鉱物好きには気になる地名 - 石巻
宮城県石巻市。鉱物好きにとっては気になる地名であり、私もその一人。
「激しい褶曲(しゅうきょく※)によって、まさか海苔巻きの断面のような地層が露出しているのだろうか?」
などと勝手な想像を長年ふくらませていた。
先頃当地を訪ねる機会があったので調べてみた。
語源は諸説あるが、巻石が起源という説が江戸時代には広く知られていたと、石巻市住吉町1丁目の大島神社にある石碑(石巻市教育委員会)に刻まれている。
では巻石とはなにか?真偽のほどは定かではないが、巻石とされる石が前述の石碑に並んで置かれている(写真右)。
巻石が最初に記述された書物は、天和2年(1682年)に刊行された大淀三千風著「松島眺望集」。書中、次のような記述がある(前述の石碑)。
「石巻 川中に大きなる岩あり、このかげ浪巴(なみともえ)をなせり、この故にこの名あり」
つまり、 「川に大きな岩があり、この為に水が渦を巻いていたことから石巻と命名した」
と読める。
その他、安永二年(1773年)の「石巻村風土記御用書出」には
「当村端郷住吉町住吉大明神社地わきに、石巻石、石巻渕御座候に付き、その縁をもって村名に唱え申し候」とある。