イギリスのスタフォードシャー州で発掘作業を続ける考古学者チームは2009年9月末、ガーネットが留められた装飾品を発見したと発表した。
これは剣のさやを飾る装飾品で、アングロサクソン時代の金の財宝群として過去最大の発見(本年7月)となった遺跡、The Staffordshire Hoard(スタフォードシャーの財宝) に含まれていた。制作年代は西暦7,8世紀で、アングロサクソン七王国のひとつ、マーシア王国の財宝だと推定されている。
この遺跡からは今回発表されたガーネットをはめた装飾品の他にも1,500以上の品々が見つかっている。ほとんどが武具で、金製も含まれる。
11月3日より大英博物館にて陳列される。
以下のサイトには発見された金製装飾品を多く見ることができる。http://www.staffordshirehoard.org.uk/
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Nature誌の7月10日号に掲載された論文で、ブラウン大学のアルベルト サール氏らの研究者グループは、米航空宇宙局(NASA)が1969年のアポロ計画の際に採取した火山活動に起因するガラス(写真右)を分析し、内部に含まれる揮発性成分の存在と、月内部には水や二酸化酸素が存在すると考えられると述べた。
従来、月は過去に晒された高熱により水素をはじめとする軽元素は存在しなくなったと考えられていた。
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米子市教育文化事業団は、珍しいX字をした勾玉(まがたま)を米子市博労町(ばくろうまち)遺跡で発掘したと発表した。同時に出土した土器などから、古墳時代前期(四世紀頃)の作と推定した。
大きさは縦21mm、横26mm、厚さ8mmでタルク(滑石)製。
宝石学の世界でタルクはモース硬度1の標準鉱物として知られているが、それ以外では馴染みがないとお考えかも知れない。しかし加工しやすい硬度の低さを利用し、工芸に用いられる例も多い。例えばカナダ先住民はタルクの集合体であるソープストーンを全体に丸みを帯びたデザインで動物などに彫刻しており、カナダの土産物店を訪ねたことのある人ならば、かなり高い確率で眼にしているはずだ。
人が最初に身に着けた装身具のひとつは動物の牙であったとされる。強い動物の牙を身に着けることで動物の力を自らに宿し、魔除けにする意味もあったのではないかと考えられている。勾玉の柔らかな弧を描いた形状は、動物の牙が元になったとうい説がある。あるいは胎内にいる胎児の形を表すともいわれる。
勾玉は、古書に曲玉と記載されている例もある。
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