ダイアモンド大手生産者、業績明暗分かれる
デビアス、BHPビリトン、リオティント。これらダイアモンド生産者三巨頭の業績で明暗が分かれている。
デビアスは2008年の決算で約80億円の純利益を計上したが、2009年は一転して約670億円の純損失を出した。この理由としてはカナダでデビアスが所有するスナップ・レイク・ダイアモンド鉱山及びヴィクター・ダイアモンド鉱山の赤字補填に約630億円を繰入れた事が響いたが、様々な事業部門の成績も軒並み良くない。モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH)と合弁で展開する小売り部門、デビアス・ダイヤモンド・ジュエラーズ(De Beers Diamond Jewellers:DBDJ)の売上は前年対比30%減、工業用ダイアモンドを扱うエレメント・シックス(Element Six)は同34%減、原石販売のダイアモンド・トレーディング・カンパニー(Diamond Trading Company:DTC)の売上は同45%減の約2,900億円だった。
オーストラリアのアーガイル鉱山やカナダのダイヴィック・ダイヤモンド鉱山、ジンバブエのムロワ(Murowa)鉱山を所有するリオティントのダイアモンド事業の売上は前年対比46%減の約400億円で、約61億円の純損失。昨年は120億円の黒字だった。需要低迷によりアーガイルとダイアビックの操業を停止した期間もあり、生産量は前年対比33%減の1400万キャラットだった。
一方、カナダ最初のダイアモンド鉱山エカティを所有するBHPビリトンの中間決算は好調だった。ダイアモンド部門の半年間の売上は76%増加して約340億円、税引前利益は前年の中間決算時の約13億円から大幅に増え約160億円だった。半年間の生産量は13%増の154万キャラット。好決算の理由は探鉱への投資の抑制、より効率的な採掘作業などと発表されている。