ジュエリーブログ,ニュース / ジェムランド

2009/3/14 土曜日

ジュエリー・ビジネス・トレーニング[初級講座]第1回:マーケティング概論(1)

Filed under: ジュエリー・ビジネス・トレーニング — Masubuchi @ 9:52:56

これからジュエリービジネスをとお考えの方
本格参入したけれど、どうも上手くいかない
ビジネスの壁に突き当たっている方のための

ジュエリー・ビジネス・トレーニング
[初級講座]

第1回:マーケティング概論(1)

 皆さんは宝飾品業界に入られて、デザインや加工、鑑別、販売など様々な分野について、実践で活躍されている訳ですが、これらの項目に流通や企画開発、宣伝広告などの要素を加えた「マーケティング」についてお話をします。マーケティングとは何か、何故マーケティングを学ぶのかというところから始めたいと思います。
 日本の宝飾品業界は長い間、先輩たちの「経験と勘」で宝飾品を販売してきました。またそれぞれの企業規模が小さい事もあり、マーケティングの概念はそれほど必要としませんでした。特に1980年代から90年代にかけて、急激に右肩上がりの成長を遂げた宝飾品業界は作れば売れたというバブルを経験してしまった事が或る意味で致命的でした。
 しかし92年以降急激に縮小する市場環境や海外ブランドの参入、インド中国の進出など厳しい競争力の時代に入りました。自分たちが良いモノを作れば良いという発想でものを作れば売れた時代は終わったのです。そうすると今までの手法では役に立たない部分が多くなってきました。しかしながら今でも多くの経営者は宝飾品にマーケティングはいらないといいます。でもマーケティングとは皆さんが日頃やっている仕事、販売そのものなのです。

マーケティングとは何か

 マーケティングとは「店(企業)が商品やサービスを消費者(個客)に的確に伝達し、利益を上げる仕組みと仕掛けを作り、実践し、成果を上げる事」と私なりに定義しています。バブルがはじけて16年になりますが、いまだに不況という長いトンネルを抜け出せないでいる宝飾品業界にあって、マーケティングという概念を導入してこなかったために、現在のような状況にあるといっても過言ではないでしょう。
 マーケティングは突き詰めていえば「利潤追求」です。儲ける事です。儲けるのは二の次だという人がいればそれは一種の詭弁になるでしょう。儲ける為の仕組みや仕掛けを上手に作り上げ実践する事、そして成果を出す事がマーケティングの本質なのです。

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 図をご覧下さい。マーケティングはメーカーがモノを作りそれを販売する戦略の「マーケティング」と流通・小売業がモノを陳列し販売する戦略の「マーチャンダイジング」から成り立っています。
流通・小売業がメーカーの作る商品を仕入れて販売するだけではなく、自らが独自の商品(PB=プライベートブランド)を開発する事が盛んに行われるようになったことにより、流通・小売業もメーカーのようなマーケティングの概念が必要になってきました。
 販売する側の商品とサービスを的確に個客・消費者に伝達するために、CRMマーケティングを推奨していますがその中でも特に重要なものが個客識別と学習関係です。

増渕邦治(ますぶち くにはる)

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増渕邦治(ますぶち くにはる)

増渕邦治武蔵野美術大学産業デザイン学部商業デザイン学科卒業後、銀座ミキモトで雑誌広告やカレンダーなどのアートディレクション、ブランディング、催事企画などに携わる。

1992年に独立後は、宝飾品業界のメーカー、小売店のコンサルティングや商品開発、ブランディングのプロデュースを手掛ける。また甲府の宝石美術専門学校で2011年までマーケティングを講義。

講演・セミナー多数。

H21年春よりジェムランドジュエリー・ビジネス・トレーニング[初級講座]連載中。

Japan Premium Project代表。
ジュエリー研究グループAZClub(エージークラブ代表)  

http://www.buchi.jp/  
連絡先mail : kuni@buchi.jp

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2009/1/14 水曜日

アメリカ出張時には注意:電子渡航認証システム始まる

Filed under: ジュエリーニュース, 海外ジュエリー事情 — ジェムランドeditor @ 6:00:02

今年1月12日よりアメリカ合衆国にて電子渡航認証システム(Electronic System for Travel Authorization:ESTA)が本格的に導入された。この制度は、査証(ビザ)を持たずにアメリカを短期滞在(90日以内)目的で訪れる場合、住所や氏名などを事前にオンラインで届け出て、認証を受けるというもの。ジュエリー業界従事者は、仕入れ、視察などでアメリカに行く機会も多いだろうから注意が必要だ。

以下に電子渡航認証システム(ESTA)のポイントを挙げた。

br_point.gif電子渡航認証システム(ESTA)が適用される日本人は誰?

査証(ビザ)を持たずに短期滞在目的で飛行機を使ってアメリカを訪れる日本人。

米国において乗り継ぎするをケースでも提供される。

従って、米国に行く大多数の日本人が影響を受ける。

日本人は観光や短期商用などで90日以内の短期滞在目的で米国を訪問する場合に査証(ビザ)が免除されています。ESTA導入後もこれは変わらないが、事前に認証を受けていないとアメリカ行きの航空機への搭乗や米国入国を拒否されるとされている。

br_point.gif電子渡航認証システム(ESTA)が適用されない日本人は誰?

留学や就労なども目的で、査証(ビザ)を取得している日本人。

往復共に陸路でアメリカに出入国する場合。例えば、カナダのバンクーバーに滞在する日本人がアメリカのシアトルまで往復共に車を用いて出入国する場合には適用されない。ただし、片道だけでも飛行機や船舶を利用する場合には適用される。

陸路でアメリカに行く場合は、従来どおり、入国の際にI-94/I-94W(出入国記録カード)に記入することになる。

br_point.gif電子渡航認証システム(ESTA)は、いつまでに申請すれば良いか?

アメリカ当局は渡航72時間前までの申請を勧めている。現時点では、成田空港の日本航空と全日本空輸のカウンター近くに申請用のパソコンが用意されている。

申請に対する認証は通常即座になされる。、もしその場での回答が保留された場合は、72時間以内に回答される。

認証が拒否された場合は、アメリカ大使館や総領事館に査証を申請する必要がある。

br_point.gif電子渡航認証システム(ESTA)の申請方法

専用のウェブサイトから行う。「日本語」を選択すると、日本語で記された説明で設問に答えることができる。ただし、入力自体は英語(ローマ字)で行う。入力する内容は、姓名、生年月日、性別、電子メールアドレス、国籍のある国、居住国、電話番号、パスポート番号、登場する都市名、利用する航空会社名、便名、米国滞在中の住所。他に「アメリカで働くつもりか」、「テロリスト活動に関わったことがあるか」といった設問に「Yes(はい)」、「No(いいえ)」で答える。代理人(家族や旅行会社)による申請も可能。

br_point.gif電子渡航認証システム(ESTA)の申請費用無料。ただし、旅行会社などに申請を依頼した場合には、申請者と旅行会社などの間で締結された契約に基づく申請代行手数料が発生するかも知れない。

無許可の第三者が模倣ウェブサイトを立ちあげて、情報提供料や申請手数料をとっている例があるので注意が必要だ。

br_point.gif毎月1回米国に行く場合、毎回ESTAの申請が必要か?

現時点では、電子渡航認証システム(ESTA)は一度申請すると2年間有効。その間は毎回申請すること無く渡航できる。ただし、2年以内にパスポートの有効期限がくる場合には、有効なのはパスポートの有効期限まで。

p_point.gif他、在日米国大使館のウェブサイトで日本語で電子渡航認証システム(ESTA)に関する情報が公開されている。

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