スリランカ宝石便り その24 〜スリランカ宝石採掘の状況(その1)〜
スリランカは日本の北海道くらいの大きさの島国です。
熱帯性気候で一年を通して暖かく季節は雨季と乾季にわかれます。
5月から8月にかけては島の南西から南、中央、西にかけての範囲が雨季になり、10月から1月にかけては北東から入り込んだモンスーンで西部や北部が雨季になります。つまり同時期に島の右と左で気候が違ってきます。島の中央の山岳地帯は紅茶が広く栽培されていますが、気温が低く、夜になると冬のように冷え込みます。
その中央を中心に東部から南西部にかけた地域はHighland Southwestern complexと呼ばれ、
中央から南は様々な種類の宝石が採掘される場所となっています。
今回は、山岳地帯を中心に宝石採掘現場を見学に行きました。
スリランカは昔ながらのピット(pits)方式(井戸のように縦穴に掘っていく)が主流ですが、広大な場所では大規模に機械を入れて20〜30メートルほど掘っていく方法が取られています。砂利や粘土層を掘っていき宝石層に辿り着きますます。コランダム、スピネル、ガーネット、クリソベリルが採掘されます。
スリランカのサファイアやスピネルは二次鉱床の漂砂鉱床で、結晶の形を失った小石のような状態で発見されます。川底を掘り下げる方法もされていますが、採掘される宝石は小さいものが多いです。環境破壊の観点から川の採掘は禁止されています。
片山新子(かたやま しんこ)、FGA
個人の楽天ブログ「スリランカ宝石留学物語」http://plaza.rakuten.co.jp/gemgasuki
(↑採掘現場のエピソードなども書いています。)