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2009/7/7 火曜日

“ダイアモンドの川” という名前の島

Filed under: ジュエリーコラム — 福本 @ 11:59:36

2009年5月27日にタイ・チェンマイ動物園で生まれたパンダの赤ちゃん(パンダ研究所)※。先頃一般公開が始まり、その愛らしい写真が多く報道されるようになった。可愛らしい姿を見ていて思いだしたのが20年程前の話だ。

当時カリフォルニアに留学していた私は、インドネシアからの国費留学生達と交流があった。原油産出国からの留学生だけあって多くは環境問題を学んでいた。水俣病についていくつかの質問を受けたけれど、ろくに答えられずに自らの不勉強を恥じた事を覚えている。

彼らの大多数はお国柄イスラム教徒だったけれど一部にはキリスト教徒もいて、国費を使っての留学生選抜に宗教による差別がないのだと感心した記憶がある。

インドネシアの地図留学生のひとり、グナルティという女性によると、インドネシアで大学教育を受ける者は地域教育に貢献することが求められているとの事であった。彼女の場合、人口1000万人にも及ぼうという大都会、首都ジャカルタの裁判官の娘として生まれ育ったが、地域教育の貢献先として派遣されたのは、送電線も通っていないカリマンタン島(英語ではボルネオ島)の奥地。現地の子供達に読み書きを教えるという活動で、子供達にはとてもなつかれたそうだ。村を去る日、子供達からはプレゼントだといって段ボールを渡されたという。中には、大きな子猫、と思いきや虎の赤ちゃんが入っていたそうだ。

宝石学に絡めていえば、カリマンタンとは『ダイアモンドの河』の意味がある。 インドに次いでダイアモンドの産出が確認されたこの島は、特にファンシーカラーダイアモンドで知られ、アーガイル鉱山可動前に確認されたピンクやパープル ダイアモンドの多くはこの島で採れた石だ。

グリーンランド、ニューギニアに次いで世界で3番目に大きな島の名前が『ダイアモンドの河』を意味するとは、この島でのダイアモンド採掘の最盛期、いかに多くの人が漂砂鉱床での採掘に従事していたのかを考えると楽しい(もっとも過酷な採掘作業を強いられた子供達の話もあり、こちらの話は無論楽しくなどないが)。

※:タイ・チェンマイ動物園で生まれたパンダの赤ちゃん
パンダ研究所のブログに掲載されているパンダの赤ちゃん
チェンマイ動物園・パンダ舎のライブカメラ

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