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2009/3/1 日曜日

スリランカ宝石便り その20 〜スリランカ特有の宝石、シンハライト〜

Filed under: スリランカからの宝石便り — shinko @ 20:05:47

シンハライトという言葉はスリランカという国を指す「シンハラ」という言葉が由来です。屈折率や比重が近いことから長い間、ペリドットとして扱われていました。

   シンハライト  屈折率1.67−1.71  比重3.48

   ペリドット     屈折率1.64−1.69  比重3.34 

複屈折量はどちらも同じく0.036と大変大きいです。その為、顕微鏡でテーブル面から覗いた時にパビリオンのファセットが二重になってみえます。

ご存知、ペリドットの色はオリーブのような緑色ですが、シンハライトは淡い黄色がかった茶系から帯緑褐色、濃い褐色です。この色の違いは含まれる鉄分によるもので、色の濃いものほど比重が重くなります。希少石のひとつとして、ルースコレクターには魅力的な宝石となっています。宝石質のシンハライトはスリランカで産出されますが、ペリドットはあまり産出されません。(ペリドットが産出された記録はありますが、現在のスリランカの市場で取引されているペリドットの多くは近隣諸国から来たものでしょう)。

スリランカは砂礫層なので、産出されるシンハライトは丸くその結晶の形は失われています。シンハライトの原石シンハライトの原石

研摩された後は、ガラス状の光沢な為、照りのある強い輝きがあります。 研摩された後のシンハライト

 

残念ながらジュエリーとしてシンハライトはあまり使われていません。確かに硬度が6.5(ペリドットも同じ)とあまり高くありません。しかし、美しく研摩されたシンハライトは輝きがあって大変魅力的なジュエリーになると思われます。

ペリドットとの違いを見分ける鑑別方法→ブログを参照して下さい。http://plaza.rakuten.co.jp/gemgasuki/diary/200812300000/

片山新子(かたやま しんこ)、FGA

個人の楽天ブログ「スリランカ宝石留学物語http://plaza.rakuten.co.jp/gemgasuki

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