スリランカからの宝石便り 〜その11〜 ムーンストーン
宝石学的に言えば、ムーンストーンは長石(英語名Feldspar)に分類されます。長石の化学組成はカリウムとアルミニウム珪酸塩で地球上の造岩鉱物の中でも一般的です。この長石の中でもスリランカで豊富に産出されるのはムーンストーンです。特に青い光が表面に浮かぶシラーは、まるで、本当に月から来た宝石なのではないかと不思議に感じます。
この青いシラーは学術的にはアドゥラレセンス(Adularescence)と呼ばれ、その光の仕組みはレイリー散乱(空がどうして私たちには青く見えるのか?)と同じです。簡単に言えば、ムーンストーンはふたつのタイプの長石がサンドイッチのように互いに層をなしており、そこに入った光の干渉により青く見えまるのです。
http://plaza.rakuten.co.jp/gemgasuki/diary/200611230000/
(レイリー散乱とムーンストーンについて書いた個人ブログ)
ブルー・ムーンストーンは通常の乳白色のものと比べて値段がかなり高いです。スリランカでは産出量が減ってきていると言われています。乳白色のものの中にはキャッツアイのように白い光が目のように浮かぶものもありますがブルー・ムーンストーンに比べればかなり安いです。
残念ながら硬度が6と真珠と同じ低さですので、ジュエリーとしてはペンダントトップなどにするのが無難でしょう。普通はカボションにカットされますが、細長く大きさもあるカットが多いので、存在感のあるジュエリーになると思われます。
レインボー・ムーンストーンと呼ばれる赤や黄色、青などが浮かび上がるものがありますが、正式には透明のラブラドライトのことで、残念ながらスリランカでは産出されません。
片山新子(かたやま しんこ) FGA
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