商品[product]戦略(3)
個客・消費者を魅了する商品開発
いま宝飾品市場が低調で、どの小売店に行っても「売れない」「買わない」と嘆きます。確かに一昨年のサブプライムローンの破綻をきっかけに、世界同時不況という大きな波が日本にも押しよせました。92年のバブル以降長い間不況のどん底にあった宝飾品業界が、やっと上向きになるかと思われた矢先でした。
バブル崩壊の時までは、小売店にとって本当に大切な客でなくても、ジュエリーは売れた時代でした。それがバブル崩壊とともに一過性の客は店から離れていき、浮動票狙いの商品は在庫がかさみ、宝飾品業界も例外なくデフレに突入したのです。中価格帯のモノは売れなくなり、低価格帯のモノは海外勢に押されるといった傾向は21世紀まで続きました。
日本のモノづくりが窮地に立たされたのです。しかしバブル以降15年、もう一度小売店頭に客を引き戻す事が叫ばれ始め、真剣に小売店がこれに取り組み始めました。それが「SHOPブランド」なのですが、サブプライムローン問題は無惨にもこれを打ち砕く事になってしまいました。個客や消費者は生半可なモノには手を出さなくなってしまったのです。
一方では日本のモノづくりはコストがかさみ、地金の高騰と相まって、ルックス・フォー・バリューとしてのジュエリーの存在感が低くなってしまったのです。
ではどうしたら個客・消費者を魅了する商品を作れるかということですが
の4点を挙げたいと思います。勿論メーカーによって環境は異なるでしょうから、具体的な計画についてはここでは触れません。
(1)モノづくりの出発点で利益を考えない事=企業は利益を追求するのが当たり前ですから、奇異に感じるかも知れませんが、ものづくりのスタートではこの発想は禁物です。どうしたら個客・消費者に感動して貰えるか。そのためにはどのようなモノづくりをしたら良いか。ジュエリーは売れるモノではなく感動させるモノという考え方が先ずは必要です。
(2)海外ブランドと競争して充分に戦えるアイデアを練る事=海外ブランドは日本の市場を良く研究しています。そしてそれぞれのターゲットに対して、的確なジュエリーを送り込んできます。日本のメーカーが体力をなくし、優秀なクラフトマンを手放したのを見逃さず、彼らをダイレクトに抱え、デザインの面、造りの面の開発をやっています。ルックス・フォー・バリューの面からみると、意外に安い印象を持つのはこのためです。日本のモノづくりが市場という概念をしっかり把握する事が出来なければ、競争力あるモノづくりは出来ないと思います。
(3)試作の段階でテストマーケティングを行う事=日本のモノづくりにとって一番遅れているのはこの点かも知れません。例えばジュエリーショーに照準を合わせて商品を企画したとした場合、恐らく殆どのモノづくりはジュエリーショー間近にならないと商品が上がってこないでしょう。企画、デザイン、製造に充分時間をかけても、出来上がったジュエリーが、販売の窓口である営業に充分消化されずに、買い手のところにいく。日本の作り手の多くが自分が作るのは絶対だと云う過信から来ているようですが、この点を改める必要があります。
(4)ターゲットを絞り狙い撃ちするプロモーション戦略を実践する事=プロモーションはある程度お金がかかりますが、自分たちの出せる範囲で良いのです。それよりも売れるなら誰でも良いという安易な発想から、商品のコンセプトを平気で拡大解釈してしまうという事が問題です。自分たちが狙った獲物は必ず仕留めるという強い意志と実行がないと、消費者・個客はこちらに目を向けてくれません。
商品開発に格好の参考書を紹介します。1冊は「プレミアム戦略」で遠藤功さんという方が書いています。早稲田大学大学院商学研究科(ビジネススクール)教授。MBA/MOTプログラムディレクター。株式会社ローランド・ベルガー日本法人会長の肩書きを持っています。この人の本は大変分かり易く読み易いので結構頭に入ります。もう1冊は奥山清行さんの「伝統の逆襲」です。奥山さんは長年世界の車業界のデザイナー、ディレクターとして活躍した人で、日本のモノづくりが世界で戦うにはどうしたら良いかを、非常に良い視点で書いています。
増渕邦治(ますぶち くにはる)
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商品[product]戦略(2)
前回に引き続き商品戦略の話をします
(3)ニーズとシーズとウォンツ
私たちが良く耳にする言葉は“個客のニーズをつかまえろ”とか“個客ニーズを知れ”などですが、ニーズという言葉の裏にはシーズとウォンツが隠されている事を知るべきでしょう。商品開発ではニーズとシーズとウォンツという3つの要素が上手く連動していかなければなりません。図にもあるようにニーズとは必要性の事であり、個客に欲しいと思わせる仕掛けづくりの事です。そしてシーズとは種まきの事で、ジュエリー様々な情報を個客に発信する事です。またウォンツとは個客の潜在的な欲求を提案するジュエリーに反映させる事なのです。
個客の欲しいものをつくれというのは、あくまでも潜在的な欲求を知り、その上でどのようなジュエリーをつくるかポイントになってくる訳です。具体的なジュエリーを知ろうとしても、いつまでたっても個客は教えてくれません。抽象的ですが、匂いを嗅ぎ分けたり色を見つけたりしながら、どのようなジュエリーを作り出すかということができなければならないのです。ジュエリーをつくる主体はあくまでも制作者側にあるのです。
売上至上主義の現在、理屈は理解していてもなかなか思うように運ばないのは、「売れる商品」「売りやすい商品」に目が向きすぎているからです。商談の場というものは、商品を売るのではなく個客が何を欲しているのかを探る場でもあります。恐らく個客はあなたの話す事に耳を貸してくれるでしょう。うなずきながら、微笑みながら聞いていると思います。でもそれでは不十分なのです。クロージングの前にやらなければならない事、それは個客の話を十分に引き出す事です。年配の個客になればなるほど、自分の事を話したがっています。たとえそれが愚痴になってしまっても聞いて上げましょう。嫁の話や孫の話などから、もしかしたら販売のチャンスが広がるかも知れません。また広げなければなりません。個客の話を聞くという事は、実は宝の山と話をしているのだと考えて下さい。
ニーズとシーズとウォンツの関係は、お互いが連携し相乗効果を生んでいきます。個客に一番適切な商品を提案できる事、これこそがマーケティングの第一歩なのです。
(4)PBとOEM
メーカー(作り手)と卸・小売店を繋ぐ商品開発にPB(プライベートブランド)とOEM(オーイーエム[相手先ブランド])があります。プライベートブランドは多店舗展開をしている小売店や問屋がメーカーと手を組み、独自のブランド商品を作り展開するもので、宝飾品業界にとっては、これから本格的に取り組むべきものの一つといえます。完成品を仕入れるのではなくオリジナルを開発する事によって、その店の独自性を打出す事に繋がるからです。メーカーが作り出す量販商品は、宣伝もするし認知度もありますが、オリジナリティにかけるという欠点があります。独自のSHOPブランドを打出すためには、何処にでもある、例えばスリーストーンのような商品では力不足になる訳です。少ない量でも商品開発が可能になる方法がポイントになってきますが、これは作り手と売り手の知恵の出し合いです。
OEMは作り手のノウハウを利用して売り手のブランドで商品展開するものですが、この方法の欠点は、ややもすると作り手側のノウハウを利用されてしまい、作り手側にとって満足感が少ないということでしょう。反対に納品すれば売上が立てられるので、開発費が無駄にならないというメリットもありますが、現実には企画が失敗した時に、そのしわ寄せが作り手側に来る事もあるので、慎重な対応が求められます。大事な事は作り手も売り手も共に満足できる商品開発であることです。
増渕邦治(ますぶち くにはる)
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これからジュエリービジネスをとお考えの方
本格参入したけれど、どうも上手くいかない
ビジネスの壁に突き当たっている方のための
ジュエリー・ビジネス・トレーニング
[初級講座]第3回: マーケティング概論(3)
マーケティングのトライアングル(3P)の戦略とは何か
前回、マーケティングのトライアングルのお話をしましたが、今回はその続きです。私が推奨するマーケティング理論はCRMマーケティングといって、マスマーケティングとは明らかに違います。何処が違うかを簡単にいいますと、マスマーケティングは大勢の人に対して的確にメッセージを伝達するのに適しているのに対して、CRMマーケティングは1人の個客とのインタラクティブ(相互に作用する)な関係を築き、販売に繋げるということです。そしてそのために商品(product)と販売(place)、宣伝広告(promotion)の3つの戦略を円滑につないで効果的な運用を計ることです。
それでは
商品[product]戦略からはじめましょう
(1)ジュエリーの起源 今更ながらと思われるかも知れませんが、改めて一番基本的なことから考えてみたいと思います。宇宙に地球が誕生したのが45億年前ですが、現代人の祖先をミトコンドリアDNAを抽出し分析していくと約20万年前に中アフリカにいた一人の女性(イヴ)にたどり着くという説があります。また、新人(現世人類:ホモ=サピエンス=サピエンス)が地球上に登場してくるのは約5、6万年前です。クロマニヨン人、グリマルディ人、周口店上洞人、三ヶ日人と呼ばれる人たちです。そして1万年前の最後の氷河期が終わると人類に文明が生まれてきます。何を持って文明というかというのは難しいのですが、一般的には農耕牧畜と集落による都市社会といわれますが、ここに貴金属の使用を加えたいと思います。メソポタミア(シュメール)やエジプトの古代遺跡から夥しい量の貴金属の装身具が出土されますが、自らを飾り立てる装身具は文明の証の一つと言えるのではないでしょうか。 人類の文明として最も古いのは紀元前3500年前のメソポタミア(シュメール)ではないかと考えていますが、現代の科学の発達で世界で同時発生的に20くらいの文明があったともいわれます。そしてそれ以前から人類は自分を表現するために何らかの装身行為をしてきました。この装身行為そのものがジュエリーの起源でしょう。 ジュエリーの起源としては護符説(人間が体験或は想像できない道なるものから守るため身につける行為)、ホモ=ルーデンス説(人間が本来持っている「遊び心」)、自己異説化説(他人と区別、差別する)、自己同化説(同じものを身につけることによっておきる共同意識)などがありますが、入れ墨などは最も古い或る意味でのジュエリーかも知れません。
現代のポリネシアの原住民の中にはこのような装身行為を行っている人たちもいる。胸元には動物の角か牙をネックレスに、耳元には何かの模様を書き込んでいる。昔の人は入れ墨を野蛮だと言ったが、何千年という人類の歴史の賜物であるという理解が必要である。
「日用品のような必需品ではない」「なくても生活する上で別に困らないもの」という人がいますが、果たしてそうでしょうか。はじめに話しましたように、ジュエリーは「女性にとって必要品である」というのが私なりの結論です。女性が生き生きと輝くためにはなくてはならない存在の一つがジュエリーであると思うのです。天の邪鬼ではない限り、ジュエリーを前にすれば女性の目は輝きます。女性が輝けば男性も頑張るし、そうすれば世の中が活性化するのです。
では女性にとって必要品であるジュエリーとはどういうものかということですが、「女性を感動させるもの」であるべきです。感動させる要因は「美しいこと」「希少であること」そして「その人にとって意味を持つ存在であること」でしょう。ジュエリーはその人が所有するに十分な理由がなくてはなりません。現在のジュエリーに「この意味を持つ存在」が備わっているかというと甚だ疑問です。利益だけを考えたリスクの伴わないジュエリーに魅力があるとは思えません。世の中の不景気のせいばかりでなく、消費者・個客にとってジュエリーは魅力のないモノになってきていることに問題があると思うのです。
増渕邦治(ますぶち くにはる)
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これからジュエリービジネスをとお考えの方
本格参入したけれど、どうも上手くいかない
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ジュエリー・ビジネス・トレーニング
[初級講座]第2回:マーケティング概論(2)
何故マーケティングを学ぶのか
マーケティングについておおよそのフレームは掴んで頂けたかと思います。では何故マーケティングを学ぶのかという事についてお話しします。
恐らく宝飾品業界の第3世代(55歳以上の経者)以上の人たちは、マーケティングは商売の邪魔にこそなれ、売上や利益に繋がらないと思っている人が多いのではないかと思います。それは今まで自分たちの経験と勘で充分にやってきた実績があるからなのです。
1980年以降宝飾品業界は右肩上がりに成長し1990年には2兆8千億円といういまだかつてない大きな市場を作り出しました。私もそうですが、このとき誰もが5兆円市場になると信じて疑わなかったのです。80年代から90年にかけて、自分たちの作るジュエリーは面白いように売れました。
しかし1992年に起きたバブル崩壊は、一瞬のうちに宝飾品業界を奈落の底へたたき落としたのです。それから16年、2008年9月に起こったアメリカの金融恐慌(リーマンショック)は宝飾品業界に更に追い討ちをかけました。それまで何と凌いでやっと光明がみえ出したと思ったら、更に厳しい現実が待っていました。
この年、小売店大手の「ベリテ」がM&Aによりインドのダイヤモンド企業デジコグループの傘下に入りました。そして「田崎真珠」がファンド会社にゆだねられ、さらには一世を風靡した「ジュエリーマキ」が会社更生法の適用を受けたのです。
こうした状況の中で、宝飾品業界がいつ頃好転するのかは誰もはっきりとはいえませんが、恐らく3-5年は不況が続くだろうと見ています。また少なくともこの業界が好転したとき、相変わらず海外の一流ブランドとインド、中国を核とする低価格帯の挟まれた日本の宝飾品業界の体質は、このままでは何も変わらないだろうと思います。そして複合化してきた社会と多様化した消費者・個客のニーズやウォンツに応えるためには、より具体的で実践的なマーケティングが必要になるというわけです。
マーケティングのトライアングルを知ろう
皆さんがG.Gの資格を取りデザインを学びジュエリーに仕上げます。そしてそのジュエリーを消費者・個客のもとに届けるためには流通や価格、宣伝広告などを知り、活用しなければ的確に届きません。図のようにPRODUCT(商品)とPLACE(販売)とPROMOTION(宣伝広告)の3つのPが歯車のように円滑に噛み合なければ効果が発揮できません。これがマーケティングなのです。
図にもあるように商品と販売をつなぐ役目が「Conceptual field(コンセプチュアルフィールド)」です。これはいってみれば潤滑油の役目を果たします。ただ単にモノを作れば良いというわけではなく、的確に消費者・個客に商品を伝達するためには、商品の特徴や目的などの「コンセプト」が必要になってきます。
販売と宣伝広告を結びつける潤滑油は「Design/Idea field(デザイン・アイデアフィールド)」です。これは消費者・個客に商品の良いイメージを伝えなければなりません。広告やカタログ、パッケージなどに、競合他社の商品と差別化を図るデザインやアイデアの工夫が求められます。
商品と宣伝広告を結びつける潤滑油は「Communication field(コミュニケーションフィールド)」です。ここでは消費者・個客に対して正しい商品知識と情報を伝達するためのし掛け作りのようなものです。
増渕邦治(ますぶち くにはる)
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これからジュエリービジネスをとお考えの方
本格参入したけれど、どうも上手くいかない
ビジネスの壁に突き当たっている方のための
ジュエリー・ビジネス・トレーニング
[初級講座]
はじめに
先日の1月21日から開催されたIJTで、小売店の何人かの方と話をしました。皆さん一様に“店に客が来ない”“売れない”“直ぐに売れる商品が欲しい”といった声が聞こえてきました。
いままでは質の良いオリジナリティの高い完成品を仕入れ販売してきたのが日本の小売店の大半でしょう。スリーストーンやスゥイートテンなど、ダイヤモンドを使いある程度マスを意識した商品と販売方法でやってきたのです。しかしこれらの商品は多少の差異はあれど、皆同じ顔をしているし、何処の店にいっても扱っているものです。
結果、ジュエリーが同質化、均一化してしまい、価格競争に入り込み、消費者・個客は店や人に魅力を求めるのではなく、いかに安く手に入るかが焦点になってしまったのです。
いま小売店で個客離れ現象が起きているのも、ジュエリーの面白さ、魅力が失われて店に個客を引きつけるだけの魅力がないからではないでしょうか。
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ではどうすれば良いかということですが
作り手(クラフトマン、工房)と販売する側がダイレクトにコラボレーションを行い、質の良いオリジナリティの高いジュエリーを個客に提案できる事です。そして店と販売員を強化し「SHOP BRAND」を再構築することによってもう一度個客が店にきてくれる環境を整える事が実は一番の早道だと考えます。
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このような視点に立った時、ジュエリー販売のポイントは
の2点に絞る事が出来ます。
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そしてこれらの課題を解決するには、マーケティングの手法を取り入れる事が必要です。自分たちは小さな規模だからマーケティングは必要ないと考えないで下さい。マーケティングは決して規模の大小ではありません。
それでは暫くの間、具体的な戦略や戦術について、宝飾品のマーケティングという切り口で連載していきますので、興味のある方はお付き合い下さい。
増渕邦治(ますぶち くにはる)
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ビジネスの壁に突き当たっている方のための
ジュエリー・ビジネス・トレーニング
[初級講座]
第1回:マーケティング概論(1)
皆さんは宝飾品業界に入られて、デザインや加工、鑑別、販売など様々な分野について、実践で活躍されている訳ですが、これらの項目に流通や企画開発、宣伝広告などの要素を加えた「マーケティング」についてお話をします。マーケティングとは何か、何故マーケティングを学ぶのかというところから始めたいと思います。
日本の宝飾品業界は長い間、先輩たちの「経験と勘」で宝飾品を販売してきました。またそれぞれの企業規模が小さい事もあり、マーケティングの概念はそれほど必要としませんでした。特に1980年代から90年代にかけて、急激に右肩上がりの成長を遂げた宝飾品業界は作れば売れたというバブルを経験してしまった事が或る意味で致命的でした。
しかし92年以降急激に縮小する市場環境や海外ブランドの参入、インド中国の進出など厳しい競争力の時代に入りました。自分たちが良いモノを作れば良いという発想でものを作れば売れた時代は終わったのです。そうすると今までの手法では役に立たない部分が多くなってきました。しかしながら今でも多くの経営者は宝飾品にマーケティングはいらないといいます。でもマーケティングとは皆さんが日頃やっている仕事、販売そのものなのです。
マーケティングとは何か
マーケティングとは「店(企業)が商品やサービスを消費者(個客)に的確に伝達し、利益を上げる仕組みと仕掛けを作り、実践し、成果を上げる事」と私なりに定義しています。バブルがはじけて16年になりますが、いまだに不況という長いトンネルを抜け出せないでいる宝飾品業界にあって、マーケティングという概念を導入してこなかったために、現在のような状況にあるといっても過言ではないでしょう。
マーケティングは突き詰めていえば「利潤追求」です。儲ける事です。儲けるのは二の次だという人がいればそれは一種の詭弁になるでしょう。儲ける為の仕組みや仕掛けを上手に作り上げ実践する事、そして成果を出す事がマーケティングの本質なのです。
図をご覧下さい。マーケティングはメーカーがモノを作りそれを販売する戦略の「マーケティング」と流通・小売業がモノを陳列し販売する戦略の「マーチャンダイジング」から成り立っています。
流通・小売業がメーカーの作る商品を仕入れて販売するだけではなく、自らが独自の商品(PB=プライベートブランド)を開発する事が盛んに行われるようになったことにより、流通・小売業もメーカーのようなマーケティングの概念が必要になってきました。
販売する側の商品とサービスを的確に個客・消費者に伝達するために、CRMマーケティングを推奨していますがその中でも特に重要なものが個客識別と学習関係です。
増渕邦治(ますぶち くにはる)
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武蔵野美術大学産業デザイン学部商業デザイン学科卒業後、銀座ミキモトで雑誌広告やカレンダーなどのアートディレクション、ブランディング、催事企画などに携わる。
1992年に独立後は、宝飾品業界のメーカー、小売店のコンサルティングや商品開発、ブランディングのプロデュースを手掛ける。また甲府の宝石美術専門学校で2011年までマーケティングを講義。
講演・セミナー多数。
H21年春よりジェムランドにジュエリー・ビジネス・トレーニング[初級講座]連載中。
Japan Premium Project代表。
ジュエリー研究グループAZClub(エージークラブ代表)
http://www.buchi.jp/
連絡先mail : kuni@buchi.jp
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