ジュエリーブログ,ニュース / ジェムランド

2008/7/23 水曜日

原油高でカラード ストーンが高値

Filed under: ジュエリーニュース, カラード ストーン — ジェムランドeditor @ 15:36:43

GIAの発表した業界分析によると、原油高による採掘コストの上昇によって採算割れとなり、生産を停止する色石鉱山が増加している。

スリランカ、ミャンマー、ブラジルなどに操業を停止した鉱山が目立ち、色石の集散地として有力なタイのチャンタブリには持ち込まれるルビー、サファイアの減少が著しいという。

特にミャンマーではサイクロンの影響も重なり、同国より持ち出される高品質のルビーサファイアの量が少なく、値段が高い。

 

スリランカからの宝石便り 〜その14〜 スリランカの非加熱サファイア

前回はスリランカの宝石産地について書きましたが、主にサファイアなどが採掘されるのは漂砂鉱床です。長い年月にわたり風雨や洪水などにもまれた結果、サファイアの結晶は三方晶系の形を失い、まるで小石のような状態で発見されます。同じ場所で採掘されるスピネルの結晶も等軸晶系ではなく、つるっとした感じの丸みのある小石のような状態です。

市場に出回るサファイアの多くは、色を改善する為に「熱処理」が行われています。この処理についてはまた改めて書いていきたいと思いますが、研摩以外に人的な処理が何もされてないものは「非加熱サファイア」と呼ばれ、その希少性からも加熱されたものと比べ値段が高くなります。特にカラット(重さ、サイズ)の大きいものはさらに希少です。

私は原石で1〜3カラットほどのサファイアを買付け、それを研摩するのですが、もとの形が平べったい小石のような形の為、きちんとしたプロポーションのカットを望めば、研摩後は原石の35〜50パーセントになってしまいます。主な色は青、ピンク、黄色で、中には紫、パパラチアか?と思われるようなオレンジがかったピンク、無色のものもあります。原石のままでも美しいのですが、そのままではスリランカ国外持ち出しが禁止されています。形を変えず、磨いただけのものはジュエリーに加工したものであれば国外に出すことが可能です。何とか原石に近い形で、その魅力を伝えることができないか?そんなジュエリー政策も考えています。

◇ ご案内

現在、日本へ一時帰国(8月20日頃まで)しております。
スリランカの非加熱サファイアや半貴石のルースを取り揃えております。
興味ある方はメールを下さい。→ shinko@globalreach.co.jp
(宝石やスリランカの状況など、どうぞお気軽にお問い合わせください。)
また、スリランカの宝石について、宝石学的視点や宝石の産地の話を交え親しみやすくお話します。アートセラピストの彩香さんの(東京・神楽坂)イベントで、私が宝石の話しをさせて頂くことになりました。ぜひ、ご興味がありましたらご参加ください!!
7月26日・午後2時より5時まで
イベント詳細

片山新子(かたやま しんこ) FGA
個人の楽天ブログ「スリランカ宝石留学物語
個人WEB「Ragems

2008/7/15 火曜日

eBay、ティファニーの偽ブランド裁判で勝利

Filed under: ジュエリーニュース, ジュエリーオークション ニュース — ジェムランドeditor @ 9:13:47

偽ティファニー・ブランドのジュエリー販売を許していたとして、ネット オークション米最大手のeBayが商標権侵害でティファニーに訴えられ、米連邦裁判所で審議されていた裁判の判決が14日(2008年7月14日(日本時間15日))言い渡された。

判決によると、eBayは既に偽ブランド対策を実施しており、eBayの責任はないとしてティファニーの訴えは退けられた。

eBayは先月(2008年6月))フランスの裁判所より、ルイ・ヴィトンなどの偽物販売を仲介しているとして60億円余りをLVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンに支払うよう命じられている。今回の米連邦裁の判決はeBayにとって朗報だろう。

CNNオンラインなどが報じた。

月には水が存在する

Filed under: ジュエリーニュース, 宝飾品の歴史・考古学 — ジェムランドeditor @ 8:33:59

月の石、ガラスNature誌の7月10日号に掲載された論文で、ブラウン大学のアルベルト サール氏らの研究者グループは、米航空宇宙局(NASA)が1969年のアポロ計画の際に採取した火山活動に起因するガラス(写真右)を分析し、内部に含まれる揮発性成分の存在と、月内部には水や二酸化酸素が存在すると考えられると述べた。

従来、月は過去に晒された高熱により水素をはじめとする軽元素は存在しなくなったと考えられていた。

GIA AAJジュエリーデザインコンテスト2008作品募集

Filed under: ジュエリー イベント, ジュエリーデザイン コンテスト — ジェムランドeditor @ 7:40:04

GIA同窓会の日本支部(GIA AAJ)がジュエリーデザインコンテストの作品を募集している。

応募作品はジャパン ジュエリー フェア 2008(JJF)のJJF特別イベントゾーンにて8月28日に開催されるAAJパーティー会場にて来場者の投票と審査員による審査を経て各賞が決定される。

br_point.gif 第2回 GIA AAJジュエリーデザインコンテスト2008 <応募規定>

1.応募資格  応募者は国内在住であり、作品は国内外未発表作であること。

2.応募方法  

  • デザイン画はA4サイズ(21.0cm x 29.7cm)のイラストレーションボードを使用のこと。
     ※ただし薄紙でもイラストレーションボードに貼り付けてあるものは可。
  • 原則として原寸で描く。
  • 手描きであること。
  • 着彩すること(色鉛筆、水彩絵の具etc自由)。
  • テーマ、アイテム自由。
  • 未発表オリジナルデザインであること
  • 規定の申込書と解説用紙(一作品一枚)に必要事項を記入の上、書留郵便もしくは宅急便にて下記の宛先まで送付のこと。 (申込書はこちら
    ※規定に外れる作品は審査対象外といたします。
    ※作品は何点でも応募できます。

3.応募作品の受付・締切

平成20年8月18日(火) 必着
 
〒110-0005 東京都台東区上野5-15-14御徒町CYビル3F
GIA AAJデザイン コンテスト 係まで
TEL:03-3839-8234

※持参する場合はかならず事務局までご連絡のうえ、お持ち下さい。

4.審査・審査日       

  • 平成20年8月28日JJF特別イベントゾーンにて開催されるAAJパーティー会場にて来場者の投票と審査員による審査をもって各賞を決定します。
    なお発表及び表彰式は同日同会場にて午後5時30分ごろに行われます。

5.作品の版権        

  • 作品の著作権は応募者に帰属しますが、作品の写真・印刷物などはGIA AAJに帰属し、使用させて頂きます。
  • 主催者であるGIA AAJは宣伝広報のために、応募作品の撮影、解説、掲載等を行うことが出来ます。

6.賞              

  • 受賞者には賞品が授与されます。
      最優秀賞 1名 JTBギフト券2万円分  優秀賞  2名 JTBギフト券1万円分
      特選   2名 JTBギフト券5千円分  特別賞 5名 JTBギフト券3千円分
    ※応募者全員に参加賞をご用意いたします。

7.作品の返却        

  • 作品の返却に関しては、AAJパーティー会場でのコンテスト終了後、直接渡しにてご返却いたします。お手数ですが本人確認のために身分証明書(運転免許証、健康保険証などフルネームを確認できるもの)をご持参ください。
     取りに来られない方で返却希望の作品は、実費(宅配便の着払い)にて個々に返送いたします。
     なお入賞作品はAAJレポート掲載の都合上、後日宅配便(着払い)にて返送させていただきます。
     取りに来られる場合は、必ず事務局までご連絡の上、9月16日から29日の間にお越し下さい。
     返却希望の無い場合は、作品の管理はAAJに一任させていただきます。

8.個人情報保護      

  • 出品申込にご記入頂いた情報は、主催者からの各種連絡、情報提供のため、利用します。
     個人情報を応募者の同意なしに第3者に開示・提供する事はありません。
     (法令などにより開示を求められた場合は除きます)

9.主催             

GIA AAJ(GIA Alumni Association of Japan : GIA同窓会日本支部)
〒110-0005 東京都台東区上野5-15-14 御徒町CYビル3F GIA JAPAN

 

2008/7/8 火曜日

御木本幸吉 生誕150年記念 写真展 作品募集 7月31日締切

Filed under: 真珠 / パール, ジュエリーデザイン コンテスト — ジェムランドeditor @ 6:56:50

ミキモトが、創業者・御木本幸吉生誕150年を記念し「人と真珠」をテーマに、人と真珠が織りなす幸せあふれる写真作品を募集している。

募集の締切は7月31日まで。

▼応募の詳細

  1.  テーマ :「人と真珠」
  2.  応募資格 :  なし(海外在住者、プロ応募可能)
  3. 写真サイズ :  タテ・ヨコ問わず 2Lサイズ/1MB以内 
  4. 点数制限   :  なし
  5. 郵送での応募方法

こちらの応募フォームを印刷の上、作品見本(2Lサイズ)に添えて下記の応募事務局へ郵送。
作品見本には上下の判別が分かるよう、プリントの裏に「上」「下」と印を付けること。

< 送付先>
〒104-8238 東京都中央区銀座5-15-1 SP605
写真展「PEARLS,365DAYS」応募事務局 宛
※2008年7月31日(木) 当日消印有効

複数応募の場合には、作品ごとに応募フォームを記入すること。またどの作品がどの応募フォームか分かるようにすること。

  6. メールで応募する場合

メール本文に必要事項を記入し、1MB以内の作品データ(選考用※)を添付して下記のメールアドレスに送信。複数応募の場合には、1件のメールにつき1作品で応募する。

※作品データ:受賞した場合の提出データは、RGBカラーモードのjpg画像データとし、1ファイルのデータ量の目安は3〜5MB。

< 送付先>
写真展「PEARLS,365DAYS」応募事務局
photo@mikimoto150.com
※2008年7月31日(木)18時に受領のメールまで有効

< 必要事項>
作品タイトル/お名前・フリガナ/住所/年齢/職業/日中連絡が取れる電話番号/
作品に対するコメント

※ 受賞した場合には、データまたはポジの提出を求められることがある。

御木本幸吉生誕150年記念 写真展 公式サイト

2008/7/2 水曜日

IGI、コーテッド タンザナイトの簡易鑑別サービス開始

Filed under: 宝石への処理, カラード ストーン — ジェムランドeditor @ 8:43:04

2008年5月よりコーティング処理タンザナイトが増加している事に対応し、大手鑑別機関のひとつIGI(International Gemological Institute:インターナショナルジェモロジカル インスティチュート )が当該処理タンザナイトの簡易鑑別サービスを開始すると発表した。

サービス料金は10石単位で50ドル(1石5ドル)。10石未満の場合でも50ドル。石の大きさは問わない。

>> 関連: IGIトロントにラボを開設
>> 関連: IGI、ニューヨークのDDC(ダイアモンド ディーラーズ クラブ)に事務所を開設

コーティングを施したタンザナイトが増加基調

Filed under: 宝石への処理, カラード ストーン — ジェムランドeditor @ 8:25:36

コーティングを施したタンザナイトが増加基調にある。

このコーティング処理は、色の薄いファセット加工済みタンザナイトをコバルト色因の被膜で覆うというもの。

この処理によるタンザナイトもコーティング処理石に見られる一般的な特徴を備えているから、タンザナイト買い付けの際、コーティングの可能性さえ頭に入っていれば識別を誤ることはないだろう。

コーティング処理石に見られる一般的な特徴とは、主としてパビリオン上のファセット面から観察されるイリデッセンス(虹色 / コーティング被膜と石の隙間に起因)や、ファセット稜線及びキューレット付近の被膜の剥がれである。剥がれた部分の色は薄く見える。

被膜の剥がれを検査する最も良い方法は、検査石を白色の拡散板(あるいは通常のコピー用紙のような白く薄い紙)の上に置き、拡散板の下から強い照明を当てた状態での観察である。石を浸漬した状態で拡大すれば最適の検査環境となるが、浸漬せず、裸眼で判断できる事も多いはずだ。

その他このコーティング石固有の識別特徴としては、弱い多色性と青みが強い不自然な色を挙げることができる。未処理で色の深いタンザナイトの場合、その色は強い多色性に起因しブルーとパープルカラーが混在しており、石を観察する角度を変えるとブルーとパープルの出現場所と比率が変化するものだが、コーテッド タンザナイトの場合にはそのような変化が見られない。これは処理に用いられた元々のタンザナイトの地色が弱い(すなわち多色性が強く認識できない)ことに加え、ブルーに発色する被膜自体が多色性を持たない為である。

>> IGI、コーテッド タンザナイトの簡易鑑別サービス開始

スリランカからの宝石便り 〜その13〜 スリランカの宝石産地

Filed under: スリランカからの宝石便り — shinko @ 4:06:53

コランダムスリランカの宝石の歴史は、紀元前250年頃までさかのぼることができると云われています。その太古の時代から今日に至るまで、これまで紹介したような様々な宝石が産出されています。もういい加減、産出量も減っただろうと推測しても、現地の地質学者は、まだ宝石層のある地質の数パーセントしか採掘されていないと言います。この小さな島国にまだまだ可能性があるのか?と頼もしく思ったりもしますが・・・。

さて、スリランカの地質は北西地域以外、主にプレカンブリア時代の岩石で構成されています。その時代のスリランカは、アフリカのマダガスカルと陸でつながっていたと云われていて、現在産出される宝石の種類の類似性を考えても大変興味深く、まさに「宝石」がその歴史の「生き証人」になっています。

宝石が産出される主な地域は、島の中心から下のあたり(Highland Southwestern Complex)に集中しており、「宝石の街」という意味を持つ「ラトゥナプラ」がもっとも多くの種類を産出しています。この辺りは漂砂鉱床で、長い年月にわたり風雨や洪水などにもまれ、その結晶は形を失い、まるで小石のような状態です。それらが、川などに流され、また地中に埋もれ、比重が大きい為一箇所に集まって宝石鉱床となります。地中15メートルから30メートルくらいを井戸のように掘る(Pits)とその鉱床にたどり着きます。また川に流れ込んだ宝石は、川底をさらう感じで採掘します。    

 

機械を導入して大規模な採掘を行う業者もいますが、昔ながらの方法(穴を掘っていき、水をくみ出す)を人力でしている場所も多いです。採掘現場は、穏やかな田園風景が広がり、大変のんびりとした感じが私は好きです。今は爆弾テロなどで、スリランカ全体の治安がよくないのですが、将来、平和になったらぜひスリランカの採掘現場をいらして下さい。

 

 

(写真・採掘されたサファイアは結晶の形はなくなり、小石のよう。色が美しい)

 

 

片山新子(かたやま しんこ) FGA
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