ジュエリーブログ,ニュース / ジェムランド

2009/8/7 金曜日

AGTA GTCが閉鎖

Filed under: ジュエリーニュース, 海外ジュエリー事情 — ジェムランドeditor @ 3:15:59

AGTA(American Gem Trade Association)は、傘下のラボ部門AGTA GTC(Gemological Testing Center )を2009年7月29日付で閉鎖した。

2005年以来AGTA GTCのディレクターを務めていたキーハート博士(Dr. Lore Kiefert)はグベリン ジェムラボラトリー(GGL)のチーフ ジェモロジストとして迎えられる。

AGTAのCEO、ダグラス ハッカー氏は閉鎖の原因として、“長期化する不況とニューヨークの施設運営費の負担が原因”という趣旨のコメントを発表している。

AGTA GTCは研究成果をネット上でも広く公開しており、ジェムランド ニュースでも「“オニキス”として販売されるガラス増加」などを紹介していた。

2009/6/30 火曜日

“オニキス”として販売されるガラス増加

Filed under: 海外ジュエリー事情 — ジェムランドeditor @ 9:55:01

メノウ模造石AGTA GTCラボラトリーは、黒色不透明の人造ガラスがブラック カルセドニーとして販売される例が増加していると報告した。

広く知られるメノウはカルセドニー(玉髄)の一種。

ブラック カルセドニーは黒色に染色処理を施したカルセドニーで、一般には“オニキス”、あるいは“ブラック オニキス”として販売されている。

このガラス製のカルセドニー模造石は中国製で、ブラック カルセドニー単体ではなく、バングル腕輪)、あるいは指輪の一部、つまりジュエリーの素材として使用される例が多い。

屈折率は1.53程度とカルセドニーと同じだが、光ファイバー光などの強力なライトを検査石の薄い部位に透過させて拡大検査をすると、カルセドニーにしては不自然な特徴が観察できる。例えば小さなハシゴを思わせる、平行に配列した複数の短いニードル状インクルージョンといった特徴だ。また仮にわずかにでも欠けている部分があるならば、その割れ口の光沢にも着目すると良い。小さな結晶の集合体であるカルセドニーのそれはロウのように鈍いが、ガラスの割れ口の光沢は、ツルっとして高い光沢を持つ(※)。

AGTA GTCではラマン分光法とED-XRF(蛍光X線分析)を併用して鑑別結果を出したが、一般のジュエラーは、日頃からブラック カルセドニーであることが確実な石に同様の検査(光を透過させた状態での拡大検査や割れ口の観察)を行いその見え方を知っておくと、類似石との識別に役立つだろう。

 写真はAGTA GTCの撮影。天然ラピスラズリを使用しているが、リングの上部、黒色部分がブラックカルセドニーを模したガラス製の模造石。

※フラクチャー(割れ口)から得る宝石鑑別上のヒント
http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/gem_encyclopedia/ha/tips_for_gem_ident2.html

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