ 10:04:26

2012年5月13日に松坂屋名古屋店の「デビアス松坂屋名古屋店」で4908万円のダイアモンド・リングが盗まれた事件は全国ネットで流れたので多くの人の耳に届いたことだろう。

要約すると次のような事件だ。

閉店間際の後7時45分頃に「明日買いに来る商品を見に来た」と東南アジア系に見える40歳過ぎの男性二人組が現れ、女性店員一人が接客。午後8時の閉店時間を過ぎて二人が帰った後に同店で最も高額な指輪ひとつがなくなっているのに気が付き、8時25分頃に110番通報した。防犯カメラで確認すると、店員が目を離したすきに男の1人が盗まれた指輪に手を伸ばす場面が映っていた。

驚いたのは盗難事件そのものというよりも、一流とされるショップで働く従業員がセキュリティの基礎知識を有していないことに対してだった。

『接客で宝飾品を見せる際は一度に一つずつにする』、『手を伸ばせば届く場所に複数のジュエリーをおいてはいけない』。これは小さくて高額な商品を扱う販売員が従業員研修で学ぶべき基礎中の基礎といえよう。もしこれが守られなければチームを組んだ泥棒の一人が販売員の目線を受け止めている隙に他の一人が今回のような犯行に及ぶことは難しくない。

さらに今回は“閉店間際”という宝飾店が狙われやすいと統計にある、従って多くのセキュリティ関連の本に記されているキーワードまでが揃っていたにも関わらず起きてしまっている。

相対的に善意の人が多くて安全な日本にいるとセキュリティ意識も薄らぐが、中国人観光客の国内における消費額は今後も増え続けるだろう。多くの中国人が街を闊歩すれば外国人犯罪者の存在は目立たなくなり活動がし易くなることだろう。小さくて高額な宝飾品は運搬に便利なだけに外国人犯罪者に狙われやすい。この手の犯行は続く傾向があるので注意したい。

2011/10/19 水曜日

高田純次の宝石学 という番組

Filed under: ジュエリーコラム — ジェムランドeditor @ 17:20:45

NHKのEテレで「極める!」という番組があるが、10月3日から“高田純次の宝石学”を4回に渡って放送している。

次回のテーマは「宝石を科学する」で10月24日(月)の放送。また同日午前11時30分〜11時55分は「宝石を掘る!」を再放送する。

「宝石を掘る!」では岩手県久慈市にある琥珀を採るための坑道の様子が分かり、興味深かった。宝石ファンにはお薦めしたい番組だ。

番組の内容以外にも、NHKの番組名として「宝石学」という言葉が使われたことは世の中にそのような学問があるのだと知らしめる意味で意義があったと感じる。

「宝石学」とは宝石について科学的に学ぶ学問で、Gemology(ジェモロジー。宝石学の意)という講座を持つ大学もアメリカには多いが、日本での知名度は低いと言わざるを得ない。

多くの家庭に宝石があり、中には祖先から受け継ぎ家族で大切にしているものもあるだろう。宝石を嫌いだという人を私は知らないが、詳しい知識を有している人は決して多くない。そのような身近だけれども良く理解していない事柄を学ぶ事は、生涯学習が声高に叫ばれている昨今、大切な事だろう。「宝石学」はもっと学術的に認められ、日本全国で広く学べる環境が整うことを願っている。それは、身近なものを新しい角度で見て新たな魅力を再発見する機会を与え、豊かな文化的生活につながると信じているからだ。

福本

2011/4/1 金曜日

[宝石学の世界]-高品質メレーは入手困難になる?

Filed under: ジュエリーコラム, メレバンク・カフェ, 宝石学の世界バックナンバー — ジェムランドeditor @ 16:57:45
[宝石学の世界]–Vol.409-20110412
 1. メレバンク・カフェ(19)高品質メレーは入手困難になる?by 佐野 良彦
東北‧関東大震災が発生するや日本国内のインド人は続々と国外に脱出、日本に残り続けたのは1,2割に過ぎませんでした。震災から3週間を過ぎ、地震,津波からの復旧は始まったものの原発の状況は必ずしも好転しているとは言えませんが、かなりのインド人が戻ってきています。しかし、日本でのビジネスは回復の糸口が見えません。
3月のサイトでデビアスはメレーサイズ(研磨後)原石の価格を25%値上げしました。これはその上のサイズ(ポインターから大粒石まで)の7-8%に比べてもかなりの値上げですが、このサイズの原石は実勢30-40%のプレミアで流通していましたから、供給価と実勢価格の差を埋める措置と理解されています。
 
メレーの中で価格的に最も上昇しているのはマイナス2(1/120ct以下)、続いてマイナス4(1/80,1/100ct)のところです。研磨工不足と工賃の上昇で小さいサイズの研磨量が極端に減少し、需要に供給が追い付かない状態です。特にインド国内の需要はすさまじく、小さいサイズの高品質メレーはインド一国で生産のすべてが消費される勢いのようです。年初に1,000ドル/ctを超えたマイナス2のトップ品質は3カ月で1,200ドル/ctを突破して、まだまだ上がりそうな状況です。1個のダイヤを研磨する手間は1/200ctでも1ctでも極端には違いませんから効率の悪い小さなサイズをインド人が研磨したがらないというのは当然という気もします。ポインターやキャラアップのダイヤもインド国内で飛ぶように売れているのですから。
 
ビジネスも大きく変わりました。品質やサイズの選択が難しい40数年前の商形態に戻り、完全な売り手市場になっています。サイズや品質に細かく値段も出さない日本人バイヤーは殆ど相手にされなくなりました。東南アジア、中国市場は好調な上に、インド国内の好況のせいでインドから十分なメレーが入ってこず、メレーは不足気味です。その不足を補っているのが日本のリサイクル・メレーです。3月の香港ショーに出品された日本のリサイクル・メレーは殆ど完売だったようです。日本国内の古物市場でのリサイクル・メレーの価格も2-3割上昇しています。いまや、インド人バイヤーが現金を持って日本にメレーを買いに来る時代になっています。日本に居るインド人も手間と経費をかけて展望のない日本でビジネスを続ける意味があるのか、撤退を考え始めるところも出始めました。日本の在庫を香港に送れば数日で日本より高い価格で現金化できる、と豪語するインド人もいます。
 
国内で必要なメレーのうち中低価格帯の商品はリサイクル・メレーでカバー可能でしょうが、高品質のメレーは小さいサイズを中心に価格が上昇するだけでなく、調達が徐々に困難になってゆくと思われます。
p_point.gif メレ ダイアモンドはこちらで購入出来ます(サノ・トレーディング取扱い)
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※敬称を省略しました。
宝石鉱物小事典は国立国会図書館データベース(Dnavi)に収録されています。
宝石に関するご質問や弊紙に対するご希望などをお寄せ下さい。
http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/otayori.html
※画像をお送り頂いても宝石鑑別はできませんのでご遠慮下さい。
   
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