ジュエリーブログ,ニュース / ジェムランド

2013/2/21 木曜日

GIA JAPAN、CVD合成ダイアモンドやHPHT合成ダイアモンドのセミナー開催

Filed under: 宝石への処理, ジュエリースクール情報, 海外ジュエリー事情 — ジェムランドeditor @ 4:17:29

GIA JAPANは、GIAリサーチのニューヨークにおける責任者Wang博士を招聘しCVD合成ダイアモンドHPHT合成ダイアモンドにスポットをあてたセミナーを開催する。

世界の宝石学研究の最前線にいる研究者から最新情報を直接聞けるチャンスだ。

開催日は2013年3月4日、場所は同校東京校(台東区御徒町)

詳細

2013/2/5 火曜日

ダイヤモンドと鑑定書の同一性 - 贋鑑定書の可能性は?

Filed under: ジュエリーコラム, 海外ジュエリー事情 — ジェムランドeditor @ 6:40:28

先週「安いものには安いなりの理由がある」という題名で、真珠とその鑑定書の同一性に関して書いたところ、ダイアモンドとグレーディング・レポート(いわゆる鑑定書)の関係についてのご質問を多く頂いた。

ご質問が集中していたのは、だいたい次のような疑問。

  鑑定書付きのダイアモンドの指輪を買った。鑑定書には質が良いダイアモンドと
  書いてあるが、その鑑定書は私のダイアモンドとは違う別の質の良いダイア
  モンドに関するもので、私のダイアモンドは実際には質が悪いものだという事が
  あるのか。

答えを端的に言えば、「そのような事は、無い」。

物理的にはあり得そうに聞こえるかもしれませんが、一般の流通経路に乗っているダイアモンド・ジュエリーについてはあり得ないと断言して良いでしょう。その理由について考えてみます。

真珠と添付された鑑定書の問題は、特定の真珠あるいは真珠製品を反復可能な形で特定する事が困難な為に発生しています。別の言い方をすると、類似した真珠のネックレスが100本あるとして、その内の1本を取り出して鑑定書を取得。その後、また100本全部を一緒にした後で、別の人に鑑定書を渡し、鑑定書を取得したひとつのネックレスを取り出そうとしても、正しく選び出す事が困難だということです。もちろん100本がどの程度“類似”しているかによって正解率は異なりますが、同じサイズ、色、グレードのネックレスならば、プロが見ても区別できません。仮に100本の中に1本だけ少しグレードの劣るネックレスが混ざっていたとしても、100本を見比べながら選び出す事ができればともかく、1本1本を個別に見て判断する事が求められる場合、判断は難しくなります。

一方ダイアモンドの場合はどうでしょう。鑑定書(グレーディングレポート)にプロットが掲載されていれば、普通に流通しているダイアモンドの全ては、確実に特定することができます。

プロットとは、ダイアモンドから観察される小さな欠けや割れといった特徴をダイアグラムと呼ぶダイアモンドを示すイラスト上に書き込んだもの。この特徴は人間でいえば指紋のようなもので、訓練を受けたプロフェッショナルならばプロットとダイアモンドを見比べれば両者が同じものかを判断する事が可能です。

プロット付きのグレーディングレポートは、例えばこちらのAGTのページに例示されています。

VVS1といった高品質なダイアモンドの場合、鑑定書に図示されたプロットだけでは情報が少なく判断できない場合もあり得ますが、そのようなダイアモンドでもグレーディング機関には鑑定書には記さなかった細かな特徴を記した別のプロットが保管してありますから、やはり同一性を確認する事に困難はありません。細かな特徴とは研磨の跡や結晶構造のゆがみから生じたグレイニングと呼ばれるものを意味しています。

ただし、全ての鑑定書にプロットが掲載されている訳ではありません。恐らくプロット自体を作成していない鑑定機関もあるのではないでしょうか。プロットには時間が掛かりますから、もしプロットをしなければ大幅な鑑定時間の短縮になり、人件費も抑える事ができ、結果として鑑定料を易くする事ができます。ここでも「安いものには安いなりの理由がある」という事になります。

写真だけしか載っていない鑑定書もあります。写真からは同一性を判断する事ができませんので、写真の掲載には意味がありません。それでも日本の鑑定書に写真が掲載されているのは、多くの消費者が「鑑定書には写真があるものだろう」と思っているからその期待に添っている以上の意味はありません。

ここまでに記したようにダイアモンドの場合は真珠と違って鑑定書とダイアモンドの同一性を確実に判断する手段があります。

また例えば“華珠”の基準は国内に少数あるグレーディング機関によって異なり、同じ真珠ならば世界中のどこの機関でも“華珠”と判断されるという種類のものではありません。

ダイアモンドの場合は世界共通の基準に従って品質を判断しますから、プロットが仮になかったとしても鑑定書に記された品質が正しいか否かは確固たる基準に従って判断する事ができますから、悪意を持って異なる鑑定書を添付したとしても直ぐに発覚します。

このような理由によって、ダイアモンドの場合は、異なる石の鑑定書が添付されて市場を流通する事は無いという事ができます。

ただし、ネットオークションなどで個人売買されるものはまた事情が異なりますので、取引の際は信頼関係が築ける相手と行う事をお薦めします。

by 福本

2013/1/23 水曜日

GIAラボラトリー東京が開業

Filed under: 海外ジュエリー事情 — ジェムランドeditor @ 7:56:21

ここ数年海外展開が著しいGIAラボラトリーだが、昨年末、東京で開業した。社名はGIA Tokyo合同会社。

2.99キャラットまでのダイアモンドを取扱い、ダイアモンド・ドシエおよびダイアモンド・グレーディング・レポートを発行する。

カラードストーンと真珠も受け付けるが、鑑別作業などは東京以外のラボで行い、東京で引き渡す。現在鑑別作業も日本で実施すべく準備中。

代表はマリ・オカダ氏、ラボラトリーマネージャーは金子 尊生(たかお)氏。金子氏は東京勤務前はボツワナはガボラネのGIAラボラトリーに、確か3年とおっしゃたか勤務していたとの事。雑談の機会に恵まれたが、キリンのステーキの味は牛肉と区別がつかないなどと埒もない会話に終始して仕事の事は聞かなかったが、緊迫感を身にまとった人物だった。

国内のラボ各社への影響は今のところ不明だが、開業前にGIAラボラトリー東京の社内を視察した知人によると多数の顕微鏡がずらりと並んでいたといい、そこから推定されるグレーダーの数は、国内有数のグレーディング機関としての地位を占める意志を感じさせる。

GIAのダイアモンド・グレーディング・システムが日本をはじめ多くの国でデファクト・スタンダードになっている事は周知の事だが、これはGIA Tokyoのアメリカ式グレーディング・サービスが国内で諸手をあげて受け入れられる事とはイコールではつながらない。国内グレーディング各社にはGIAラボラトリーにはない、例えばシンメトリ(対称性)に関するレポート(AGTジェムラボラトリーの華標レポートのような)サービスがあり、また価格も異なるからだ。

いずれにせよ、パイが増えていない状況下での有力グレーディング機関の参入が国内市場に与える影響を、各グレーディング会社が注視している所だろう。

GIAラボラトリー東京(GIA Tokyo合同会社)
東京都台東区台東4-19-9 山口ビル7、11階
電話:03-5812-3215

福本

2012/7/20 金曜日

GIA香港ラボに無色系の合成ダイアモンド10石持ち込まれる

Filed under: ジュエリーニュース, ダイヤモンド, 海外ジュエリー事情 — ジェムランドeditor @ 13:38:01

GIAは、香港ラボに通常のダイアモンドと同じように持ち込まれたダイアモンドの内10石が合成ダイヤモンドであったと発表した。

これらはCVD化学気相法)により合成された結晶で、重量は0.30から0.35ctで、天然石であったならばカラーはFからH、クラリティはVS1からVVS1とグレードされる品質だった。カットはラウンド・ブリリアント

この合成石の製造メーカーは不明だが、Gemesis社の製品と共通する特徴があるという。

折良くGIAラボラトリーのリサーチ上席副社長トム・モーゼス氏8月29日(水)にJJFで開催するGIA JAPAN主催のセミナーで「処理石・合成石の知識」の演題で講演をするから、興味のある方は質問する機会もあるだろう。

2011/12/20 火曜日

GIAは、2012年に日本にラボを開設すると発表

Filed under: ジュエリーニュース, ダイヤモンド, 海外ジュエリー事情 — ジェムランドeditor @ 10:05:02

GIA (Gemological Institute of America) は2012年日本にラボラトリー(宝石の鑑別を行い、ダイアモンドのグレーディングを行う機関)を開設すると発表した。

詳細は後日発表するとしており、現時点では日本国内の様々な利害関係者と折衝中とプレスリリースで述べている。

GIAはイスラエルにも2012年の開設を予定しており、積極的な経営姿勢が目立つ。

ダイアモンドのグレーディング・レポート(いわゆる鑑定書)を発行するラボとしてはGIAラボラトリー(GIAのラボ部門)の知名度が国際的には最も高いといって良いだろう。国内では以前AGTジェムラボラトリー(WWW.AGT.JP)がGIA GTL(現在のGIAラボラトリー)との契約に則りGIAのグレーディング・レポートを米国以外で唯一発行していたが、その後契約は解消され、現在日本でGIAのレポートを発行する機関はない。

2011/6/9 木曜日

AGTパライバ・トルマリン分析報告書の提供開始

Filed under: ジュエリーニュース, カラード ストーン, 海外ジュエリー事情 — ジェムランドeditor @ 6:55:29

パライバ・トルマリン産地証明書AGTジェムラボラトリーは、パライバ・トルマリン分析報告書(ANALYSIS REPORT)の5月12日より発行を開始した。

このレポートでは、検査石に蛍光X線分析を行いCu(銅)およびMn(マンガン)の含有が確認されたブルーからグリーンのトルマリンについて、パライバ・トルマリンの名称を記載した分析報告書(ANALYSIS REPORT)を発行する。

検査・発行料金は5,250円で、別途鑑別書発行料金が必要。

写真はAGTジェムラボラトリー提供。クリックすると拡大。

2010/11/8 月曜日

GIA取扱史上最大の合成ダイアモンド持ち込まれる

Filed under: 宝石への処理, ジュエリーニュース, ダイヤモンド, 海外ジュエリー事情 — ジェムランドeditor @ 16:48:29

GIA(ジーアイエー)のGems & Gemology e-Briefによると、GIAのニューヨークラボラトリーに4.09ctsある合成ダイアモンドが持ち込まれた。GIAに持ち込まれた合成ダイアモンドとしては最大サイズであるという。

この合成ダイアモンド、天然ならばファンシー ビビッドとグレードされようかというイエロー オレンジ(イエローとオレンジの色相を同じような強さで呈する)カラーだった。

カットはレクタンギュラー。

色の分布はHPHT高温高圧処理)に典型的な不均一なものだった。

合成ダイアモンドにHPHTを施した石であった。

2010/10/30 土曜日

全宝協が破産申請を準備

Filed under: ジュエリーニュース, ダイヤモンド, 海外ジュエリー事情 — ジェムランドeditor @ 7:09:14

東京商工リサーチによると、10月29日、(株)全国宝石学協会(全宝協)が事業を停止し破産を申請する準備に入った。

平成22年3月期末時点の負債総額は約4億1800万円。

平成4年3月期の年商は約13億円でこれがピーク。その後は減収傾向に転じ22年3月期の年商は6億6400万円で赤字決算だった。

今年5月に発覚したダイアモンドのカラー グレードのかさ上げ問題の影響があるものと思われる。

全宝協の宝石鑑別技術は国際的に高く評価されており、国内鑑別機関として色石の取扱数は最大であっただろうから、ジュエリー業界への影響は大きい。

またGGとならぶ宝石学専門家としての国際的資格FGAの日本語による教育活動は同社が行っているから、現在受講中の方はどうなるのか気になるところだ。

2010/5/23 日曜日

全宝協カラーグレードが甘い問題、宝石鑑別団体協議会は全宝協のグレード済みダイアモンドを無料で再グレーディングの方針を発表

Filed under: ジュエリーニュース, ダイヤモンド, 海外ジュエリー事情 — ジェムランドeditor @ 11:12:38

宝石鑑別団体協議会の土居芳子会長および役員らは21日午後に記者会見を行い、全国宝石学協会全宝協)によるダイアモンドグレーディング レポート(いわゆる鑑定書)のカラーグレードが甘かったとされる問題について、同協議会の方針を発表した。

宝石鑑別団体協議会では、全宝協が2007年2月〜2008年10月の期間にグレーディングをしたダイヤモンドを消費者が同協議会に加盟するグレーディング機関にもちこんだ場合、無料で再グレーディングをする方針を発表した。無料なのはグレーディングのみで、レポートを別途発行する場合には料金が発生する。

全宝協からは宝石鑑別団体協議会に退会届が提出され同協議会は受理したが、再グレーディングの結果不正が明らかになれば、除名処分もあり得るとしている。

ダイヤ鑑定かさ上げ:全宝協、業界団体を退会(毎日新聞)

2010/5/18 火曜日

全宝協のダイアモンドのカラー グレード

Filed under: ジュエリーニュース, ダイヤモンド, 海外ジュエリー事情 — ジェムランドeditor @ 14:31:19

毎日新聞社は、全国宝石学協会(全宝協)の出したダイアモンドのカラーグレードが甘かった問題を報じている。

この問題を受け、全宝協のグレーディング レポート(いわゆる鑑定書)付きのダイヤモンドを店頭から撤去する動きも一部に出ているという。

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