スリランカからの宝石便り 〜その14〜 スリランカの非加熱サファイア
前回はスリランカの宝石産地について書きましたが、主にサファイアなどが採掘されるのは漂砂鉱床です。長い年月にわたり風雨や洪水などにもまれた結果、サファイアの結晶は三方晶系の形を失い、まるで小石のような状態で発見されます。同じ場所で採掘されるスピネルの結晶も等軸晶系ではなく、つるっとした感じの丸みのある小石のような状態です。
市場に出回るサファイアの多くは、色を改善する為に「熱処理」が行われています。この処理についてはまた改めて書いていきたいと思いますが、研摩以外に人的な処理が何もされてないものは「非加熱サファイア」と呼ばれ、その希少性からも加熱されたものと比べ値段が高くなります。特にカラット(重さ、サイズ)の大きいものはさらに希少です。
私は原石で1〜3カラットほどのサファイアを買付け、それを研摩するのですが、もとの形が平べったい小石のような形の為、きちんとしたプロポーションのカットを望めば、研摩後は原石の35〜50パーセントになってしまいます。主な色は青、ピンク、黄色で、中には紫、パパラチアか?と思われるようなオレンジがかったピンク、無色のものもあります。原石のままでも美しいのですが、そのままではスリランカ国外持ち出しが禁止されています。形を変えず、磨いただけのものはジュエリーに加工したものであれば国外に出すことが可能です。何とか原石に近い形で、その魅力を伝えることができないか?そんなジュエリー政策も考えています。
◇ ご案内
- 現在、日本へ一時帰国(8月20日頃まで)しております。
スリランカの非加熱サファイアや半貴石のルースを取り揃えております。
興味ある方はメールを下さい。→ shinko@globalreach.co.jp
(宝石やスリランカの状況など、どうぞお気軽にお問い合わせください。)
また、スリランカの宝石について、宝石学的視点や宝石の産地の話を交え親しみやすくお話します。アートセラピストの彩香さんの(東京・神楽坂)イベントで、私が宝石の話しをさせて頂くことになりました。ぜひ、ご興味がありましたらご参加ください!! - 7月26日・午後2時より5時まで
イベント詳細
片山新子(かたやま しんこ) FGA
個人の楽天ブログ「スリランカ宝石留学物語」
個人WEB「Ragems」