スリランカからの宝石便り 〜その10〜 トパーズ
スリランカで産出されるトパーズの大半は無色です。稀に黄色や青、青みがかった緑が取れる場合があります。しかしその青は限りなく透明に近く、一般的に「ブルートパーズ」としてコロンボの店頭で売られているものは、無色のトパーズを照射し、更に加熱して青にしたものばかりで、おそらく海外から入ってきたものだと思います。自然界にこのような色は存在しないだろう?と思われるような青さのトパーズから、アクアマリンに似せて作ったのでは?と疑ってしまうような青まであり、値段もアクアマリンと比べて大変お手頃となっています。アクアマリンとトパーズを見分ける方法は、最初の段階ではチェルシー・カラー・フィルターを使い、色の反応(アクアマリンなら緑っぽく見え、トパーズは無色)を簡単に調べます。しかし中にはトパーズでも緑っぽく見えるものもあるので注意が必要です。また比重に関して言えば、アクアマリンは2.65から2.80、トパーズの場合は3.5から3.6とトパーズの方が重いのですが、これは多くの裸石を取り扱った経験がなければ、手で持っただけで判断するのはやはり難しいでしょう。ルーペなどで内包物を見ることも可能ですが、これも経験が必要です。
トパーズは宝石学では斜方晶系に属し、一方向に完璧な劈開(へきかい)があります。つまり衝撃が加わりヒビなどが入る場合は、真っ二つに割れることがあります。(通常のジュエリーとしての使用では問題ないと思います。) その点を理解した上であれば、トパーズは硬度が8と高く輝きもきれいなので、ジュエリーとしてペンダントトップにするなど、大きさを楽しめる宝石になると思います。
希少性が高いトパーズとして、ピンクやシャンペンカラーのインペリアル・トパーズが有名ですが、残念ながらスリランカでは産出されません。(これらは主にブラジルで産出されます。)
片山新子、FGA
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