9月6日から9日までスリランカ、コロンボで「第18回スリランカ国際、宝石・宝飾展覧会」(Facets Sri Lanka 2008)が開催されました(写真右がオープニングセレモニーの様子)。スリランカの宝石業界最大の展示会であるこのショーは毎年9月上旬に開催されます。「インターナショナル」とされていますが、治安の悪化で、海外から出席される宝石関係の方々が少なく残念です。それでも今年は中国から10名ほどの視察団が訪れ、またミャンマーからも7業者がミャンマー産の美しい宝石や宝飾品を販売しておりました。中国は中産階級人口の増加で、宝石ニーズも高い国です。スリランカとしても中国へのビジネスの展開、また豊富な宝石が産出されるアフリカ、マダガスカルやタンザニアとの協力を視野に入れているようです。開会式で投資開発大臣(Minister of Enterprice Development&Investment Promotions)のスピーチでもその点を強調されており、「まずは自分たちが豊かになり、国全体が豊かになることで貧困層を撲滅させよう」とおっしゃっていました。あらためて、「あぁ、この国は発展途上国だったのだな〜」と感じました。こちらで生活していると、想像を超える金持ちや物乞いのいる状態をあたり前のように感じてしまいます。大臣のおっしゃる通り、この国から産出された宝石で、一部の人間だけでなく、富が全体に行渡る日(福祉の充実、雇用拡大、正当な賃金など)がくればいいと思いました。(←その前に今の物価の高騰を何とかしてほしいと一般市民は思っていると思いますが、ちょっと話が宝石からずれてしまいましたね。)
今年の「宝石展覧会」は111のブースが参加しています(写真左は会場内の様子。写真右下は出展業者)。コロンボ以外の地方の宝石業者の参加も多いため、見る側としてはいろいろなレベルの宝石や値段を一同に比べることが出来ます。また店ごとに特徴があり、10カラットを超えるサファイアやキャッツアイといった高級宝石を扱っている店や、クオーツやトパーズなど比較的値段が手頃な宝石、希少石を扱う店、ゴールドジュエリー、シルバージュエリーなど年々規模は大きくなっているようです。またこの期間中しか一般販売はしないとされている、ダイアモンドの販売もあります。

私が興味深かったところは、コランダム(おもにブルーサファイア)の加熱技術を説明しているブースです。加熱業者がその技術を説明する場所があるのは何ともスリランカらしいと思いました。



写真下から3番目:.主にルースの状態で販売されている様子。
写真下から2番目:ジュエリーを販売するコーナーの様子
写真一番下:加熱処理される前とされた後のサファイア
片山新子(かたやま しんこ) FGA
個人の楽天ブログ「スリランカ宝石留学物語」
個人WEB「Ragems」
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米国のブッシュ大統領がミャンマー制裁強化法案に署名した。これにより、ルビーや翡翠といった同国産のアメリカへの輸入が全面的に禁止される他、軍事政権の資金源となってい宝石を取り扱う会社や、ミャンマー鉱業省が所有する採掘業者のアメリカ国内の資産が凍結されることとなった。
ミャンマーからの宝石の直接輸入は従来から禁止されていたが、この法案の成立により第三国経由の米国への輸入も禁止されることとなる。既に米財務省などは7月29日より制裁を開始している。
ミャンマーは高品質なヒスイを商業ベースで産する世界で唯一の国であり、また最高品質のルビーを産するモゴク(モゴック)地区、及びコマーシャル・クオリティのルビーを大量に産するモンスー地区を擁する。
※写真はミャンマー・モンスーで産出され、ペア・シェープにファセット加工されたルビー
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7月にこのブログで報告したコーティング処理が施されたタンザナイトについて、AGTジェムラボラトリーが「コーティング タンザナイトの顕微鏡観察鑑別」として速報した。
鮮明な写真付きなので見やすい。顕微鏡写真だが、ルーペでも十分確認できるコーティング処理の特徴が記されている。
AGTジェムラボラトリー: コーティング タンザナイトの顕微鏡観察鑑別
GIAの発表した業界分析によると、原油高による採掘コストの上昇によって採算割れとなり、生産を停止する色石鉱山が増加している。
スリランカ、ミャンマー、ブラジルなどに操業を停止した鉱山が目立ち、色石の集散地として有力なタイのチャンタブリには持ち込まれるルビー、サファイアの減少が著しいという。
特にミャンマーではサイクロンの影響も重なり、同国より持ち出される高品質のルビー、サファイアの量が少なく、値段が高い。
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前回はスリランカの宝石産地について書きましたが、主にサファイアなどが採掘されるのは漂砂鉱床です。長い年月にわたり風雨や洪水などにもまれた結果、サファイアの結晶は三方晶系の形を失い、まるで小石のような状態で発見されます。同じ場所で採掘されるスピネルの結晶も等軸晶系ではなく、つるっとした感じの丸みのある小石のような状態です。
市場に出回るサファイアの多くは、色を改善する為に「熱処理」が行われています。この処理についてはまた改めて書いていきたいと思いますが、研摩以外に人的な処理が何もされてないものは「非加熱サファイア」と呼ばれ、その希少性からも加熱されたものと比べ値段が高くなります。特にカラット(重さ、サイズ)の大きいものはさらに希少です。
私は原石で1〜3カラットほどのサファイアを買付け、それを研摩するのですが、もとの形が平べったい小石のような形の為、きちんとしたプロポーションのカットを望めば、研摩後は原石の35〜50パーセントになってしまいます。主な色は青、ピンク、黄色で、中には紫、パパラチアか?と思われるようなオレンジがかったピンク、無色のものもあります。原石のままでも美しいのですが、そのままではスリランカ国外持ち出しが禁止されています。形を変えず、磨いただけのものはジュエリーに加工したものであれば国外に出すことが可能です。何とか原石に近い形で、その魅力を伝えることができないか?そんなジュエリー政策も考えています。
◇ ご案内
- 現在、日本へ一時帰国(8月20日頃まで)しております。
スリランカの非加熱サファイアや半貴石のルースを取り揃えております。
興味ある方はメールを下さい。→ shinko@globalreach.co.jp
(宝石やスリランカの状況など、どうぞお気軽にお問い合わせください。)
また、スリランカの宝石について、宝石学的視点や宝石の産地の話を交え親しみやすくお話します。アートセラピストの彩香さんの(東京・神楽坂)イベントで、私が宝石の話しをさせて頂くことになりました。ぜひ、ご興味がありましたらご参加ください!!
- 7月26日・午後2時より5時まで
イベント詳細
片山新子(かたやま しんこ) FGA
個人の楽天ブログ「スリランカ宝石留学物語」
個人WEB「Ragems」
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偽ティファニー・ブランドのジュエリー販売を許していたとして、ネット オークション米最大手のeBayが商標権侵害でティファニーに訴えられ、米連邦裁判所で審議されていた裁判の判決が14日(2008年7月14日(日本時間15日))言い渡された。
判決によると、eBayは既に偽ブランド対策を実施しており、eBayの責任はないとしてティファニーの訴えは退けられた。
eBayは先月(2008年6月))フランスの裁判所より、ルイ・ヴィトンなどの偽物販売を仲介しているとして60億円余りをLVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンに支払うよう命じられている。今回の米連邦裁の判決はeBayにとって朗報だろう。
CNNオンラインなどが報じた。
Nature誌の7月10日号に掲載された論文で、ブラウン大学のアルベルト サール氏らの研究者グループは、米航空宇宙局(NASA)が1969年のアポロ計画の際に採取した火山活動に起因するガラス(写真右)を分析し、内部に含まれる揮発性成分の存在と、月内部には水や二酸化酸素が存在すると考えられると述べた。
従来、月は過去に晒された高熱により水素をはじめとする軽元素は存在しなくなったと考えられていた。
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GIA同窓会の日本支部(GIA AAJ)がジュエリーデザインコンテストの作品を募集している。
応募作品はジャパン ジュエリー フェア 2008(JJF)のJJF特別イベントゾーンにて8月28日に開催されるAAJパーティー会場にて来場者の投票と審査員による審査を経て各賞が決定される。
第2回 GIA AAJジュエリーデザインコンテスト2008 <応募規定>
1.応募資格 応募者は国内在住であり、作品は国内外未発表作であること。
2.応募方法
- デザイン画はA4サイズ(21.0cm x 29.7cm)のイラストレーションボードを使用のこと。
※ただし薄紙でもイラストレーションボードに貼り付けてあるものは可。
- 原則として原寸で描く。
- 手描きであること。
- 着彩すること(色鉛筆、水彩絵の具etc自由)。
- テーマ、アイテム自由。
- 未発表オリジナルデザインであること
- 規定の申込書と解説用紙(一作品一枚)に必要事項を記入の上、書留郵便もしくは宅急便にて下記の宛先まで送付のこと。 (申込書はこちら)
※規定に外れる作品は審査対象外といたします。
※作品は何点でも応募できます。
3.応募作品の受付・締切
平成20年8月18日(火) 必着
〒110-0005 東京都台東区上野5-15-14御徒町CYビル3F
GIA AAJデザイン コンテスト 係まで
TEL:03-3839-8234
※持参する場合はかならず事務局までご連絡のうえ、お持ち下さい。
4.審査・審査日
- 平成20年8月28日JJF特別イベントゾーンにて開催されるAAJパーティー会場にて来場者の投票と審査員による審査をもって各賞を決定します。
なお発表及び表彰式は同日同会場にて午後5時30分ごろに行われます。
5.作品の版権
- 作品の著作権は応募者に帰属しますが、作品の写真・印刷物などはGIA AAJに帰属し、使用させて頂きます。
- 主催者であるGIA AAJは宣伝広報のために、応募作品の撮影、解説、掲載等を行うことが出来ます。
6.賞
- 受賞者には賞品が授与されます。
最優秀賞 1名 JTBギフト券2万円分 優秀賞 2名 JTBギフト券1万円分
特選 2名 JTBギフト券5千円分 特別賞 5名 JTBギフト券3千円分
※応募者全員に参加賞をご用意いたします。
7.作品の返却
- 作品の返却に関しては、AAJパーティー会場でのコンテスト終了後、直接渡しにてご返却いたします。お手数ですが本人確認のために身分証明書(運転免許証、健康保険証などフルネームを確認できるもの)をご持参ください。
取りに来られない方で返却希望の作品は、実費(宅配便の着払い)にて個々に返送いたします。
なお入賞作品はAAJレポート掲載の都合上、後日宅配便(着払い)にて返送させていただきます。
取りに来られる場合は、必ず事務局までご連絡の上、9月16日から29日の間にお越し下さい。
返却希望の無い場合は、作品の管理はAAJに一任させていただきます。
8.個人情報保護
- 出品申込にご記入頂いた情報は、主催者からの各種連絡、情報提供のため、利用します。
個人情報を応募者の同意なしに第3者に開示・提供する事はありません。
(法令などにより開示を求められた場合は除きます)
9.主催
GIA AAJ(GIA Alumni Association of Japan : GIA同窓会日本支部)
〒110-0005 東京都台東区上野5-15-14 御徒町CYビル3F GIA JAPAN内
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ミキモトが、創業者・御木本幸吉生誕150年を記念し「人と真珠」をテーマに、人と真珠が織りなす幸せあふれる写真作品を募集している。
募集の締切は7月31日まで。
▼応募の詳細
- テーマ :「人と真珠」
- 応募資格 : なし(海外在住者、プロ応募可能)
- 写真サイズ : タテ・ヨコ問わず 2Lサイズ/1MB以内
- 点数制限 : なし
- 郵送での応募方法
こちらの応募フォームを印刷の上、作品見本(2Lサイズ)に添えて下記の応募事務局へ郵送。
作品見本には上下の判別が分かるよう、プリントの裏に「上」「下」と印を付けること。
< 送付先>
〒104-8238 東京都中央区銀座5-15-1 SP605
写真展「PEARLS,365DAYS」応募事務局 宛
※2008年7月31日(木) 当日消印有効
複数応募の場合には、作品ごとに応募フォームを記入すること。またどの作品がどの応募フォームか分かるようにすること。
6. メールで応募する場合
メール本文に必要事項を記入し、1MB以内の作品データ(選考用※)を添付して下記のメールアドレスに送信。複数応募の場合には、1件のメールにつき1作品で応募する。
※作品データ:受賞した場合の提出データは、RGBカラーモードのjpg画像データとし、1ファイルのデータ量の目安は3〜5MB。
< 送付先>
写真展「PEARLS,365DAYS」応募事務局
photo@mikimoto150.com
※2008年7月31日(木)18時に受領のメールまで有効
< 必要事項>
作品タイトル/お名前・フリガナ/住所/年齢/職業/日中連絡が取れる電話番号/
作品に対するコメント
※ 受賞した場合には、データまたはポジの提出を求められることがある。
御木本幸吉生誕150年記念 写真展 公式サイト
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2008年5月よりコーティング処理タンザナイトが増加している事に対応し、大手鑑別機関のひとつIGI(International Gemological Institute:インターナショナルジェモロジカル インスティチュート )が当該処理タンザナイトの簡易鑑別サービスを開始すると発表した。
サービス料金は10石単位で50ドル(1石5ドル)。10石未満の場合でも50ドル。石の大きさは問わない。
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