3月27日から29日まで、コロンボ市内のBMICHでNational Gem&JewelleryShow(スリランカ Gem & Jewellery協会主催)が開催されました。
このような宝石展示会はスリランカでは3つあります。9月のFacetsが国際展示会として最大規模で、その次に12月のスリランカ宝石学協会主催の宝石と鉱物を中心としたもの、そしてこの度のスリランカ人を対象としたものです。今回の参加は約50ブースで、残念ながら見ごたえのある宝石は少なく、どちらかというと産出量の多い手頃な値段のものが多く並べられていました。
Facetsのように海外のバイヤーではなく、スリランカ人の若い層や遊び心のある裕福層が対象の為、ジュエリーはシルバーアクセサリーのようなものが主流に販売されていました。一般的にスリランカでは、宝石を使用したジュエリーより市場でいつでも換金可能な22金のネックレスやブレスレットを持つ人が多いです。しかし若い世代を中心に、大ぶりな宝石を加工した手頃なシルバーアクセサリーにも人気が出てきて、色とりどりの宝石を使ったピアスなどを販売しているお店のブースは賑わっていました。
また宝石やジュエリーに限らず、研摩機械の販売や研摩工場の紹介、コランダムの熱処理の機械が販売されているのも、やはりスリランカだなと感じました。
片山新子(かたやま しんこ)、FGA
個人の楽天ブログ「スリランカ宝石留学物語」http://plaza.rakuten.co.jp/gemgasuki
(Gem Showのこぼれ話などを書いています)
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2009年3月28日(土)から5月31日(日) まで、東京国立博物館 表慶館 (上野公園) にて特別展「Story of …カルティエ クリエイション〜めぐり逢う美の記憶」が 開催される。展示されるカルティエを代表する作品群は276点。
▼カルティエ展の招待券が20名様にあたる
過去30年間の通巻実績を誇る、ジュエリーラバーにお馴染み「ダイヤモンド」誌。今年からは柏書店松原が編集・発行することとなり、4月3日に発売予定だが、この「ダイヤモンド’09」をジェムランドにある柏書店ブックストアから購入すると抽選で20名様にカルティエ展の招待券があたる。当選は発送をもって発表。
>> ダイヤモンド’09 購入はこちら
▽観覧料金
・一般1400円
・大学生・高校生800円
・中学生以下無料
>> 東京国立博物館 カルティエ展告知ページ
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日本ジュエリー協会が主催するJJAジュエリーデザインアワード2009募集要項が発表された。
送付の場合の受付日は2009年7月6日で、日付指定で発送とのこと。持参の場合は2009年7月6日午前10時から午後3時まで。
▽応募資格
- 応募者、デザイナー、製作者の全てが国内在住であること。
- 作品を2009年9月2日以前に公開、展示、個展に陳列していないこと。
- 出版物、パンフレットなどに非掲載であること。
- 他の公募展に応募していないこと。
※第4部門においては、学生によるその都市の卒業制作は新作とみなし応募可能。
▽応募部門
・第1部門(パーティーシーン)
・第2部門(カジュアルシーン)
・第3部門(クラフト&ギフト)
・第4部門(新人部門)
>> 応募用紙や詳細
▽送付先・問い合わせ・資料請求先
社団法人日本ジュエリー協会 ジュエリーデザインアワード事務職
〒110-8626 東京都台東区東上野2-23-25
電話:03-3835-8567
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ティファニーは、同社が展開するパール・ジュエリーの専門店チェーン、イリデッセ(Iridesse)を閉鎖すると発表した。
閉鎖は、各店舗の賃貸契約の終了や在庫を売り切り次第というが、今後数ヶ月間の内に終了する見込だ。
イリデッセは2004年から展開された現在16店舗を数えるが、昨年に至るまでティファニーの売上高の1パーセントを占めるまでに成長せず、不採算部門となっていた。
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ジュエリー専門学校GIA JAPANは4月25日(土)、穐葉アンティークジュウリー美術館をバスで訪ね、当地でアンティーク・ジュエリーのハンドリングセミナーを開催する。
穐葉アンティークジュウリー美術館では実際にアンティークジュエリーを手に取り、説明を聞きながら鑑賞する。
御徒町にある同校東京教室前を8:30に出発し、帰りは19:00を予定。先着順に申込みを受付、30名の定員になり次第締切となる。
参加費は9,500円で、バス代や美術館入館料、セミナー代を含む。
申込みは電話またはメールで受け付けている。
TEL:03-3835-7046
メールの場合は 宛に、「アンティークジュエリーハンドリングセミナー申し込みの件」という題名で、住所、氏名、電話番号を記入して申し込む。
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宝石の中でもあまり聞きなれない二つの宝石を今回はご紹介します。
どちらも希少石として、宝石質のものがスリランカで産出されます。しかし色合いや硬度の低さを考えるとジュエリーには難しく、コレクターとして研摩される程度です。こちらでも市場に出てくることは少ないのですが、このふたつを比べた場合コーネルピンの方が見かける機会が多いです。スリランカ産のコーネルピンは鉄分が多く、ブラウンや暗緑色、黒っぽいものが主流です。
エンスタタイトもコーネルピンに似たような色合いのものが多いのですが、中にはクロムを起因とした美しい緑色、ダイアモンドのように無色のものがあります。どちらの宝石も一条の光の帯が出るキャッツアイも存在します。
スリランカではこの二つの宝石は同じ漂砂鉱床から産出されます。宝石学的特徴から見れば、どちらも比重が近く屈折率も同じです。
コーネルピン 比重3.32、屈折率1.66-1.68(複屈折量0.013) 硬度6.5
エンスタタイト 比重3.27、屈折率1.66-1.67(複屈折量0.010) 硬度5.5
このように見た目も屈折率も近い宝石をどのように区別したら良いでしょうか?
まずは丁寧に屈折率を計り、複屈折量の違いを見ます。しかしこの数値も近いので、これで確実な鑑別とはいかないのが現実です。顕微鏡の拡大検査では、コーネルピンはルチル、アパタイト,ジルコンといった鉱物が見られます。またコーネルピンは多色性が強く、方向によって色相が違うと言われています。(しかし私の経験では、それほどはっきりとは多色性が確認できないことが多いです。)その他の確実な鑑別としては、エンスタタイトは特徴的なスペクトラムを持ちます。緑の部分(506nm)に光の吸収が確認できます。
あまり見かけることのない宝石ですが、共通点の多い宝石を比べてみるのも楽しいものです。
片山新子、FGA
個人の楽天ブログ「スリランカ宝石留学物語」http://plaza.rakuten.co.jp/gemgasuki
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これからジュエリービジネスをとお考えの方
本格参入したけれど、どうも上手くいかない
ビジネスの壁に突き当たっている方のための
ジュエリー・ビジネス・トレーニング
[初級講座]
はじめに
先日の1月21日から開催されたIJTで、小売店の何人かの方と話をしました。皆さん一様に“店に客が来ない”“売れない”“直ぐに売れる商品が欲しい”といった声が聞こえてきました。
いままでは質の良いオリジナリティの高い完成品を仕入れ販売してきたのが日本の小売店の大半でしょう。スリーストーンやスゥイートテンなど、ダイヤモンドを使いある程度マスを意識した商品と販売方法でやってきたのです。しかしこれらの商品は多少の差異はあれど、皆同じ顔をしているし、何処の店にいっても扱っているものです。
結果、ジュエリーが同質化、均一化してしまい、価格競争に入り込み、消費者・個客は店や人に魅力を求めるのではなく、いかに安く手に入るかが焦点になってしまったのです。
いま小売店で個客離れ現象が起きているのも、ジュエリーの面白さ、魅力が失われて店に個客を引きつけるだけの魅力がないからではないでしょうか。
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ではどうすれば良いかということですが
作り手(クラフトマン、工房)と販売する側がダイレクトにコラボレーションを行い、質の良いオリジナリティの高いジュエリーを個客に提案できる事です。そして店と販売員を強化し「SHOP BRAND」を再構築することによってもう一度個客が店にきてくれる環境を整える事が実は一番の早道だと考えます。
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このような視点に立った時、ジュエリー販売のポイントは
の2点に絞る事が出来ます。
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そしてこれらの課題を解決するには、マーケティングの手法を取り入れる事が必要です。自分たちは小さな規模だからマーケティングは必要ないと考えないで下さい。マーケティングは決して規模の大小ではありません。
それでは暫くの間、具体的な戦略や戦術について、宝飾品のマーケティングという切り口で連載していきますので、興味のある方はお付き合い下さい。
増渕邦治(ますぶち くにはる)
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これからジュエリービジネスをとお考えの方
本格参入したけれど、どうも上手くいかない
ビジネスの壁に突き当たっている方のための
ジュエリー・ビジネス・トレーニング
[初級講座]
第1回:マーケティング概論(1)
皆さんは宝飾品業界に入られて、デザインや加工、鑑別、販売など様々な分野について、実践で活躍されている訳ですが、これらの項目に流通や企画開発、宣伝広告などの要素を加えた「マーケティング」についてお話をします。マーケティングとは何か、何故マーケティングを学ぶのかというところから始めたいと思います。
日本の宝飾品業界は長い間、先輩たちの「経験と勘」で宝飾品を販売してきました。またそれぞれの企業規模が小さい事もあり、マーケティングの概念はそれほど必要としませんでした。特に1980年代から90年代にかけて、急激に右肩上がりの成長を遂げた宝飾品業界は作れば売れたというバブルを経験してしまった事が或る意味で致命的でした。
しかし92年以降急激に縮小する市場環境や海外ブランドの参入、インド中国の進出など厳しい競争力の時代に入りました。自分たちが良いモノを作れば良いという発想でものを作れば売れた時代は終わったのです。そうすると今までの手法では役に立たない部分が多くなってきました。しかしながら今でも多くの経営者は宝飾品にマーケティングはいらないといいます。でもマーケティングとは皆さんが日頃やっている仕事、販売そのものなのです。
マーケティングとは何か
マーケティングとは「店(企業)が商品やサービスを消費者(個客)に的確に伝達し、利益を上げる仕組みと仕掛けを作り、実践し、成果を上げる事」と私なりに定義しています。バブルがはじけて16年になりますが、いまだに不況という長いトンネルを抜け出せないでいる宝飾品業界にあって、マーケティングという概念を導入してこなかったために、現在のような状況にあるといっても過言ではないでしょう。
マーケティングは突き詰めていえば「利潤追求」です。儲ける事です。儲けるのは二の次だという人がいればそれは一種の詭弁になるでしょう。儲ける為の仕組みや仕掛けを上手に作り上げ実践する事、そして成果を出す事がマーケティングの本質なのです。
図をご覧下さい。マーケティングはメーカーがモノを作りそれを販売する戦略の「マーケティング」と流通・小売業がモノを陳列し販売する戦略の「マーチャンダイジング」から成り立っています。
流通・小売業がメーカーの作る商品を仕入れて販売するだけではなく、自らが独自の商品(PB=プライベートブランド)を開発する事が盛んに行われるようになったことにより、流通・小売業もメーカーのようなマーケティングの概念が必要になってきました。
販売する側の商品とサービスを的確に個客・消費者に伝達するために、CRMマーケティングを推奨していますがその中でも特に重要なものが個客識別と学習関係です。
増渕邦治(ますぶち くにはる)
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武蔵野美術大学産業デザイン学部商業デザイン学科卒業後、銀座ミキモトで雑誌広告やカレンダーなどのアートディレクション、ブランディング、催事企画などに携わる。
1992年に独立後は、宝飾品業界のメーカー、小売店のコンサルティングや商品開発、ブランディングのプロデュースを手掛ける。また甲府の宝石美術専門学校で2011年までマーケティングを講義。
講演・セミナー多数。
H21年春よりジェムランドにジュエリー・ビジネス・トレーニング[初級講座]連載中。
Japan Premium Project代表。
ジュエリー研究グループAZClub(エージークラブ代表)
http://www.buchi.jp/
連絡先mail : kuni@buchi.jp
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クリスティーズが主催し、2月23-25日(日本時間24-26日)にパリで開催されたフランスの服飾デザイナー、故イブ・サンローラン氏が所蔵していた美術品類のオークション。出品されたネズミとウサギの銅像※が大きく報道されたから、ご承知の方も多いだろう。
世間の耳目はこれらの銅像に集まったが、私はこのオークションに出品された、1800年代のムガル帝国時代のバックルに注目した。小さなダイアモンドが数多く留められているが、研磨技術の進んでいない当時のダイアモンドの使われ方を目にすることができて興味深かった。
ダイアモンド研磨業界の革新的新技術であったスカイフと呼ばれる回転研磨盤が1400年代に発明されたことで大幅に進歩した研磨技術は、このバックルがつくられた1800年には既に対称的に平らな小さな面(ファセット)でダイアモンドを囲む技術を確立していた。 といっても1800年初頭に馬が、次いで蒸気が動力となるまでは人力でスカイフを回していたから、生産性は非常に低かったのだろう。 当時の作というこのバックルをみると、ポイント・カットの石も散見されるものの、原石の形状をそのまま活かしたものや、マクルをはじめとする原石の角を削っただけと思われるダイアモンドも多い。古い時代のダイアモンドの使われ方を示す貴重な実例だ。
この宝飾バックル、直径は12cm、およそ280万円(22,500ユーロ)で落札された。
※ネズミとウサギの銅像は1860年代の第二次アヘン戦争の際に英仏連合軍が清朝の離宮「円明園」 から持ち出したもので、中国がオークションの中止を求め返還を要求していた。それぞれ約19億5千万円(15,745,000ユーロ)で落札されたかと思われたが、今度は落札をしたという中国人男性二人が略奪品に金は払わないと記者会見を開くという事態となった。
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