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2009/5/19 火曜日

メレバンク・カフェ(16)はずしメレーについて

Filed under: メレバンク・カフェ — 佐野 良彦 @ 7:46:05

インターネットや雑誌でジュエリー買取の広告が増えています。地金価格が少し下がって落ち着いてきましたが、それでもバッグや時計よりも盛んな気がします。有名ブランドのバッグや時計の中古品価格が暴落したせいかも知れません。買取られたジュエリーはそのまま仕上げ直しをして再販されることもありますが、多くはつぶされて、地金は地金で売られ、中石は中石で、メレーはメレーで売られます。
中石は必要なら再研磨して、ソーティングや鑑別を取れば1ピースでも再販が可能ですが、メレーはひとつのジュエリー毎にメレーを売るという訳にはゆきません。量をまとめて販売するというかたちになります。

はずしメレーは最近研磨されたものばかりとは限りません。20年も30年も、時には50年も前に研磨されたメレーが存在します。インドの研磨技術も随分進歩しましたから20年も前のメレーはクラリティが良くてもカットが悪くて使えないものが多いのです。インドには日本から還流した古い、カットの悪いメレーが売れずにそのまま残っているそうです。

また、はずしメレーは欠けているものが多く含まれます。使ってる際に欠けたものとはずす際に欠けたものです。経験的に言うと、彫り留されたメレーははずすと1割以上の石が欠けて戻ってきます。

それだけではありません。はずしメレーの中にはキュービックのメレーが結構混じっています。ダイヤの中からキュービックを選り分けるのは簡単だろうと思われるかも知れませんが、小さいメレーではルーペで見ただけでは判断がつかないケースもあります。最終的には機械に頼るのですが、この機械はキュービックが混じっているかどうかは判断できますが、どのピースか特定できないというものなので、キュービックを取り出すのはとても時間がかかります。

というわけで、1個石のダイヤは、はずし石でも新しくカットされたダイヤとほぼ同じ価格で再販が可能ですが、メレーは数分の1の価格になります。それでも色々問題を抱えていますので、リフォームなどで使用する際には慎重に対応する必要があります。

佐野 良彦

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