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2012/9/25 火曜日

メレバンク・カフェ(20)- しのび寄る合成ダイヤモンドの影

Filed under: ジュエリーコラム, メレバンク・カフェ — ジェムランドeditor @ 10:51:08

宝石質の合成ダイヤモンドは高温高圧法(HPHT)と化学気相法(CVD)によって製造されることが多いのですが、技術の進歩によりその製造コストは以前に比べかなり安くなっているようです。

香港のGIAやアントワープ、ムンバイのIGIのラボでまとまった量の合成ダイヤが持ち込まれたという報道がありました。これらはCVD法で製造された合成ダイヤで、大きさは0.3〜0.7ct、クラリティはVVSからVS、カラーはF~J、カットはEX~VG、フロリダのGemesis社の合成ダイヤに似ているが、Gemesis社は自社の製品であることを否定しているということです。

カラーレス、高品質の合成ダイヤの製造は可能であると随分前から言われていましたが、コストが天然ダイヤに比べて高すぎるので市場に出回ることはないだろうと考えられていました。どうやら状況は変わりつつあるようです。折りしも、韓国では有力なラボが合成ダイヤを天然と鑑別し、その商品が市場に流れたと国内で騒ぎになっています。

ルースの段階では合成と天然の鑑別は難しくないとGIAも日本のラボも言いますが、これは合成ダイヤを製造する会社の情報公開があっての話です。Gemesis社やApollo Diamond社は自社製造合成ダイヤに商標やシリアルナンバーをレーザー刻印して出荷していますし、新しい商品を発売する際にはその詳細を公開していますが、今回のようにレーザー刻印もなく一般の天然ダイヤと一緒にグレーディング依頼がなされた場合、未公開の新しい技術で開発された合成ダイヤが100%鑑別出来るのか、という問題が残ります。HPHT処理(これはHPHTダイヤ合成法から派生した技術で、天然のタイプ兇離屮薀Ε鵐瀬ぅ笋凌Г鯣瓦い燭蝓▲侫.鵐掘璽ラーに変える処理法です)ハイカラーのダイヤは当初鑑別が出来ずに天然ダイヤとして市場に流れた石があると言われています。

もっと厄介なのは材料として使用される小粒石です。メレバンク・カフェ(9)でセッティングされた濃いイエローの天然ダイヤメレーに合成イエローメレーが混じっていた問題に触れましたが、これはたまたまメレーを外して鑑別をした際に発覚したものです。枠付されたダイヤの天然、合成を判別するのは殆ど不可能であると鑑別機関も認めています。脇石鑑別を行わない鑑別機関もありますが、例えばダイヤの一文字リングの鑑別依頼があった場合、石を外さなければ鑑別しないと言えるのでしょうか?加工に使用する前にすべてのダイヤモンドメレーの鑑別をしなければならない時代がくるかもしれません。

佐野 良彦
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