消費者がジュエリーテレビジョンを5億円の損害賠償提訴
米大手テレビ通販会社ジュエリー テレビジョンが、宝石販売に関する不当広告で提訴された。訴えたのはカリフォルニア在住の女性で、請求した損害賠償額はおよそ5億4千万円。
この女性によると、ジュエリー テレビジョンが稀少な赤色または緑色のアンデシン ラブラドライトとの広告に基づき購入をした宝石が、実際には化学的に処理された無色または黄色のフェルドスパーであったという。
処理を意図的に隠して販売をしたとは思わないが販売者責任が問われる時代である。宝石の販売者は、プロフェッショナルとして処理を知らなかったで済まされるものではない。自らの知識を磨き、供給者の情報だけに頼ることなく適切な情報を開示して販売することが肝要だ。
公正取引委員会には消費者を保護する観点から宝石・ジュエリーの広告に関する規制を強化してもらいたい。 規制緩和の潮流に逆行するとの考えもあるかもしれないが素人も簡単にインターネットで販売が可能な時代。その広告には目を覆いたくなる不当表記を目にすることもあり、歯止めの必要性を感じている。
販売者の立場からすると規制強化はうっかり知らずに処理石を売ってしまったらどうするのだという不安を持つかも知れない。しかし、自らの知識を蓄え、必要に応じて宝石鑑別機関を利用して、適切な表記で消費者が安心して宝石・ジュエリーを購入できる環境を整えればマーケットはより大きなものとなり、ビジネスに良い影響を与えるものと信じる。
参考までに記すと、FTC(米連邦取引委員会)ではジュエリー、貴金属業界向けに広告の文言を細かく定めたガイドラインを設けている。