ジュエリーブログ,ニュース / ジェムランド

2008/4/11 金曜日

黄綬褒章を受勲の講師を招いたジュエリーリフォーム、修理のセミナー、大阪で開催

黄綬褒章を受勲した講師らを招いたジュエリーの販売と加工に関するサポート・セミナー、“安易に受けるな!修理と加工”が5月7日(水)に開催される。主催はジュエリースクールGIA JAPANの大阪校。

貴金属相場の高騰を背景に、ジュエリーの加工、修理、リフォーム ビジネスが活況を示している。しかし、それら仕事を請け負うには、ある程度以上の専門知識が必要で、その専門知識がないまま安易に受注すると後日大きなクレームやトラブルが発生する事がある。

講師はジュエリーの製作加工の現場で活躍する丸川隆英氏(2005年、黄綬褒章を受勲)と販売の現場で活躍中の喜多健氏。

セミナーは各講師それぞれの現場で実際に遭遇した問題を取り上げ、その原因を検討するという形式だから、ジュエリー リフォームを受注する宝飾小売店やジュエリーデザイナーにとってはジュエリーの修理・加工におけるクレームやトラブルを事前に回避する為の有意義な勉強の機会となるだろう。

申込みは電話、または電子メールで受け付けている。多数の参加が見込まれるが、受付は先着順。このため、参加を希望する場合には早めの申込みをお薦めする。

o_point.gif 講師: 丸川 隆英 氏、喜多 健 氏
 
o_point.gif 講演トピックス:
  ○指輪の「サイズ直し」には、こんな危険も!
  ○はずれた宝石の「留め直し」は、意外と大変!
  ○「新品仕上げ」に潜む大きな問題! など
   
o_point.gif 日時:2008年5月7日(水)
  受付開始:18:00
  講演時間:18:30〜20:30
 
o_point.gif 持物: 蛍光ペン 
o_point.gif 会場: GIA JAPAN 大阪教室 
o_point.gif 会費: 5,250円(卒業生、一般), 3,150円(会員、受講生、AAJ) 
o_point.gif 定員: 30名(先着順)
 
o_point.gif 申し込み方法:

電話、メールにて先着順で受け付け。
メールで申し込みに際しては件名を「販売・加工サポートセミナー申し込み」とし、以下の必要事項を記入して以下のアドレスまで送信する。

  • 住所
  • 氏名
  • TEL
  • 貴社名
  • 貴社住所
  • 貴社TEL
  • 会員、一般の種別
  • E-mail: GIA (GIA JAPAN 大阪校:問い合わせもこちらで受付)
  • TEL: 06-6266-8530 (GIA JAPAN 大阪校:問い合わせもこちらで受付)

講師プロフィール:

丸川 隆英 氏 (ジュエル丸川代表)
  1983年 国家検定一級技能士取得
  2000年 なにわ名工受賞
  2002年 現代の名工(卓越技能者)国家表彰
  2005年 黄綬褒章・国家表彰
 一品入魂の心情で作品創りを続けている。
 
喜多 健 氏(GIA G.G.) (株式会社きた時計代表取締役)
  1989年 GIA G.G.資格取得
  2000年 ジュエリーコーディネーター2級取得
  2001年 パールインストラクター取得
 業界内の有志を募って、交流会や各種セミナー、講演等の経験多数。
 座右の銘は「一期一会」
 仕事への取り組み姿勢は「扱うものは、全て自ら説明が出来ること。」

香港でのサザビーズ、ジュエリーオークション落札総額は38億7千万円

ヒスイのバングル4月10日、香港でサザビーズ主催のジュエリーオークション、[Magnificent Jewels and Jadeite]が開催された。落札総額は38億7千万円だった。

高額落札されたジュエリーには次のようなものがあった。

26.90キャラットのカラーチェンジ サファイアを用いたK18WG(18金のホワイトゴールド)の指輪。取り巻きに合計1.20カラットの無色系ダイアモンドを使用。GIAのレポート(いわゆる鑑定書)付き。落札金額は1,200万円だった。

8.71キャラット、インターナリーフローレスのファンシー ライト ピンク ダイアモンドを用いたK18WG及びK18ピンク ゴールドを用いた指輪。取り巻きには合計1.55キャラットの無色系ダイアモンド。GIAのレポート付き。落札金額は約8,600万円だった。

2.01キャラット、VS2のファンシー ディープ ブルー ダイアモンドを用いたプラチナ製のリング。脇石はパヴェで留めた無色系ダイアモンド。GIA及びグベリンのレポート付き。落札金額は約1億1,700万円だった。

32.04キャラット、ミャンマー産ビルマ産)無処理(熱処理の痕跡なし)のサファイアを用いた指輪。取り巻きに無色系ダイヤモンドを合計6.40キャラット用い、プラチナ製。約6,700万円で落札された。AGLのレポート付き。

内径55mm、幅14mm、厚さ7,5mmある、緑色の翡翠バングルが約1億5千万円で落札された。

2008/4/8 火曜日

スリランカからの宝石便り 〜その9〜 ジルコン

Filed under: スリランカからの宝石便り — shinko @ 9:30:27

ジルコンという音の響きからダイアモンドのイミテーションにされることもあります。しかし、硬度が6.5から7.5とダイアモンドと比べて低い為、10倍レンズで覗くとファセットにキズなどがあり、簡単に見分けがつきます。スリランカのマータラで採掘される無色のジルコンは、「セイロンダイアモンド」と呼ばれています。しかし、こう言われても本物のダイアモンドだと思って買う人はいないでしょう。最近は無色のジルコンも発見されにくくなりました。

スリランカ産のジルコンは、成分に放射性のトリウムとウラニウムが入ることで、結晶格子が崩壊している「メタミクト(ロー・タイプ)」構造のものが多いです。その為、色も緑、茶色、赤味やオレンジがかった茶色のものが多く、それらを加熱処理すると、結晶格子が再生され、「ハイ・タイプ」になります(自然界にもハイ・タイプのものが存在します)。色は、青、オレンジ、無色などで、カンボジアなどでは茶色のジルコンを熱処理し、すばらしい青色に変化させています。この青色をさらに酸化状態で熱を加えると、輝かしい黄金色に変わります。ちなみにジルコンの語源はペルシャ語で「金色」です。

zirconスリランカ産のジルコンは熱処理をしても鮮やかな青に変わるものはないと思われますが、黄色ぽい茶色のジルコンを加熱することで、キャッツアイのような一条の光(シャトヤンシー効果)を作りだすことができます。これは、「ジルコンキャッツアイ」と呼ばれていますが、あまり宝飾向きではないでしょう。

日本ではあまり人気のない宝石ですが、強い輝きと、硬度さえ理解しておけば、宝飾として充分魅力的だと思います。歴史的にも古い宝石なので、「ジルコンを身につけると、知恵、名誉、富をもたらす」と言われ、信じられていた時代もあったそうです。真意のほどは知りませんが、もう少し価値が見直されてもいいのでは?と私が勝手に思っている宝石です。

片山新子、FGA (英国宝石学協会、宝石鑑別資格)
個人の楽天ブログ「スリランカ宝石留学物語
個人WEB「Ragems

2008/4/7 月曜日

X字の勾玉が出土-米子市博労町

Filed under: ジュエリーニュース, 宝飾品の歴史・考古学 — ジェムランドeditor @ 6:45:00

米子市教育文化事業団は、珍しいX字をした勾玉(まがたま)を米子市博労町(ばくろうまち)遺跡で発掘したと発表した。同時に出土した土器などから、古墳時代前期(四世紀頃)の作と推定した。

X字の勾玉大きさは縦21mm、横26mm、厚さ8mmでタルク(滑石)製。

宝石学の世界でタルクはモース硬度1の標準鉱物として知られているが、それ以外では馴染みがないとお考えかも知れない。しかし加工しやすい硬度の低さを利用し、工芸に用いられる例も多い。例えばカナダ先住民はタルクの集合体であるソープストーンを全体に丸みを帯びたデザインで動物などに彫刻しており、カナダの土産物店を訪ねたことのある人ならば、かなり高い確率で眼にしているはずだ。

人が最初に身に着けた装身具のひとつは動物の牙であったとされる。強い動物の牙を身に着けることで動物の力を自らに宿し、魔除けにする意味もあったのではないかと考えられている。勾玉の柔らかな弧を描いた形状は、動物の牙が元になったとうい説がある。あるいは胎内にいる胎児の形を表すともいわれる。

勾玉は、古書に曲玉と記載されている例もある。

アンティークジュエリーのセミナー開催-GIA JAPAN

Filed under: ジュエリー イベント, ジュエリースクール情報 — ジェムランドeditor @ 5:42:52

ジュエリー専門学校GIA JAPANが穐葉アンティークジュウリー美術館の館長 穐葉昭江氏を招いたセミナー「ジュエリーにこめられたメッセージ」を5月21日に同校東京校開催する。

ジュエリーの素材やデザイン、装飾モチーフなどを通じて人々が様々な思いを託してきたアンティーク・ジュエリーの世界に関する講演の他、実際にアンティークジュエリーを手にとる機会もある。

演 題:「ジュエリーにこめられたメッセージ」

開催日:5月21日(水)

受付開始:18:00

講演時間:18:30〜20:00予定

会 費:

3,675円(GIA JAPAN会員、受講生、AAJ会員) 5,250円(卒業生、一般)

定 員:30名(先着順)

申込み方法:電話、メールにて先着順で受け付け。

メールでも申し込みはこちらに記載されたメールアドレスあてに、件名に「アンティークジュエリーセミナー申し込みの件」と記入の上、必要事項(住所、氏名、TEL、貴社名、貴社住所、貴社TEL、区分:会員 or 一般)を記載し申し込む。 問い合わせ先GIA JAPAN東京

2008/4/1 火曜日

スリランカからの宝石便り 〜その8〜 トルマリン

Filed under: スリランカからの宝石便り — shinko @ 6:11:40

スリランカのラトゥナプラーで宝石を採掘する風景 スリランカで産出されるトルマリンの色は、黄緑、深緑、蜂蜜のような茶色が多く、まれに青や明るい緑色も発見されますが、ルベライトと呼ばれる赤やピンク、バイカラーウオーターメロンなど人気の高い色は産出されません。店頭でトルマリンは多様な色が販売されていますが、大半はアフリカや近隣諸国から輸入されたもので、値段も店によってかけ離れています。

スリランカ産出のトルマリンは、その見た目の色や多色性などでジルコンコーネルピン、シンハライト、アンダリュサイトに間違えられる場合があります。紅茶の産地であるウバで産出されるトルマリンは「ウバイト・Uvite」と呼ばれています。希少性が高いものでは、キャッツアイのように一条の光(シャトヤンシー効果)がでるトルマリンも産出されます。

金褐色のものも産出され「ドラバイト・Dravite」と宝石学的に呼ばれますが、通常の宝石業者はルベライト以外はトルマリンとしか呼びません。

無色のトルマリン(カラーレス)は無色のスピネルと同じように大変希少性があります。

※写真はラトゥナプラーでのひとこま。のどかな田園風景の中、所々で宝石採掘用に穴(井戸のよう)があけられ、機械や人力で鉱夫が作業しています。

片山新子、FGA
最近、産地ラトゥナプラに行った経験も書き込んでいます。
個人の楽天ブログ「スリランカ宝石留学物語
個人WEB「Ragems

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