ジュエリーブログ,ニュース / ジェムランド

2010/3/16 火曜日

縄文時代の黒曜石鉱山、鷹山遺跡

Filed under: ジュエリーコラム, 宝飾品の歴史・考古学 — ジェムランドeditor @ 10:16:49

縄文時代の黒曜石鉱山、鷹山遺跡黒曜石とは天然のガラスである。種々の色を呈するが、多くが黒色。

日本では十勝石の別名でも知られているように北海道が有名だが、長野県でも霧ヶ峰、和田峠、そして今回紹介する鷹山での産出が知られている。

鷹山遺跡群(たかやまいせきぐん)は長野県小県郡長和町で昭和30年(1955年)に発見された。その後の調査過程において発見された黒曜石鉱山は平成5年に全国ニュースで採り上げられた事で脚光を浴び、平成13年には国の史跡に指定されている。

鷹山遺跡群は約1万2千年から3千年前(縄文時代後期)に作られたと推定され、黒曜石の採掘址(さいくつし)は75基(平成5年現在)数え、全国最大規模。

鷹山遺跡群が発見されたのが昭和30年であったとしても、当地における黒曜石(例え黒曜石の名を知らなかったとしても)の存在は、地元民には古くから知られていたようだ。その証拠とも言えるのが黒曜石鉱山があった場所の地名。これを星糞峠(ほしくそとうげ)という。

星糞峠の語源に関する記録は見つかっていないが、常識的に考えれば、地面のあちらこちらに落ちていた黒曜石の破片の割れ口が光を浴びれてキラキラと光る様子が星の糞を想像させたからだろう。

実際私が当地を訪ねた時も、脇道で未舗装の路面を5分ほど観察したところ、ふたつの黒曜石の破片を見つけることができた。

現地には「星くずの里 黒耀石体験ミュージアム」(語感を気にしたと思われるが“星糞の里”ではなかった)があって黒曜石などを使ったアクセサリー作りを体験できる他、各時代別に整理された黒曜石の石器(矢尻など)の展示や黒曜石を斧に加工する方法を見ることができる。これらの写真はこちらに公開

鷹山は白樺湖から車で30分ほど。近隣を観光する機会のある宝石・鉱物愛好家諸氏は鷹山まで少々足を伸ばしてはいかがだろう。

福本

コメント (0)

この記事にはまだコメントがついていません。

コメント RSS

現在コメントフォームは利用できません。

Powered by gem-land.com