一般社団法人GIA JAPANは、同校による日本語で開催されるGGレジデンスプログラムを今春3月末開催講座を最後に終了すると発表した。
GIA本校(USA)の方針変更が理由と説明している。
来月スタートとなるGGプログラムが日本語で受講できる最後のGGレジデンス プログラムとなる可能性もある。GG取得を考えている英語が苦手な方は申し込みを検討したほうが良いだろう。
◎受講期間 (4月クラス)
2015年 3月26日(オリエンテーション)
2015年 3月30日〜2015年 9月25日
◎開催場所 GIA JAPAN 東京校
◎問い合わせ TEL:03-3835-7046
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至極の体験+極上の思い出となった
サハ共和国・ロシアダイアモンド鉱山視察の旅
ジェムY.O 大久保 洋子
日本宝石協会主催「JGS第1回視察ツアー」に参加でき、2014.7.29~8.7までの10日間、数々の貴重な体験の下、8名無事に帰国できたことは、多大なるリーダーシップでグループをまとめて下さった松室団長のおかげと感謝する次第です。
それに加え、里村昭夫氏(サハ共和国委員会 理事 事務局長)、Kim BORISOU氏(サハ共和国外務省)、ピョートル シンシキン氏(サハ共和国経済産業省)3名の尽力により、主都ヤクーツク市、鉱山の町ミールヌイ市、ウダチヌイ市でALROSA OPEN JOINT-STOCK COMPANYを訪問でき、非常に有意義なダイアモンド鉱山の見学をする事ができました。
日本−サハ共和国の両国の親善の一端を担うことができたことも大きな喜びとなっております。
10日間の日程の中で特に記憶に残りました事を列記させていただきます。
1 ミールヌイ市/ミールパイプ視察後、インターナショナル鉱山で地下1000mまで降り、内部の様子を見学できた。
2 ダチヌイ市、ヌビレーナヤパイプの露天掘りの周囲を、アルロサ運転手が特別な車で走行。
(800mの巨大なキンバーライトの壁の高さに圧倒されました)
3 ダチパイプ、ザルニーツアパイプから集積したダイアモンドを選鉱する工場見学。
※鉱山で使用する巨大なショベルカー、キャタピラー、ダンプ等の見学、直径1.5m、高さ3mの大きなタイヤは、全て日本のブリジストン製
4 各地域で訪問したアルロサの会社、工場での、従業員に対する手厚い待遇。
例)
・鉱山に入る前の血圧測定
・栄養ドリンクの提供(好みのブレンドの栄養ドリンクを栄養士が目の前で作る)
・鉱山から帰った後はシャワーや、最新式の赤外線サウナを利用でき、洗濯・乾燥においても 充実した設備が整っている。
5 永久凍土の内部を見学(ヤクーツク市)
(数十億年前のマンモスの化石を、直接見る事が出来るという貴重な機会に恵まれました)
6 ウラジオストックで訪問した、ロシア科学アカデミー極東支部付属地質研究所内の鉱物の数々、合成宝石類の見学
7 サハ共和国の宝物館の見学
今回の鉱山視察の旅を通して、シベリアダイアの原点に触れ、サハの人々との温かい交流ができた事は、人生において大変大きな糧となりました。この旅は、大成功であったと強く実感しております。
以上、簡潔ではございますが、旅のご報告とさせていただきます。
2014.8.25
※本稿はJSC(Jeweller’s Study Club)より提供を受けて掲載した。
>> 関連画像(ロシアのダイアモンド鉱山など)。提供はJSC。
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しかん香 木下 善志生
日本宝石協会が主催する、ロシア連邦、サハ共和国ダイヤモンド採掘場視察ツアーに参加させて頂きました。 サハ共和国はロシア連邦を構成する共和国、首都はヤクーツク。ユーラシア大陸北東部のシベリアにあり、冬の寒さは極限に達します。ツアー中は1年の内一番短いサマータイムであったらしく快適に過ごせましたが、冬の温度は氷点下50度が通常という極めて寒さに厳しい環境になります。今回はサハ共和国とアルロッサの協力の下ミールヌイ地区、ウダチヌイ地区のアルロッサ施設を視察させて頂きました。
GIAやFGAの教本でどのように採掘されて流通しているかを知ってはいましたが、実際に現地で生の情報を見て初めて理解できたと感じる所が多くありました。その中で特に教本とイメージのギャップがあった所をこの記事によりお伝えできればと思います。
ダイヤモンドは1トンに対して1ctあるかないか?とはよく言われるフレーズですが、鉱山によりその1トンあたりの採掘量とそれに対するダイヤモンドの品質も違います。アルロッサ側の情報呈示によるとミールヌイ地区の鉱山で1トン8.2ct⇒1200ドルの利益。ウダチヌイ地区で1トン0.23ct⇒80ドルの利益。アイハル地区で1トン6.0ct⇒240ドルの利益。とそれぞれの採掘場により採掘量と品質が違ってくる。
また、意外なことに採掘現場に10数年務めていても未だに生でダイヤモンドと呼べる原石に出会ったことがないとのお話も聞きました。現場は24時間稼働し続け人員は交代で働きます。1年に何十万トンものキンバーライトを採掘しても鉱山員がダイヤモンドに出会うのが奇跡の確率だというのが不思議です。
さて、24時間休みなく稼働し続ける鉱山で一番気になったのは労働環境です。
『ロシアの鉱山で働く』このフレーズのイメージを聞くと大概の方は、それはとても過酷で重労働という『誰も働きたがらない仕事』というマイナスイメージな答えが返ってきます。さらに、サハ共和国の環境は上記したように極めて寒い環境にあります。私も働きたいか?と言われれば御免被りたいと思っておりました。
そのイメージに反して、アルロッサでの労働環境は極めて高レベルでした。働く前に栄養剤や滋養強壮剤が入ったエナジードリンクを支給するカフェのような休憩所があり、シャワー室や、サウナも完備。一番驚かされたのは出社時にドクターの健康診断を受け無くてはならない事、会社のエントランス付近に医務室があり作業着に着替える前にドクターから毎回チェックを受けるのです。毎日毎日、診断を受けるなんて普通の仕事をしている人にはありえないことで、こんなにも従業員たちに対して環境を整えている会社を観てとても感動しました。また、私達が鉱山を視察中、鉱山員の方たちは仕事中にもかかわらず気さくであり、倒れそうな人に手をかして頂いたり、とても爽やかであり親切にして頂きました。仕事の苛酷さでストレスを蓄えこんだ労働者がこんなにも余裕のあるやり取りは出来ないことです。今までにイメージしていた『ロシア鉱山で働く=ハードワーク』が一変しました。厳しい環境にあるからこそ人員をとても大切に見ているアルロッサの考え方が分かります。
ロシアでもTOPブランドであるアルロッサはダイヤモンドで有名な会社ですが現在ではそれだけではなく発電、ガス、空港会社、文化事業、スポーツ事業等ダイヤモンドに限らず地域の発展に取り組んでおり、会社単位ではなく地区単位で計画が練られています。
宝石を知らない一般のかたが『ダイヤの採掘』と聴いて思い浮かぶ一つのシーンは、低賃金で労働者を環境の悪いところで酷使しているといったものが一部あると思います、また、『紛争ダイヤモンド』というワードが有名になった映画『ブラッド・ダイヤモンド』等で『ダイヤ鉱山』というイメージは一般の方々にとって全てが良いイメージではないと感じております。私でさえ鉱山環境は極めて過酷であると考えておりました、さらに1トンに付きほんの少ししか採掘されないダイヤモンドなのですから、それに対する従業員の経費はとても抑えられているのだと思っておりました。ですが、現場は逆だったのです。
今回一番消費者に対してお伝えしたいと思ったのが鉱山員は会社からとても大切にされ、各々仕事に誇りを持っているということ。また、ダイヤモンドに携わる人達にお伝えしたい事は、鉱山員は原石を一粒観るのにも現場では奇跡だということ、いつも見ているそのダイヤモンドは奇跡の産物なのです。取り扱いにまた身が引き締まる思いです。
サハ共和国の人達にとってダイヤモンドは何かと聞いたら『国の一番のブランド』とすべからく答えが返ってくるそうです。今回ツアーで鉱山から選鉱場、運搬業務、ソーティングセンター、小売店まで案内され色んな方々に学び、最終日にツアーをお手伝い頂いた通訳のピョートル氏からサプライズのダイヤモンドルースを我々に自費でプレゼントしていただきました。我々にとってみたらとても小さいサイズのものですが本当に感動しました、ダイヤモンドが産出して色んな流通を経て小売店に至る所まで見学して最期にプレゼントされるなんて思いもしなかったことです。ダイヤであり宝石の価値は最期に与えてくれる人の思いが乗る、どんなにささやかなものでも思いが加われば100ctの輝きに勝ると感じました、涙を流させるプレゼントなんて人生になんどあるのでしょう?商品の良さは金額の多寡ではなく、お客様にとって思いを込められる商品が一番の最良だということ、そして0.1ctが100ctの輝きにも劣らない、大切にしなくてはならないものだと、最期にピョートル氏に一番大切なものを学ばせていただきました。
※本稿はJSC(Jeweller’s Study Club)より提供を受けて掲載した。
>> 関連画像(ロシアのダイアモンド鉱山など)。提供はJSC。
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