カナダ、ノースウェスト準州にあるダイアモンド研磨会社、アースラニアン カッティング ワークス社(Arslanian Cutting Works)が低迷するダイアモンド市場に抗しきれず、倒産の瀬戸際に立たされている。
同社のマネージャー、ロバート・バイス氏は、カナダの国営放送CBCに次のように語っている。
「我が社は最悪の状況にある。不況の影響で小売店からは従来のような発注が 止まったために仕入れに費やした手元資金は回収できず、既に52人を解雇した ものの事業を継続する現金が底をついてしまった。解雇した従業員を復職させ て事業を継続するには、おそらく1千万ドルほど必要だろう。」
2000年に操業したアースラニアン カッティング ワークス社はピーク時には月間4,000キャラットを生産していた。
関連
アースラニアン カッティング ワークス買収される (2004/7/5)
カナダ産ダイヤモンドの最新事情
スリランカは日本の北海道くらいの大きさの島国です。
熱帯性気候で一年を通して暖かく季節は雨季と乾季にわかれます。
5月から8月にかけては島の南西から南、中央、西にかけての範囲が雨季になり、10月から1月にかけては北東から入り込んだモンスーンで西部や北部が雨季になります。つまり同時期に島の右と左で気候が違ってきます。島の中央の山岳地帯は紅茶が広く栽培されていますが、気温が低く、夜になると冬のように冷え込みます。

その中央を中心に東部から南西部にかけた地域はHighland Southwestern complexと呼ばれ、
中央から南は様々な種類の宝石が採掘される場所となっています。
今回は、山岳地帯を中心に宝石採掘現場を見学に行きました。

スリランカは昔ながらのピット(pits)方式(井戸のように縦穴に掘っていく)が主流ですが、広大な場所では大規模に機械を入れて20〜30メートルほど掘っていく方法が取られています。砂利や粘土層を掘っていき宝石層に辿り着きますます。コランダム、スピネル、ガーネット、クリソベリルが採掘されます。

スリランカのサファイアやスピネルは二次鉱床の漂砂鉱床で、結晶の形を失った小石のような状態で発見されます。川底を掘り下げる方法もされていますが、採掘される宝石は小さいものが多いです。環境破壊の観点から川の採掘は禁止されています。
片山新子(かたやま しんこ)、FGA
個人の楽天ブログ「スリランカ宝石留学物語」http://plaza.rakuten.co.jp/gemgasuki
(↑採掘現場のエピソードなども書いています。)
昨日の朝、銀座5丁目を歩いた方は長蛇の列を見て何事かと驚いたに違いない。
モーブッサンが先着5千人に配布した0.1ctのダイアモンドを手に入れようと並んだ人々だ。
以下余談。
江の島でエスカレーター(エスカーという名称。江の島の頂上まで登るのが大変な人が利用する。有料)に乗ると、乗り場で“抽選券”なるチケットを配っていた時期がある。
ある日の江の島で“抽選券”をもらってエスカーに乗った。
頂上でエスカーを下りると抽選券を確認に来た別の係の人が、
「おめでとうございます!当選です!」
と大きな声をあげ、1ct位ある、今にして思えばキュービックジルコニアと思われるラウンド ブリリアントの裸石が入った5cm四方程度の台紙入りの透明な袋を見せてくれた。
こちらは狐につままれたような気分でいるが、反射的に袋を手に取ろうとした。すると、そのタイミングを見計らったように「さぁ、こちらへどうぞ」と袋はスルスルと少し離れたところに用意された机と椅子の方へと移動していって、手に出来ない。こちらは目の前にぶら下げられた人参を追う馬よろしく椅子の方へとフラフラと近づく羽目になった。
椅子に到着するまでに聞いた係の人の話によると、この“宝石”は無料でプレゼント
するが、身に着けられるようにするための加工賃が必要だ。僅かな加工賃でこの素晴
らしい“宝石”を無料で手に出来るあなたはとても幸運だとの事であった。
何のことはない。キャッチセールスだった。
今の江の島でこのような事は行われていないが、これは私がまだ二十歳になるかならないかの頃だったと思うから、20年程も前の話。人生経験の少ない当時は、一歩間違えたら得した気分になって引っ掛かっていたかも知れない。
モーブッサンのダイアモンド無料配布を知った時にこの古い記憶が突然蘇ったけれどもちろん世界のモーブッサンがそのようなセコイひも付き商売をする訳もなし。純粋に配るだけであった。
このニュースはテレビでも紹介されたから、広告効果はこの日に配ったダイアモンドの仕入れ費用相当にはあったかもしれない。
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パリ、ヴァンドーム広場にあるショパール(Chopard)に強盗が押し入り、約660万ユーロ(約8億9000万円)相当のジュエリーを奪って逃走した。
犯人は50代と見られる男性1人で、ボルサリーノ・スタイルの帽子をかぶっていた。店内には顧客を装い歩いて入店し、拳銃を店員につきつけショーウィンドーにディスプレイされていた宝飾品を渡すよう要求し、受け取ると直ぐに立ち去ったという。
インターネットや雑誌でジュエリー買取の広告が増えています。地金価格が少し下がって落ち着いてきましたが、それでもバッグや時計よりも盛んな気がします。有名ブランドのバッグや時計の中古品価格が暴落したせいかも知れません。買取られたジュエリーはそのまま仕上げ直しをして再販されることもありますが、多くはつぶされて、地金は地金で売られ、中石は中石で、メレーはメレーで売られます。
中石は必要なら再研磨して、ソーティングや鑑別を取れば1ピースでも再販が可能ですが、メレーはひとつのジュエリー毎にメレーを売るという訳にはゆきません。量をまとめて販売するというかたちになります。
はずしメレーは最近研磨されたものばかりとは限りません。20年も30年も、時には50年も前に研磨されたメレーが存在します。インドの研磨技術も随分進歩しましたから20年も前のメレーはクラリティが良くてもカットが悪くて使えないものが多いのです。インドには日本から還流した古い、カットの悪いメレーが売れずにそのまま残っているそうです。
また、はずしメレーは欠けているものが多く含まれます。使ってる際に欠けたものとはずす際に欠けたものです。経験的に言うと、彫り留されたメレーははずすと1割以上の石が欠けて戻ってきます。
それだけではありません。はずしメレーの中にはキュービックのメレーが結構混じっています。ダイヤの中からキュービックを選り分けるのは簡単だろうと思われるかも知れませんが、小さいメレーではルーペで見ただけでは判断がつかないケースもあります。最終的には機械に頼るのですが、この機械はキュービックが混じっているかどうかは判断できますが、どのピースか特定できないというものなので、キュービックを取り出すのはとても時間がかかります。
というわけで、1個石のダイヤは、はずし石でも新しくカットされたダイヤとほぼ同じ価格で再販が可能ですが、メレーは数分の1の価格になります。それでも色々問題を抱えていますので、リフォームなどで使用する際には慎重に対応する必要があります。
佐野 良彦
メレ ダイアモンドはこちらで購入出来ます(サノ・トレーディング取扱い)
今日は宝石の話ではないのですが、スリランカにとって歴史的に大切な日なので、その話を書きます。
これまでこの国にとって、「平和」とは絵に描いた餅のようなものでした。
今年に入り政府は大規模な戦闘を北部・東部で行い、ついに今月16日、反政府武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)を制圧したという勝利宣言をしました。
多くの避難していた一般人が巻き込まれ、そのような政府のやり方に国際社会からも批判が出ていました。話合いによる「平和協定」より、徹底的に相手を壊滅させる選択を政府は選んだのです。その結果、LTTEは壊滅状態で敗北を宣言しました。コロンボ市内でも17日の日曜日の朝は、街の至るところで終戦を祝う爆竹が鳴り響きました。
スリランカには、仏教を信仰する多数のシンハラ人、ヒンドゥー教を信仰する少数民族のタミール人、そしてモスリムの人たちが住んでいます。宝石ビジネスの多くはモスリムで、その次にシンハラ人です。(そう言えばタミール人の宝石商は会ったことがないですね。)
スリランカにいるタミール人が全てLTTEを支援していたというわけではありません。多くのタミール人はLTTEのゲリラ活動に批判的でした。戦闘地から離れているコロンボでも自爆テロが繰り返され、道路閉鎖や検問、市民生活には多くの支障がありました。観光が国の重要な財源であり、ビジネスにも影響されるので、早く戦争が終わり、観光客が戻ってくることをスリランカ人は強く願ってきました。
宝石店が多く入った、国の産業事業のひとつであるワールド・トレード・センターも多くの宝石店が店を閉めている状態です。(気の毒なくらい客がいません。)LTTEは壊滅状態ですが、個人的な自爆テロの危険性はまだ指摘されています。
多民族をどう平等に扱っていくのかという多くの課題がある政府ですが、25年続いた内戦が終わり、本当の平和続くことを祈ります。
終戦を祝う為、街中に国旗が飾られています。
片山新子(かたやま しんこ)、FGA
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自らの専門知識を活かして創業をする。米国に比べて会社員・公務員志向の強い日本でも、終身雇用制度や年功序列の給与水準の保証が崩れつつある昨今、そんな気概を持ってチャレンジをする方々が増えている事は、各種資格講座の受講者が増加している現状にも現れているようだ。
ジュエリー業界で国際的に通用する資格といえばGG(ジージー)※だが、その資格(公的資格では無いが事実上、宝石の専門家資格として認知されている)・知識を活かして創業を果たしたのが、昨日20日にオープンをしたダイアモンド裸石販売のPLOTTING.JP(プロッティング・ドット・ジェーピー)だ。
オーナーの河村氏はGGの資格取得を通じて得たダイアモンド グレーディング技術を活かし、自らの目で選び抜いたダイアモンドを買付けている。
今月末までに会員登録をすると、1000円分の買い物に使えるポイントをプレゼントするキャンペーンを実施中。
ダイアモンドの値段は相場によって変動するそうだが、現在は次のようなダイアモンドが販売されている。
全てAGT又は中央宝石研究所のソーティング済み
◆0.353ct カラー:I / クラリティ:SI-1 / カット:Good → 20,650円 ※
◆0.338ct カラー:H / クラリティ:VS-2 / カット:Good → 32,960円
◆0.304ct カラー:D / クラリティ:VS-1 / カット:Excellent H&C → 59,280円
販売されているダイアモンドの特徴は、全て図示(プロット)されており、ウェブページで確認できる。
販売システムはジュエリー専門の電子商店街、ジェムランドが提供。ジェムランド加盟店は専門知識がなくても直ぐネットショップを開業することができる。資料は以下のページより請求可能。
http://www.gem-land.com/forms/get_brochure.shtml
※鑑定書(グレーディング・レポート)は別途3,000円で添付可能。
PLOTTING.JP のホームページ
これからジュエリービジネスをとお考えの方
本格参入したけれど、どうも上手くいかない
ビジネスの壁に突き当たっている方のための
ジュエリー・ビジネス・トレーニング
[初級講座]第2回:マーケティング概論(2)
何故マーケティングを学ぶのか
マーケティングについておおよそのフレームは掴んで頂けたかと思います。では何故マーケティングを学ぶのかという事についてお話しします。
恐らく宝飾品業界の第3世代(55歳以上の経者)以上の人たちは、マーケティングは商売の邪魔にこそなれ、売上や利益に繋がらないと思っている人が多いのではないかと思います。それは今まで自分たちの経験と勘で充分にやってきた実績があるからなのです。
1980年以降宝飾品業界は右肩上がりに成長し1990年には2兆8千億円といういまだかつてない大きな市場を作り出しました。私もそうですが、このとき誰もが5兆円市場になると信じて疑わなかったのです。80年代から90年にかけて、自分たちの作るジュエリーは面白いように売れました。
しかし1992年に起きたバブル崩壊は、一瞬のうちに宝飾品業界を奈落の底へたたき落としたのです。それから16年、2008年9月に起こったアメリカの金融恐慌(リーマンショック)は宝飾品業界に更に追い討ちをかけました。それまで何と凌いでやっと光明がみえ出したと思ったら、更に厳しい現実が待っていました。
この年、小売店大手の「ベリテ」がM&Aによりインドのダイヤモンド企業デジコグループの傘下に入りました。そして「田崎真珠」がファンド会社にゆだねられ、さらには一世を風靡した「ジュエリーマキ」が会社更生法の適用を受けたのです。
こうした状況の中で、宝飾品業界がいつ頃好転するのかは誰もはっきりとはいえませんが、恐らく3-5年は不況が続くだろうと見ています。また少なくともこの業界が好転したとき、相変わらず海外の一流ブランドとインド、中国を核とする低価格帯の挟まれた日本の宝飾品業界の体質は、このままでは何も変わらないだろうと思います。そして複合化してきた社会と多様化した消費者・個客のニーズやウォンツに応えるためには、より具体的で実践的なマーケティングが必要になるというわけです。
マーケティングのトライアングルを知ろう
皆さんがG.Gの資格を取りデザインを学びジュエリーに仕上げます。そしてそのジュエリーを消費者・個客のもとに届けるためには流通や価格、宣伝広告などを知り、活用しなければ的確に届きません。図のようにPRODUCT(商品)とPLACE(販売)とPROMOTION(宣伝広告)の3つのPが歯車のように円滑に噛み合なければ効果が発揮できません。これがマーケティングなのです。

図にもあるように商品と販売をつなぐ役目が「Conceptual field(コンセプチュアルフィールド)」です。これはいってみれば潤滑油の役目を果たします。ただ単にモノを作れば良いというわけではなく、的確に消費者・個客に商品を伝達するためには、商品の特徴や目的などの「コンセプト」が必要になってきます。
販売と宣伝広告を結びつける潤滑油は「Design/Idea field(デザイン・アイデアフィールド)」です。これは消費者・個客に商品の良いイメージを伝えなければなりません。広告やカタログ、パッケージなどに、競合他社の商品と差別化を図るデザインやアイデアの工夫が求められます。
商品と宣伝広告を結びつける潤滑油は「Communication field(コミュニケーションフィールド)」です。ここでは消費者・個客に対して正しい商品知識と情報を伝達するためのし掛け作りのようなものです。
増渕邦治(ますぶち くにはる)
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明治15年に創業した老舗ダイアモンド商、株式会社サノ・トレーディング(台東区、佐野良彦社長)がダイアモンド1個石のネット販売を平成21年4月9日より開始した。販売するダイアモンドは0.1ct台から2キャラットまでで、総数569石。全てAGT、中央宝石研究所、あるいは全国宝石学協会などのソーティング済み。
オープニング特典として5月8日まで会員登録すると800円分のポイントをプレゼ
ントすると共に、買い物時に貯まるポイントも3%パーセント付与している。
従来から行っていたメレーのネット販売も1個石用に導入したシステムに統合して継続する。
システムの開発は有限会社フクモト・ロジスティック・システム※。
※有限会社フクモト・ロジスティック・システム
当サイト運営会社。ネット販売で成果が上がっていない、あるいは新規参入をご検討の場合、お問い合せ下さい。 info@gem-land.com
▼サノ・トレーディングのダイアモンド裸石販売サイト
http://ec.melee-bank.com
世界同時不況の影響をダイヤモンド業界も大きく受けています。1個石を見てみると大きい石、グレードの好い石の価格は昨年秋から急落しました。1ct、2ctの高品質のダイヤの価格は2009年に入っても下がり続けています。世界不況はまだまだ続きそうですから、当分の間キャラアップの高品質のダイヤの値上がりは難しいと思われます。同じキャラアップでもSI,ピケに関してはそこそこ需要があり、価格は下げ止まっています。
今、ダイヤモンドが一番売れているのは中国とインドです。リーマン・ショックで落ちた需要がかなり戻りました。ベトナムも回復しつつあります。売れ筋は2分から5分のG-JカラーのVVS1~VS1、カットはエクセレントからフェアまで広いレンジです。ポインターのSIクラス、キャラアップのH~Kカラー、VSクラスも一定の需要があります。
最近はダイヤモンド価格の国際化を痛感します。日本国内のものでも国際的に安いダイヤはすぐ買い手がついて海外に輸出されることが増えたせいでしょう。価格的に上がりそうなアイテムは2分、3分のJアップVSアップ、5分までのポインターのSI,ピケクラス、キャラアップのSI,ピケ、H-K、VSクラスというところでしょうか。
ではメレーの価格はどうでしょうか? 1個石と同様にメレーの価格も昨年来かなり下落しました。しかし、これはロットの価格が下がったということで必要とするサイズ、品質のメレーが安く買えるようになったということではありません。サイズや品質の要求が細かく、シビアになるにつれてロット価格とセレクション価格の差は大きくなっていって、みんなが欲しがる品質、サイズの価格は殆ど変わりませんでした。
不況時には高品質材料が少量しか売れない現象が起こると言われます。ヘビーナッツやヘビーピケ、ダークブラウンのメレーはかなり値段を下げましたがエクセレントメークのクリーンメレーは逆に価格を上げました。
昨年末からインドのメレー生産はかなり減少しています。生産調整の意味合いもありますが、株式や不動産に投資した挙句、バブルの崩壊でキャッシュ・フローが不足している業者も多く、銀行も新規の融資には慎重ですから生産が旧に復するには時間がかかりそうです。みんなが欲しがるアイテムの価格は徐々に上がって行くのではないでしょうか。
ダイアモンドはこちらで購入出来ます(サノ・トレーディング取扱い)
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