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2009/11/3 火曜日

スリランカ宝石便り その26 〜第101回英国宝石学協会・宝石学会〜

Filed under: スリランカからの宝石便り — shinko @ 17:19:37

今年10月18日、英国宝石学協会の宝石学会がロンドンのヒルトンホテル・サウスケンジントンで開催されました。昨年は100周年ということで二日間行われましたが、今年は例年通り一日のみの開催でした。今年のテーマは「Showing Colour〜色を見せる〜」ということで、色石について9人のスピーカーの方々が様々な角度から色の魅力や鑑別方法などについて話をしました。

英国宝石学協会・第101回宝石学会 

 

 

スピーカーの一人、アントワネット・マトリンズ女史(Ms.Antoinette Matlins)は宝石を購入する時のポイントをわかりやすく書いた本を出版されています。今回はカラーチェルシーフィルターを活用した色石の区別の方法について話をされました。また、カール・シュメツアー博士(Dr.Karl Schmetzer)によるカラーチェンジ・ガーネットの色の原因について、トーマス・ハインシュワン氏(Mr.Thomas Hainschwang)のカラー・ダイアモンドの光学的に見た特徴の話などがあり、図や写真を多く用いた説明でわかりやすく解説されていました。

 

 

一番興味深かったのは、ルビー、サファイア、エメラルドなど高級宝石の色のグレードや輝き、内包物の在り方によってどのように値段が変わっていくのかといったことをパソコンで検索して調べることができるといった話です。色石はダイアモンドのようにはっきりとグレード分けして、値段を表示することが難しい宝石です。

 

私はサファイアを扱っていますが、色や輝き、内包物の在り方で個人的に区別することはありますが、微妙な光の違いで色の表情が変化する色石(高級宝石だけでなく、ガーネットやスピネルなども)の場合、グレードに選別しきれない場合が現実的に多いです。また無処理のサファイア場合、内包物の美しさも価値あるものと考えますし、多数の人が美しいと感じるものや加熱などの処理の有無、希少性のある色味などで価値が決まるものだと思います。(これは個人的な見解です。)

 

実際には、市場に多く出ている加熱処理されたサファイア、ルビーでカリブレイト(大きさ、形を揃えて販売されているもの)は、色の選別をしっかり行うことが業者にとっては不可欠でしょう。

 

今年も様々な国のFGAの人とお会いし、鑑別する知識と経験をさらに深めて行かなければならないと感じました。

宝石学会のエピソードなどはブログに書いておりますので、せひ見てください。

スリランカ宝石留学物語 http://plaza.rakuten.co.jp/gemgasuki/

片山新子FGA

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