ジュエリーブログ,ニュース / ジェムランド

2013/5/28 火曜日

宝石学ニュース解説 - アコヤガイ真珠養殖技術を科学的に証明

Filed under: ジュエリーニュース, 真珠 / パール — ジェムランドeditor @ 15:28:41

akoya.gif独立行政法人水産総合研究センターから次のプレスリリースが発信された。このニュース、興味はあるけれど良く分からないという一般の方は多いのでは。そこで、プレスリリースをまず紹介し、次いで解説をする。

プレスリリースここから—

真珠100 年の謎をついに解明
- 日本で開発したアコヤガイ真珠養殖技術を初めて科学的に証明 -

真珠層を作る組織を核とともに別の貝に入れて真珠を作る技術は日本で開発されましたが、その原理は科学的に証明されていませんでした。

真珠形成に関わる遺伝子を調べることで、別の貝の組織が移植先の貝で生き続け、真珠の形成に大きく関わっていることを初めて科学的に証明しました。

「アコヤガイの真珠層を作る組織を切り出し、別のアコヤガイに核とともに移植し、核の周りに真珠袋を形成させて真珠を作らせること」は、100 年以上前に日本で開発された極めて画期的な技術で、現在も広く普及しています。しかし、実際に切り出した貝の組織が、移植先の貝に存在し続け、宝石である真珠の形成に大きく関わっているかどうかは、確かめることが難しく謎のままでした。

今回、水産総合研究センターと麻布大学、三重県水産研究所の研究チームは、真珠の形成に関与する遺伝子を調べ、組織を移植してから18 ヶ月目までは、移植した組織の遺伝子が働いていることを確認しました。これにより、これまで100 年来実証されることがなかったその原理を初めて証明することができました。

この結果は、移植した貝の外套膜の組織が存在し続けて真珠を作ることを示しています。今後は、良質な真珠を作る遺伝子を見つけて利用することで、真珠層が厚く、色や光沢の良い高品質な真珠を生産可能なアコヤガイの開発につながると大いに期待されます。

プレスリリースここまで—-

養殖真珠の挿核の写真

このニュースを理解するためには、真珠がどのように養殖されるのかを理解する必要がある。

真珠とは真珠貝から生成される物質だが、そもそも真珠貝とは何か?

真珠貝とは貝殻の内側が虹色に輝く貝のことだ。真珠の表面と貝殻の内側は同じ物質だから、貝殻の内側が美しい例えばアワビならば真珠貝となり、ハマグリのように白く鈍い光沢を内側に持つ貝は真珠貝とはなり得ない。

真珠貝の内側と真珠表面は、“真珠層”と呼ぶカルシウム質の結晶から形成される。

真珠層は、寿司屋のネタでもある“ヒモ”から分泌される。“ヒモ”を外套膜(がいとうまく)と呼ぶ。

海水産真珠貝で養殖する場合、一般的には淡水産二枚貝の貝殻からつくった“核”と呼ぶ球形の物質に外套膜を小さく刻んだ小片(ピース)を密着させて真珠貝に挿核する。外套膜は、挿核する真珠貝とは別の真珠貝から取る。

真珠貝の中に入った外套膜は細胞分裂を繰り返し、真珠袋と呼ぶ組織で核全体をスッポリと包み込むようになる。

真珠袋の分泌物はやがて薄くて小さな結晶群となって核を幾重にも包み込む真珠層となる。

挿入した外套膜が分裂をして真珠袋を形成するという真珠養殖のメカニズムを考えると、外套膜という外部の貝から採取した組織が少なくとも当初はそのまま働き続けるというのは自明のことと思われるが、それを遺伝子レベルで、そして18ヶ月までは移植した外套膜が働いていると証明した点で意義がある。18ヶ月といえば、多くの場合真珠養殖の全期間をカバーする点からも遺伝子レベルでの外套膜の研究が良質な真珠を養殖する役に立つと間違いなく証明されたからだ。今後の研究成果を期待したい。

写真提供 株式会社アイダ朝香真珠

夏期セミナー 受講生受付中 - 日本宝飾クラフト学院

Filed under: ジュエリースクール情報 — ジェムランドeditor @ 4:43:44

日本宝飾クラフト学院では、毎年恒例の夏期宝飾実務講座(サマーセミナー)を今年も開講します。

ジュエリーに関するさまざまな専門技術や知識を短期間(1日〜4日)で学べますので、遠方の方や、日頃は仕事でまとまった時間が取れない方に最適です。

多くの方の参加をお待ちしています。

インターネットから先行申し込みの受付を開始しています。。
http://www.jj-craft.com/course02/course05.html

講座名・開講日・受講料
・宝石学入門  7月24日(水) 12,000円
・ジュエリーデザイン画 基本  7月25日(木)26日(金) 25,000円
・みつろうテクニック  7月29日(月) 10,000円
・カラーストーン  7月29日(月) 12,000円
・レース&ドロッピングジュエリー  7月30日(火) 12,000円
・インチジオーネ(洋彫り)  7月30日(火)31日(水) 28,000円
・手作りチェーン  7月30日(火)31日(水) 20,000円
・リングのサイズ直し  7月31日(水) 12,000円
・ダイヤモンド入門  7月31日(水) 12,000円
・ジュエリーデザイン画 中・上級  8月1日(木)2日(金) 25,000円
・初めての宝石研磨  8月5日(月) 12,000円
・彫り留め彫刻 基本  8月5日(月)6日(火) 28,000円
・ハンマーワーク(バングル)  8月5日(月)6日(火) 25,000円
・布目象嵌  8月5日(月)6日(火) 25,000円
・有線エナメル(七宝)  8月7日(水)8日(木) 20,000円
・木目金  8月7日(水)8日(木) 28,000円
・ダイヤモンドグレーディング  8月7日(水) 12,000円
・地金の色上げ  8月8日(木) 12,000円
・粒金(グラニュレーション)  8月9日(金)10日(土) 28,000円
・ゴールド・フォイル・オーバーレイ  8月9日(金) 12,000円
・天然石ビーズアクセサリーA  8月9日(金) 8,000円
・3DCAD(ライノジュエリーバージョン)  8月10日(土) 12,000円
・ビーズ刺繍のコスチュームジュエリー  8月10日(土) 10,000円
・テクスチャーハンマー  8月10日(土) 12,000円
・3DCAD(3DESIGN)  8月15日(木) 12,000円
・シートワックスで作る草花ペンダント  8月15日(木) 10,000円
・UV(紫外線硬化樹脂)アクセサリー  8月15日(木) 10,000円
・パールの糸替え 初級  8月15日(木) 12,000円
・パールの糸替え 応用  8月16日(金) 10,000円
・天然石ビーズアクセサリーB  8月16日(金) 8,000円
・ヨーロッパの石留め 基本  8月19日(月)20日(火) 28,000円
・ヨーロッパの石留め 中・上級  8月21日(水)22日(木) 25,000円
・ワイヤーワックスで作るリング  8月21日(水) 10,000円

《今年度より新規開講講座》
・次世代型ジュエリー業界のイノベーション戦略  7月27日(土) 12,000円
・宝石学から観たパワーストーン  8月5日(月) 12,000円
・“よりよく売る”ジュエリーの販売の基本  8月17日(土) 12,000円
・ジュエリーの歴史と文化 アンティークジュエリーに学ぶ  8月24日(土) 12,000円

※会場:東京本校(御徒町)
※時間:10:30〜16:30
※複数講座を受講いただくと受講料が1割引になります。
※同一企業で2名以上受講される場合は、それぞれ受講料が1割引きとなります。

講座の詳細・お申し込みは、日本宝飾クラフト学院 ホームページから
http://www.jj-craft.com/course02/course05.html

2013/5/13 月曜日

日本宝飾クラフト学院第4回モノマチで宝石学体験などを開催

Filed under: ジュエリー イベント, ジュエリースクール情報 — ジェムランドeditor @ 17:30:42

ジュエリーや宝石の中心地として有名な御徒町ですが、御徒町を含むその近辺は、徒蔵(かちくら)エリアと呼ばれ、昔からモノ作りの盛んな地域です。

この街を歩きながら、街とモノ作りの魅力に触れるイベント「モノマチ」が毎年開催され今回で4回目になります。

今年は昨年の220組を大幅に上回る350組超のモノづくり系企業やショップ、職人、クリエイター、飲食店等の参加が決定し、共にもの作り、街づくりを盛り上げていきます。

 モノマチ開催期間:2013年5月24日(金)25日(土)26日(日)
★日本宝飾クラフト学院 東京本校では、以下のイベントを開催します。

○ワンコインで学ぶ宝石学体験
 〜5月の誕生石エメラルド その魅力を探る〜

 5月の誕生石・エメラルドの魅力をFGA講師が科学的に分かりやすく解説します。
 実習では様々な緑色の宝石を見比べたり、天然石と合成石の見分け方も学びます。

 日時:2013年5月24日(金) 17:30〜18:30
 参加費:500円
○ジュエリーメイキング体験
 〜宝石入りリング・ペンダントを作ろう〜

 好きな空枠を選び、好きな色の宝石を石留め。
 磨いて仕上げて、リングやペンダントが出来上がります。
 ジュエリーメイキングの楽しさ・奥深さを気軽に体験できます。

 日時:2013年5月25日(土) 14:00〜16:00
 参加費:1,800円

どちらも予約制です。
以下のページよりお申し込み下さい。

http://www.jj-craft.com/hot/monomachi.html

お問い合わせ・お申し込みは、フリーダイヤル0120-3388-26
日本宝飾クラフト学院 東京本校 東京都台東区台東3-13-10

モノマチ公式ホームページ→ http://monomachi.com/

2013/5/3 金曜日

5.30ctのブルーダイヤモンド9億6500万円で落札

ブルーダイアモンド4月24日、ロンドンのニューボンド・ストリートで開催されたボンハムズ(Bonhams)のオークション、ファイン・ジュエリーにて、5.30キャラットのブルーダイヤモンドを使用した指輪がおよそ9億6500万円(6,201,250英ポンド)(バイヤーズプレミアムを含む)で落札された。

ガイ(1キャラット当たり)では約1億8200万円となる。やはりガイで約1億9300万円をつけたザ・ヴィヴィッドピンク・ダイアモンドには一見及ばないが、落札通貨が香港ドルとポンドで異なるので、為替相場によって比較用に換算した通貨での価値は逆転し得るから、今回のダイアモンドは歴代最高値レベルである。

GIAレポートよると、石目は5.30キャラット、カラーはファンシー・ディープ・ブルー、クラリティはVS2。

指輪の制作は1965年ブルガリ。

>> 2007年に9億3500万円で落札されたダイアモンド

2013/5/1 水曜日

水産総合研究センター、ペルシャ湾の天然真珠産業復興に協力

Filed under: ジュエリーニュース, 真珠 / パール — ジェムランドeditor @ 9:05:38

中世絵画に描かれた真珠は全てペルシャ湾で採れた天然真珠だ西川 藤吉見瀬 辰平御木本 幸吉といった養殖真珠の父達が球形真珠の養殖方法を解明したのは明治晩年から大正初期にかけてだが、それ以前、球形の真珠は全て天然真珠であり、その高い希少性からきわめて高価なものだった。

現在は衰退した天然真珠産業だが最大の産地はペルシャ湾で、20世紀以前に描かれた絵画に登場する婦人が身につけている真珠は全てこの地域から産したものと判断して差し支えない。

この度、独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所(長崎市)などがバーレーンと協力し、真珠母貝の生息調査に乗り出す。日本の水産技術を使って真珠貝を増やし、天然真珠産業を復活させる事を目指すという。

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