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2009/11/10 火曜日

デビアス、ソフト販売にも力点 - エヴァロン

Filed under: ジュエリーニュース, ダイヤモンド — ジェムランドeditor @ 13:25:02

Everlon_Diamondデビアスが先頃発表した Everlon Diamond Knot Collection 。この新しいダイヤモンド ジュエリーのデザインはヘラクレス・ノット(ヘラクレスの結び)をモチーフとしており、結び目に象徴された愛の強さを表現したものだという。

デビアスでは“Everlon”の商標とエヴァロン・ダイアモンド・ジュエリーの販売、ならびにエヴァロンを元に各社が独自に開発するデザインのジュエリーの販売をサイトホルダー、またはこのジュエリーの販売の為に協賛金を支払った小売業者に限定すると発表しており、“Everlon”ブランドの保守のためには断固たる法的手段を採る方針のようだ。

ただデザインの知的所有権がもし法廷闘争に持ち込まれることがあれば、司法当局は難しい判断を迫れることになるだろう。発表されたエヴァロン・ダイアモンド・ジュエリーのように、デビアスがヘラクレス・ノットを洗練されたジュエリーデザインとして昇華させている点は立派だが、ヘラクレス・ノット自体は最も基本的な結び方のひとつである「本結び」のこと。古本の束ねるときなど日常的に用いている方も多かろう。

ヘラクレス結びジュエリーモチーフとしての本結びは紀元前から登場しているし、私自身も2本のワイヤーワックスを使って本結びモチーフの指輪を作ったことがあるほどに一般的なものだ。また花嫁衣装を自分が解くという暗示を込めて本結びが描かれる結婚指輪もある。

ともあれ、この、いわばソフト(デザイン)販売にも力点をおいた方針は、かつては世界の8割(現在は5割弱とされる)に及ぶダイアモンド原石の生産を支配したデビアスの姿勢からはかけ離れている。

ダイアモンドが売れる事がデビアスの利益に直結した時代は既にフォーエバーマークをひっさげて小売りに参入した時に終焉を迎えていたが、それでも従来はスリーストーンがオープンであったように、デビアスがプロモートしたデザインを独占し且つ自社の売上に加えようという姿勢はなかった。

自らの顧客と競合するというデビアスの在り方は、今後も続くだろう。

※写真右上はユーチューブに公開されているゼール(北米最大の宝飾品小売商)のエヴァロン・ダイアモンド・ジュエリーのコマーシャル。クリックで再生。

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