軽井沢と“石”
夏の終わりの軽井沢で、エコツアーを行うピッキオ(picchio)主催のネイチャーウォッチングに参加した。当地にある野鳥の森を、ガイドさんの説明に耳を傾けながら歩くという2時間のツアーだった。
星野温泉に隣接しているこの野鳥の森は、国設の野鳥の森として第一号だそうだ。
案内してくれたのはエコツアーのガイドに相応しい元気ハツラツとした地元出身の女性。野鳥のみならず、草木や花、小動物のことなど、実によく知っていた。
このガイドさんに教えてもらったのが表題の『軽井沢と“石”』に関する話。軽井沢という地名は“軽石のある沢”が語源なのだという。
なるほど、そういう目で地面に目を落とすと、そこら中に軽石がある。野鳥の森では、2メートルも掘れば軽石の層にあたるという。もちろん浅間山の噴火の影響である。
せっかくの機会なので軽石について記す。
浮石とも呼ぶ軽石だが、“軽石”という鉱物が在る訳ではない。鉱物と定義するためには、一定の組成(成分)である必要があるが、軽石の組成一様ではない。その定義を辞書的に書けば「多孔質で比重が低く、色が淡い火山砕屑物(かざんさいせつぶつ)」となる。平たくいえば「火山噴火によって流れ出たり、飛んできたマグマが冷えて固まったりしてできることが多い、たくさんの孔がある軽い石」となる。
写真上が野鳥の森のありふれた地面。軽石がそこかしこにある。写真下も野鳥の森。花の背景になっている小川の河床にも多くの軽石を見ることができる。