モーブッサン、銀座でダイアモンドを無料で配る
昨日の朝、銀座5丁目を歩いた方は長蛇の列を見て何事かと驚いたに違いない。
モーブッサンが先着5千人に配布した0.1ctのダイアモンドを手に入れようと並んだ人々だ。
以下余談。
江の島でエスカレーター(エスカーという名称。江の島の頂上まで登るのが大変な人が利用する。有料)に乗ると、乗り場で“抽選券”なるチケットを配っていた時期がある。
ある日の江の島で“抽選券”をもらってエスカーに乗った。
頂上でエスカーを下りると抽選券を確認に来た別の係の人が、
「おめでとうございます!当選です!」
と大きな声をあげ、1ct位ある、今にして思えばキュービックジルコニアと思われるラウンド ブリリアントの裸石が入った5cm四方程度の台紙入りの透明な袋を見せてくれた。
こちらは狐につままれたような気分でいるが、反射的に袋を手に取ろうとした。すると、そのタイミングを見計らったように「さぁ、こちらへどうぞ」と袋はスルスルと少し離れたところに用意された机と椅子の方へと移動していって、手に出来ない。こちらは目の前にぶら下げられた人参を追う馬よろしく椅子の方へとフラフラと近づく羽目になった。
椅子に到着するまでに聞いた係の人の話によると、この“宝石”は無料でプレゼント
するが、身に着けられるようにするための加工賃が必要だ。僅かな加工賃でこの素晴
らしい“宝石”を無料で手に出来るあなたはとても幸運だとの事であった。
何のことはない。キャッチセールスだった。
今の江の島でこのような事は行われていないが、これは私がまだ二十歳になるかならないかの頃だったと思うから、20年程も前の話。人生経験の少ない当時は、一歩間違えたら得した気分になって引っ掛かっていたかも知れない。
モーブッサンのダイアモンド無料配布を知った時にこの古い記憶が突然蘇ったけれどもちろん世界のモーブッサンがそのようなセコイひも付き商売をする訳もなし。純粋に配るだけであった。
このニュースはテレビでも紹介されたから、広告効果はこの日に配ったダイアモンドの仕入れ費用相当にはあったかもしれない。