ダイアモンドのファイアを強める新しい技術
カリフォルニア州パサデナにあるカリフォルニア工科大学は、半導体集積回路などに微細な回路を刻むプラズマ エッチングの技術をダイアモンドに利用し、ファイア(石が放つ虹色の光)を強める技術を開発した。
原理は簡単だ。ファセットに微細な溝を刻むことで回折作用によって虹色を作り出すというもの。
溝は通常パビリオン側に付けられ、GIAの検査結果によると10倍で確認できるというから、この処理石の検知は簡単だ。
このカットが施されたダイアモンドの写真は右側。合成ルチルを思わせるほどのファイアを放っている。
“ナノポリッシュ”や“ナノカット”として商標登録された今回の技術だが、ジュエリー・ユーザの心を捉えるかは不明。ダイアモンドが放つファイアは少な過ぎず多過ぎず、ちょうど良いあんばいだと私は感じている。 強すぎるファイアは伝統的なダイアモンドのファイアが馴染んだ目からするとあざとい印象を受けるのだが、さりとて好みは千差万別。魅力を感じる方もおられるだろう。